兵庫県の木材について

2025/06/22 | 自然素材のこと TOPICS

こんにちは、出来る限り地元の材を使用したいいなほ工務店のWEBスタッフです。
先日、以前構造見学会と完成見学会を開催させていただきました「柿の木の家」の施工写真が私の手元に届きました。
本当に素晴らしい空間であると同時に、お庭も素晴らしい出来で、このお家が距離をものともせずに出来上がったのかと考えると感無量です。
お施主さんがご自身の暮らし方や、大切なもの、今後どう暮らしていきたいかをしっかりお伝えいただくことが何よりも重要だと、今回距離があったことで一層強く身に沁みました。
これからもお施主さんの言葉を漏らさずプランに反映していけるよう努めてまいります。

と、話が逸れてしまいましたが、今回のコラムでは「柿の木の家」や、先日住宅特集でも掲載されました「Schaap」でも使用しました、兵庫県の材についてお伝えいたします。

そもそも林業ってどういう意味?

林業というと、森林を育てて、木材やその他の林産物を生産することを指すイメージですが、実は林業には別に森林環境の保全や地域振興という意味もあります。
森林環境の保全と言われると、やはり木材の生産に繋がるような気もしますが、実は木材の生産よりも私たちにより身近かもしれないのが森林環境の保全です。
理由は、森林環境の保全が土砂崩れの防止や水涵養(すいかんよう)を目的として行われているからです。
山は、森林があることで根が土壌を固定し、落ち葉や枝が雨水の衝撃を和らげ、土壌流出を抑制して表層崩壊を起こしにくくなっています。
林業に従事してくださっている方々が行ってくださっている森林の育成(苗を植えたり、既存の樹木を間伐したり、森林を健全に保つ作業)は、森林を守るだけではなく私たちの住む場所も同時に守ってくださっているのです。

他にも、きのこや山菜など、私たちの食卓に欠かせない食材も、森林資源の利用であり林業の1つにあたりますし、実は海産物や豊かな水も森林資源が私たちに与えてくれている物なのです。

兵庫県の林業

兵庫県の森林面積は県土の約7割(全国14位の森林面積)を占めており、森林面積7割のうち、人工林は42%、天然林は58%の割合です。
人工林は杉と檜が多く植えられており、主に家の柱ら板などの材料になっています。
天然林は、自然に生えた木が大きく育ったもので、コナラやアラカシなどの仲間が多く自生しています。

兵庫県には林業に100年以上従事くださっている会社さんが存在しているほか、1994年から始まった森林ボランティアの育成で、現在1万人以上の方がボランティアとして森林保全活動を行ってくださっています。
気になる方や私もやってみたいと思われた方は、「兵庫県」「森を守る活動」で調べてみてくださいね。

兵庫県の代表的な木材

杉・檜

杉檜に関しては、後ほど詳しくお伝えさせていただきますが、杉は県内で最も多く植栽されている樹種であり、檜は杉に次いで多く植栽されている樹種になります。 杉も檜も、元モデルハウス「Schaap」の1階床と2階の床に、六甲山の間伐材の無垢フロアーを使用しました。

1階で使用した、六甲山の間伐材「杉」の無垢フロアー

2階で使用した、六甲山の間伐材「檜」の無垢フロアー

針葉樹「宍粟杉」・「宍粟檜」

関西には有名な産地、吉野や紀州があるためとても意外かもしれませんが、関西最大級の国産材製材工場は実は兵庫県の宍粟市にあります。
兵庫県の中西部に位置する宍粟市は市面積の90%を森林が占める豊かな自然資源に恵まれていたことから、古くは江戸時代から林業が盛んで地域経済に大きく貢献してきた歴史があります。
現在も宍粟市の山林で切り出された杉は「宍粟杉」、ヒノキは「宍粟材(なぜか檜ではなく材なんです)」というブランド名で知られており、関西最大の国産材製材工場で木の上から下まで、工夫をして余すことなく使用できるよう、大切に加工されています。
杉は乾燥の難しさや、加工の難しさが課題と言われていますが、冬に育つ硬い部分には構造材としての強度を有している反面、夏に育つやわらかな部分には調湿・蓄熱機能を持つ優れた材です。
宍粟杉は、その見た目の柔らかさと共に肌触りの良さ、強度が魅力の材です。

