緊急事態宣言が発令され、ますますイベントの開催が遠のきました。
今回のコラムでは、匿名でご質問いただける機会が無くなり、困った末に製作した疑問質問ページにいただいた、
「引き渡し時の施主検査ってどこを見ればいいのですか？」という質問にお答えいたします。（もちろん直接お答えもしているので、ご安心ください）

※家に関する疑問質問は、こちらからどうぞ。メールアドレスだけでＯＫです。

質問への答えは「ありません」

「引き渡し時の施主検査ってどこを見ればいいのですか？」という質問ですが、これはとても難しい話になります。
私たち流に言ってしまえば「ありません」という答えになります。
ではなぜ、「ありません」という答えになるのか、私たちの家づくりの流れを基にご説明いたします。

いなほの場合

いなほ工務店では多くの場合、プランの段階・設計の段階・建築の段階。常にお打合せを重ねます。

ここでなぜ「多くの場合」と但し書きをしたかというと、ありがたいことにかなり遠方から（地元に戻ってこられる）のお客様や、時間が取れないから任せたいとおっしゃられるお客様からご依頼いただくことが多々あります。
その他にも、お客様の「好き」と「ライフスタイル」に合わせるを第一としているため、お打合せの形も臨機応変な対応としているため、その限りでは無いからです。

話を、お打合せを重ねる件に戻らせていただきます。
プランの段階は暮らし方や今後のライフプラン、好きなものなど注文住宅を建てる際に一番大切になる、家族の趣味や大切なもの、暮らし方を詳しくお聞きした上でお客様にプランを確認いただきます。
このプラン作成を何度も繰り返し、お客様にぴったりのプランを導き出していきます。
プランの段階でも、何度もお客様にご確認いただきます。

次に設計の段階です。
考えたプランが設計になった場合、本当にこれで大丈夫か。
細かな数値までご検討、ご確認いただきます。
違うなーと、感じた場合はプランからやり直す場合も多々あります。
設計したから引き返せないという事はありません。
この段階でも、お客様にはしっかりと確認いただき、ご家族のご意見をいただくことを一番大切にしています。

プランも設計も、一番いい！というものが出来上がったら、次は建築に入ります。

図面から本物の家へと出来上がっていく過程です。
出来上がってからでは変更はできません。
そのため、お客さまとは現場でお打合せを重ね、「図面では電気の位置はここですが、高さは大丈夫ですか？」「棚の高さこの高さで大丈夫ですか？」等々、等身大サイズでご確認いただきます。
いなほの考えとしては「施主検査の時にどこを見る」というより、『お打合せの際にしっかり確認してください』というのが答えです。
常にご確認いただいていれば最後の最後でご確認いただくことはありませんから。 そして疑問に思ったことや、分からないなと思ったことはそのままにせず聞いて下さいというのが答えです。

他はどうなのか？

この答えは、いなほ工務店としての答えですが、家づくりを真剣に行っている会社は全部そうだと思います。
いなほ工務店は、高気密高断熱住宅を学ぶために新住協に参加していますが、親しくしている会社もみんなそうです。
そうなる理由は簡単です。

お客様が「安全に暮らせる、快適に暮らせる、愛着を持って暮らせる」家を建てたいと考えながら家を建てていると、この答え以外に無いからです。

質問をいただいた理由が気になる・・・

なんでこんな質問が？と気になり、インターネットで調べてみました。
そのなかで1つのページを見つけ驚きました。
そのページにはアドバイスとして「施主検査では、ビー玉を持って行こう！」となっていたのです・・・。
ビー玉？となったのですが、水平をチェックするためのアドバイスでした。
はっきり言うと、それは施主検査で行うものではありません。

もっと前、建築中にしっかり確認するものであり、どちらかというと家を建てる会社を選ぶ際に注意する点です。

ビー玉で確認しなくてはいけない会社に、家づくりを任せてはいけません。

会社を決める前に、会社をよく知り。
会社が建てた家をしっかり見る。
違和感があったら確認するなり、候補から外してください。

そして気に入った会社があれば、検査の回数や検査方法の他、どんなタイミングで建築中の家を見てもいいのか確認してください。
(いなほ工務店では建築中に5回の検査があります。家を見ても良いタイミングに関しては、施工現場には危険な個所や工程が豊富にあるため、安全確認をする必要があるためです。)

自分の家です。
施主検査時だけとは言わずに、確認を怠らないでください。
施主検査時は、理想を詰め込んだ家が完成したことを楽しんで、いろいろ開け閉めしてみたり、電気をつけたり。
吹き抜けの感じや、家族の気配がどんなふうに感じられるのか実感する時間にすることが大切です。
施主検査の時間はとても大切な家族の思い出になります。
嫌な思い出にしないためにも、打ち合わせと確認を怠らないでくださいね。