補助金をうまく活用して家づくりを行おう!(2021年度・新築住宅版)
2021/02/21 | お金のこと皆さんは新築住宅の取得時に、一定の条件を満たすことで補助金を受け取れることはご存じですか?
住宅購入は出費がかさむため、受けられる制度は最大限活用されることをおススメします。
今回のコラムでは、2021年に新築住宅を取得する場合利用できる補助金をご紹介しますね。
各補助金には申請期限やややこしい手続きが必要となるものもあるため、申請期限を過ぎてしまわないよう、しっかりと情報収集を行って行動してください。
新築住宅購入で利用できる補助金
補助金制度の中には、工事が着工した後には申請できないものや、先着順のものなど様々です。
「期限はいつまでか」「自宅は要件を満たしているのか」等をしっかりと確認し、時間に余裕をもって申請準備を行いましょう。
新築住宅購入時に利用できる補助金制度は、以下の6つ(※2021年2月時点)が対象です。
リフォームや介護改修に関する補助金など、住まいに関する補助金は数多くあるので、新築住宅購入時は下記の6つをしっかり調べてください。対象外のものに時間を使うのはもったいないので注意してくださいね。
- すまい給付金
- 地域型住宅グリーン化事業
- グリーン住宅ポイント制度
- ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)補助金
- エネファーム設置補助金
- 自治体の補助金制度
それでは、補助金制度の内容や給付条件や、もらえる補助金の額について詳しくご説明いたします。
すまい給付金
受け取れる金額は最大50万円
住まい給付金は、住宅取得の際の消費税の負担を軽減するために創設されました。
(余談ですが、新築住宅を建てる際の費用項目。各項目ごとに細かな金額が書かれていますが、消費税が一番高い項目なんてことも最近は少なくありません。)
すまい給付金の対象者は、世帯年収が一定額以下であり、2021年12月までに新築住宅の引き渡しと入居が完了した人です。
気になる世帯収入ですが、都道府県民税の所得割額に基づいて決定されています。
住宅ローンを利用 | 世帯年収775万円以下 |
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現金で購入 | 世帯年収650万円以下かつ、50歳以上 |
給付額は最大50万円ですが、最大とついているところがポイントです。
収入や不動産の持ち分割合に応じて給付額が決まりますので、対象者だからと言って誰でも最大額貰えるわけではないという事は頭に入れておいてください。
給付金を受け取れる期限は住宅の引き渡しを受けてから1年3か月以内。
入居後の申請となるので、忘れないよう手続きが必要です。
すまい給付金対象者条件
- 住宅ローンを利用し、世帯年収775万以下
- 現金で住宅を購入し、世帯年収650万以下かつ50歳以上
※どちらかの条件に当てはまっている必要があります。
申請のタイミング
- 入居後
補助金の受け取り方法
- すまい給付金事務局から申請した指定の口座に給付金を振込み
国土交通省「すまい給付金」についてはこちらで案内されています。
給付額は最大50万円ですが、収入や不動産の持分割合に応じて給付額が決まります。申請は入居後から可能で、給付金を受け取れる期限は住宅の引渡しを受けてから1年3ヶ月以内です。
地域型住宅グリーン化事業
補助される金額は上限110万~140万円(その他条件で加算あり)
いなほ工務店が得意としている住宅が対象の地域型住宅グリーン化事業。
地域型住宅グリーン化事業は、新築住宅ならすべて対象なわけではありません。
省エネルギー性能や、耐久性に優れる住宅を建てた中小工務店に対して、建築費用の一部が補助される制度です。 地域型住宅グリーン化事業の補助を受けるには、中小工務店は国土交通省の採択を受けている必要があります。
この【採択を受けている】施工会社に建築を依頼し、一定レベル(断熱性能・耐震性能など)を満たした木造住宅を建てることで、110万円~140万円の補助金が支払われます。
追加として、住宅の半分以上で地元でとれた「地域材」を使用した場合、上限20万円の補助金が加算されます。
三世代同居対応住宅の要件を満たした場合は、上限30万円の補助金が加算されます。
申請を行うのは工務店であり、住宅の取得者(施主さん)は、工務店を通して補助金が還元される(補助金分の値引き)仕組みです。
地域型住宅グリーン化事業は、新年度ごとに必ず使えるとは限らない制度です。
新築住宅を建てる際には、「今年度はどうかな?」と思いながら調べてくださいね。
地域型住宅グリーン化事業対象者条件
- 住宅の建築を国土交通省の採択を受けた施工会社に依頼
- 一定レベル以上の木造住宅
補助金の受け取り方法
- 施工会社を通して工事費の一部として還元
地域型住宅グリーン化事業補助金を増やす方法
- 住宅の半分以上で地元でとれた「地域材」を使用
- 三世代同居対応住宅の要件を満たした場合
「地域型住宅グリーン化事業」についてはこちらで案内されています。
グリーン住宅ポイント制度
補助される金額は最大40万円相当(その他要件を満たすことで最大100万円相当に引き上げ)
グリーン住宅ポイント制度は、新型コロナで落ち込んだ経済の回復を図るために新設された補助金制度です。
令和2年12月15日(閣議決定日)から令和3年10月31日までに契約を締結した一定の省エネ性能を有する住宅の新築に対して、商品や追加工事と交換できるポイントが発行されます。
一定の省エネ性能は、認定長期優良住宅/認定低炭素建築物/性能向上計画認定住宅/ZEHのいずれか、または、断熱等性能等級4かつ一次エネルギー消費量等級4以上の性能を有する住宅と決まっています。
当社のようにもともと建てている家が上記のような住宅の場合、補助を受けられる可能性が高くなります。
高性能住宅が得意な会社で建てられることを考えていらっしゃる方は「グリーン住宅ポイント制度」は使えますか?と聞かれることをおススメします。