宍粟檜は、品質に優れていることから全国に流通しています。

針葉樹「モミ」

兵庫県西部が西日本有数の産地となっていると共に、日本一のモミの木(樹齢800年高さ34mで国指定の天然記念物に指定)は兵庫県の丹波篠山の追手神社に存在しています。

モミは比較的柔らかく加工がしやすいことから、天井板、腰板、戸障子の枠など、住宅の構造や内装材として利用されている他、消臭効果と調湿効果に優れていることから、夏の贈り物に欠かせない存在です。
私たちにとって身近なそうめん「揖保乃糸」は、先ほどお伝えした宍粟市での生産が盛んで、全生産量の約6割を占めています。
宍粟市は、揖保川の清流、赤穂の塩、良質な小麦に恵まれる環境であることから、そうめんの製造に適しているそうです。
揖保川の清流も実は、森林保全が関係しているのですが、手延素麺 揖保乃糸の贈り物バージョンは、木の箱ではないでしょうか?
自分たちようには購入することの無い、高級なそうめんが入っている箱は、兵庫県産のモミが使用されています。
正に、消臭効果と調湿効果に優れた材に相応しい役割だと思います。
高級な手延素麺 揖保乃糸をお手に取られることがありましたら、「これが兵庫県産のもみか」と、是非そのやわらかな手触りと、森林保全が私たちのとても身近なところにあることを意識していただけると幸いです。

広葉樹 クスノキ

兵庫県の県樹でもあるクスノキは、県内では街路樹にも多く植えられています。
間伐材が流通することもしばしばありますが、クスノキは木本体よりも、クスノキの枝や葉にある独特の匂いの方が有名かもしれません。
クスノキの香り成分は「カンファー」、別名「樟脳(しょうのう)」の匂いです。
おばあちゃんの家に行くと香っていた懐かしい香り、防虫剤や防腐剤としておなじみ匂いとお伝えすると、より分かりやすいかもしれません。

広葉樹 コナラ

実は県内に最も多く分布する樹種は、杉でも檜でもなく、コナラです。
コナラは家を建てるために使用する材よりも、家具や器具材として使用されることが多い材です。
弊社の元モデルハウスであった「Schaap」の1階壁に使用したのも、神戸市の街路樹を伐採した「コナラ」や「ケヤキ」の無垢材です。

1階の印象的な壁で使用した、神戸の街路樹「コナラ」や「ケヤキ」の無垢材

兵庫県産の材を使いたい場合は?

家を建てる際、ここの材を使ってみたいなと思われた方は、是非建築を依頼する会社に聞いてみてください。
聞いてみることで使用が可能となったり、扱えないことが判るので、兵庫県産の木材に限らず、吉野の材や紀州の材など、家づくりでは木材を利用するところが無数にあるため、用途に合わせた材を選ぶことが何よりです。

まとめ

最初にもお伝えしましたが、家づくりを成功させる近道は、お施主さんの想いをしっかり伝えることです。
木材に限らず、気になったこと、想いはきっちりと伝えることを大切にしてください。
もちろん、伝えたからと言ってすべてが叶うわけではありません。

材ひとつとっても、流通の少ない材を使用するのは手配と価格の両面で難しい場合がありますし、外国産の材を主としている会社さんで国産材を使用することはなかなか難しいのが実情ですから。

今回兵庫県産の材をコラムのテーマに使用したのは、「Schaap」の説明をさせていただくと、「兵庫県産の材」ということに何度も驚かれたことにあります。
私たちからすると普通に存在している物も、あまり有名でないものを知っているお施主さんはまだまだ稀です。
でも、有名でなくてもとっても素晴らしいものは私たちの身近にいくらでもあります。

有名じゃないものは、質問することに抵抗があるかもしれませんが、人生で1度ないし2度あるかどうかの家づくりです。
是非自分の想いをしっかり伝えて、自分たちだけの家づくりを行ってください。

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