どっちがいいの?【強度】から考える無垢材と集成材

2021/04/05 | お家のこと 自然素材のこと

こんにちは、無垢材オタクのいなほ工務店です。
今回は弊社が大好きな無垢材に絡めて、家の材には無垢材と集成材のどちらが良いのか、【強度】を基にお伝えします。

家を建てる際に使用する木材は無垢材と集成材のどちらが、より良いのか。
お客様からよくいただく質問です。

【強度】という点で見た場合、国の指針では「集成材」が一番強いとされています。
この理由はとても簡単で、無垢の柱の場合、立地や材種・生育年数・大きさ・地域等によって強度が一定ではないためです。
命にひとつとして同じ命が無いように、無垢の柱も同じものは一本たりとてありません。

そして無垢の柱の場合、強度の平均値なんてものも出しようがありませんし、出しても意味がありません。
目の前にある「その」無垢の柱の強度がどうかというのが大切なのですから。

その点、集成材は工業製品です。
規格があり、強度や寸法・耐久性などの基準があります。

そもそも集成材とは?

製材された板、または小角材などを乾燥し、節や割れなど問題のある部分を取り除いた後に、繊維の方向を揃えて接着剤で接着して作った木質材料。
天然の材に比べて、強度や寸法が正確でゆがみが出にくいのが特徴です。

日本集成材工業協同組合は、「集成材は原料となる丸太から、2~4㎝程度の厚さに切り出される「ひき板(ラミナ)」や小角材を乾燥させ、厚さ、幅及び長さの方向に接着した木質材料」と定義しています。
定義としては、「木材の良い部分を集めて成型した木材」と言えるかと思います。

上記のように、集成材は木を貼り合わせて、基準を満たす強度を出しています。
しかし、こちらもすべて試験しているわけではありません。
自然素材とは違う規格のある工業製品ゆえ、強度のばらつきはおそらく少ないだろうと想定の元の数値です。

集成材が強いとされる理由

それともう1つ集成材が一番強いとされる理由に、いくらでも基準に合わせて作ることができるという点です。
自然素材は、これだけの強度が必要だからと言ってすぐに作ることなんてできないですよね。

でも、工業製品は違います。
計算し作ればいいのですから。
現在の法律上の耐震申請には、はっきりと数値化できる集成材を使用しない限り計算上耐震が取れない場合もあります。
3階建ても、集成材を使用する義務があります。
この場合は、いくら無垢の柱を使用したいと思ってもできません。

本当に集成材が一番強いの?

先にもお伝えしたように、無垢の柱は強度が一定ではありません。
同じように見えてもその強さはまちまちです。
集成材よりも弱い柱もあれば、世界最古の木造建築が法隆寺であり、世界最大の木造建築物が東大寺大仏殿であることは世界的にも有名なように、集成材とは比較にならない強いものが豊富にあります。
ただ集成材を選ぶ時には必要なかった、柱の【強度】を見極める目が必須なのです。

たとえば杉の木は国の評価で一番弱いと分類されています。
しかし、杉の心材(木の幹の内部の年輪が年を経て堅くなった紅・黒茶色等の部分)等は、地域・部位によってかなりの強度が出ます。
でも杉の地域や部位によって強度が弱い柱があるなら、「強い」と見極められた杉の柱材の【強度】を国の評価基準にすることはできませんよね。
そんなことをすれば耐震や構造上とても危険なのは一目瞭然です。
だからこそ杉は一番弱いと分類されていますし、杉の心材と言われていても、本当に心材かどうか、産地や部位はどこか。見極める目が必要なのです。

弊社のモデルハウス「伊丹市桑津 無垢の木の家 重層の甍」では、この杉の心材を使用した見せ梁がご覧いただけますよ。

【強度】の種類は1つじゃない

また、【強度】にも種類があります。

梁等は松の木が良いとされていますが理由は「粘り」が強いためです。
「粘り」の強さとは、しなって折れにくいことを言い、刃物で切ろうとしても抵抗ばかり大きく切りにくいのが特徴です。
しなって折れにくく、なかなか切れないというのは、家を横に支える「梁」に求められる重要なポイントです。

他にも、弊社で人気の無垢材に「吉野ひのき」や「木曽ひのき」があります。
檜の特徴の一つに、伐採後200年という想像を超える長い時間をかけて強度を増していき、その後1000年かけて元の強度に戻るという点があります。
面白いですよね、伐採され柱になってから200年、人の寿命を遥かに超える時間強くなり続けていくなんて。
工業製品のように数値化できなくて当然だと思います。

このように、【強度】だけを見ても一番いいのは無垢材です。
しかし、無垢材には「高価」「入手しずらい」というデメリットがあります。

無垢材のデメリット

無垢材が高価な理由はとても分かりやすく、集成材と比べ一本の木からとれる量が限られているからです。
一般的な木造軸組工法の家では、柱のサイズはだいたい105㎜か120㎜です。
105㎜か120㎜の角材を切り出すには、それを優に超える太さの木である必要があります。
木の太さである”育つまでに必要な時間”が、寄せ集めの集成材とは比べ物にならないほどかかり、貴重であることが分かっていただけるかと思います。

入手しずらい点については、弊社のある関西には日本最古の林業の地「奈良の吉野」を始め「木曽ひのき」で有名な和歌山があり、素晴らしい無垢材が手に入りやすくなっています。
これは関西地方で家を建てている私たちにとってとても幸福なことです。
立地条件に近い環境で育った木材が、日本でも有数の素晴らしい木材なのですから。
そして日々無垢材を扱っている私たちが「とても幸福」というほど、素晴らしい木材が簡単に手に入る地域は限られているという事です。

まとめ

【強度】を数値だけで見るなら、集成材一択です。
しかし、本当の【強度】と心地よさで考えるなら、無垢材一択になります。
でも、3階建ての場合など、そもそも無垢材を選択肢に上げることもできないことも多々あります。
そして、無垢材にこだわりすぎて他にお金を使えないということもあってはいけません。
家はあくまで心地よい生活をするための場です。
安心は安全の上に成り立つものである以上、柱の【強度】はとても重要で、ここをおろそかにすることがあってならないことです。

だからこそ私たちは、臨機応変に適材適所にて無垢材と集成材を使う事が望ましいと考えています。
もちろん予算が合う方は、すべて無垢材にすることを推奨いたしますが、集成材にも良いところがあります。

無垢材オタクの弊社としては、すべてにおいて無垢材の使用をおススメしたいのところですが、「家を建てる材」として考えた時、大切なのは「家」は「家族で心地よく暮らす場所」だという事を理解することです。
予算に応じてベストな選択をする。
そうしなければ、無理なローンや無茶な頭金で、疲れた生活を送ることになります。

柱一本まで見極められる会社なら、無垢材と集成材。無理のない範囲でより良い提案ができるはずです。
【強度】の数値だけ、無垢材・集成材という部分だけにこだわらず、「どんな暮らし方」がしたいかから、いろいろな材をぜひ見てみてくださいね。

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