2020年12月に補正予算案として出されたばかりの補助金制度。
新型コロナの関係で新たな補助金制度が産まれています。
対象期間も短く、急場しのぎのため情報収集が追い付いていない可能性もあるので、こんなご時世だからこそご自分で情報収集を行うようにしてください。
グリーン住宅ポイント制度対象者条件
- 令和2年12月15日~令和3年10月31日までに契約を締結
- 認定長期優良住宅/認定低炭素建築物/性能向上計画認定住宅/ZEHのいずれか、または、断熱等性能等級4かつ一次エネルギー消費量等級4以上の性能を有する住宅
補助金の受け取り方法
- 商品や追加工事と交換
グリーン住宅ポイントを増やす方法
- 東京圏から移住(一定期間、東京23区内に在住又は東京圏(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)(条件不利地域を除く)に在住し東京23区内へ通勤している者)するための住宅
- 多子世帯(18歳未満の子3人以上を有する世帯)が取得する住宅
- 三世代同居仕様である住宅(:調理室、浴室、便所又は玄関のうちいずれか2つ以上が複数箇所ある住宅)
- 災害リスクが高い区域(土砂法に基づく土砂災害特別警戒区域又は建築基準法に基づく災害危険区域)から移住するための住宅
「グリーン住宅ポイント制度」についてはこちらで案内されています。
ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)補助金
補助される金額は上限60万~115万円(その他条件で加算あり)
こちらも、いなほ工務店が得意としている、ZEHを建てることでもらえる補助金です。
国の基準を満たしている「ZEH住宅(ゼロエネルギー住宅)」を建てることで、補助金が受け取れる制度です。
補助金の対象は、ZEHの基準を満たした住宅を建築する、または購入するか、基準を満たすようにリフォームした場合に、60万~115万円の補助金を受け取れます。
ZEHには「断熱」「省エネ」「創エネ」という3つの基準があり、1つでもかけた場合はZEH住宅にはならないので注意が必要です。
「創エネ」に家庭用蓄電池や太陽熱利用温水システム、停電自立型燃料電池を導入した場合は、さらに4万~60万円の補助金が加算されます。
こちらの補助金が他の補助金とは違う最大のポイントは、【先着順】という事です。
公募期間中に応募するのはもちろんのこと、公募期間中であっても申請金額が予算に達した場合は終了となるのでご注意ください。
先着順だからと言って、公募期間前に書類を送付しても受理してくれないので、タイミングは随時公式サイトでチェックすることが大切ですよ。
ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)補助金対象者条件
- 「断熱」「省エネ」「創エネ」の条件を満たしたZEH住宅を建てること
補助金の受け取り方法
- 施工会社を通して工事費の一部として還元
地域型住宅グリーン化事業補助金を増やす方法
- 家庭用蓄電池や太陽熱利用温水システム、停電自立型燃料電池を導入
申請についての注意点
- 先着順(予算に達した場合、期限でなくとも終了する)
一般社団法人 環境共創イニシアチブ「ZEH支援事業公募情報」についてはこちらで案内されています。
エネファーム設置補助金
補助される金額は最大4万円(その他条件で加算あり)
家庭用燃料電池を導入する場合に、購入費用の一部、最大4万円を補助してくれます。
マンションに導入・寒冷地仕様の機器を設置・既築(すでに住んでいる住宅)に設置する場合等、要件を満たすごとに補助額が3万円加算されますが、阪神間に会社を構え木造住宅を建てている当社にはあまり関係のない話になりますね。
補助金を申請する際には、『協会が指定している機器であること』『6年以上機器を使用する』など、8つの要件を満たす必要があります。
そして、「エネファーム設置補助金」は、先ほどご紹介した「地域型グリーン化事業」や「ZEH補助金」との併用ができないので注意が必要です。
「エネファーム設置補助金」は書面もしくは、WEBからの申請が可能ですが、今年の締切日は2021年2月19日17時までです。
これから申請を検討している方は、急いで申請準備を行ってください。
今の時期は、今年度(2020年度)の扱いであるため、2021年度の「エネファーム設置補助金」の有無についても後日ご紹介いたします。
一般社団法人 燃料電池普及促進協会「補助金制度のご案内」についてはこちらで案内されています。
各自治体独自の補助金制度
自治体ごとに、国とは別の補助金制度を設けている場合があります。
建築場所がすでに決まっている方は、都道府県や市町村の公式ホームページから自治体が実施している補助金制度を確認してみてください。
弊社のある兵庫県では、2020年に「空き家活用支援事業」という補助金がありました。
一戸建ての住宅の空き家や共同住宅の空き住戸を住宅、事業所又は地域交流拠点として改修する際、改修工事費の一部を助成します。というものです。
令和2年度の募集が終了し、今後どうなるかは不明ですが、このような補助金は中古住宅を購入しリノベーションをすることで活用できる面白いものです。
各自治体独自の補助金は、こっそり始まってこっそり終わることが多いので、居住地が決まった方は「居住地名」+「補助金」+「新築やリフォーム」などで検索されることをおススメします。
まとめ
住宅購入の際に利用できる補助金は6種類とお伝えいたしましたが、実際に使えるかどうかとなると条件やタイミングなど厳しい場合もあります。
家づくりを考える際には、「補助金」のことを頭に入れつつ、無理のない「資金計画」を忘れないでくださいね。
そして、丁寧な家づくりを行っている会社は「補助金」「資金計画」をしっかり考えています。
この会社どうかな?と思ったときには、先に紹介した「補助金」が使用できるか、「補助金があるから」と言って無理な「資金計画」を進めようとしないかしっかりチェックしてください。