ロフトは作ったほうがいいの?
2021/03/11 | お家のこと「ロフトって本当に部屋として利用できるんですか?暑くて無理なイメージがあります」という質問を、質問ボックスにいただきました。
確かに、昔のロフトのイメージは、『屋根裏=暑い』だったと思います。
今でも暑くなるだろうなーと思わず思ってしまうような建て方をしているお家を通勤中に見てしまう事はありますが・・・、弊社のように断熱を当たり前に行っている会社なら、暑すぎるロフトになることはほとんどありません。(土地の向きや家の方角、天窓をロフトにつけた等でも変わってきます)
そもそもロフトってなんで暑くなるの?
ロフトと呼ばれる以前は屋根裏といわれるのが一般的でした。
屋根裏はその名の通り、屋根の裏側です。
屋根は太陽が出いる間はずっと、直射日光に晒されるため溜めこむ熱の量も壁などとは比較になりません。
その上、冷たい空気は暖かい空気よりも重く、下に降りてしまうため、クーラーをかけても屋根裏まで届きにくいのです。
クーラーをかけていると、足元が特に冷えるのはこの現象が理由です。
断熱をすればロフトは有効なスペースになるのか。
もちろんなります。
弊社は新住協に加入し、日々断熱のことを勉強していますが、しっかりと断熱を行えばロフトは非常に有効なスペースです。
そもそも、断熱をしっかり行う事で、家に取り付けるエアコンは平均2台になります。(家の広さによっても変わりますが)
冬用である「床下エアコン」と、夏用である「家の高い位置に設置するエアコン」です。
どちらも温度の特性を生かして設置しています。
冷たい空気は下に降りる特性を生かし、ロフトに位置する場所に設置することが多いので、エアコンの冷気がロフトまで来ないという問題がありません。
逆に、暖かい空気は上に上がる特性があるので、床下エアコンで温められた空気がロフトにたまっていきます。
夏も冬も、気密と断熱+エアコンの設置場所をしっかり設計してやることで、有効どころか便利なスペースになるのがロフトの特徴です。
では次に、なぜ便利なスペースになるのかご説明しますね。
ロフトが便利なスペースになる理由
1:経済的メリット
2:部屋数が増える
3:そもそも余っている空間を利用するだけ
4:いらなくなってもそのままでOK
1:経済的メリットがある
ロフトは、建築基準法では「小屋裏物置等」と言い、いくつかの建築基準があります。
その中の1つとして、天井高1.4メートルというものがあります。
確かに大人だとまっすぐに立てないため、用途が限られてしまいますが、それでも居室ではなくロフトにするだけの経済的メリットがあります。
その内の1つが、「固定資産税」です。
ロフトは法定床面積(建築基準法に則って算出する床面積)に含まれないので、固定資産税の課税対象面積にも含まれません。
もちろん、固定資産税の評価額は面積だけでなく、使われている資材や内装によっても変わってきますが、3階建てに比べるとスペースが増えるわりに、払い続ける固定資産税を抑えることが可能なのは大きなメリットです。
もう一つのメリットとして、構造計算や確認申請の費用に違いが出ます。
木造住宅の場合、2階建てと3階建てでは建築基準法の規制が大きく増えます。
3階建てになると構造計算が必要になります。(弊社は2階建てでも全棟行っているので、関係ありませんがここは一般的な話なので入れてあります)
その他、非常用侵入口を付ける、排煙計算が必要になるなど消防の規制も増えます。
建築確認申請でもこれらの点のチェックが必要となるため、時間とお金が余分に必要となります。
ロフトなら、2階建てのままなのでこのあたりのことも必要なくなり、お金と時間両方節約できることになります。
2:部屋数が増える
ロフトの床面積は、ロフトがある階の2分の1未満の広さという決まりがあります。
床面積50㎡の2階になら、25㎡までのロフトが作れる計算になります。
25㎡は約15畳!
天井の高さは、一番高いところで1.4mとかなり低いですが、子供部屋や書斎等、1人でゆっくり過ごすスペースには十分な広さの部屋が取れるのがポイントです。
建築基準法の中で家を建てる地域によって違うのが、階段の在り方です。
「階段が固定されていてはいけない」という規制がある地域は、階段ではなく梯子(可動式である必要があります)を利用してロフトに上がるしかありません。
しかし近年徐々に変わってきており、固定階段が設置できる地域が増えてきています。
固定階段が設置できれば、更に居室!としても使いやすくなるので、自分が家を建てる地域はどうなのか、聞いてみてくださいね。
3:そもそも余っている空間を利用するだけ
ロフトはそもそも余っている空間を利用するだけのことです。
ロフト分の工事費用はもちろん必要ですが、居室を増やすよりも圧倒的に安価にスペースを増やすことが可能です。
4:いらなくなってもそのままでOK
ロフトスペースに子供部屋を作るお客様が増えていますが、その最大のメリットは、子供部屋がいらなくなっても物置スペースとして利用可能!な点です。
自分たちのスペースが欲しい子供に個室は与えてあげたい・・・でも、将来的には夫婦二人暮らしになる場合、大きな部屋を小さく区切ってしまうよりも、ロフトに子供用の個室を作ったほうが無駄がありません。
大きな部屋を小さく区切ってしまうと、将来子供が巣立った時にはとても使いにくい空間になってしまいます。
子ども部屋が物置になるなどの現象は、小さく使い勝手が悪い部屋であるのが原因です。
子どもたちが家族と共に帰省してきても、子ども部屋だった部屋に一家全員が泊まるのは困難なことが多いのが、土地の確保に難しい都会では特に顕著です。
でもロフトなら、そもそもなかった空間なので、住み続けるうちに増えたものの物置スペースに変えることにも抵抗は少なくなります。
もともとロフトは固定資産税にも含まれていませんしね。
まとめ
弊社でもロフトは大人気で、設置を希望されるお客様が多くいらっしゃいます。
子ども部屋として考えないまでも、旦那さんや奥さんの個人スペースとしての活用や、お客様用の部屋としての利用等。
「家を建てる時に作っておけば何にでも使える!」という考え方も多いようです。
ただし・・・構造的な強度をしっかり満たしているのがロフト設置の最低条件です。
確認申請に必要ないからと言って、適当な考え方は言語道断。
ロフトの安全をしっかり確保している会社で、ロフトが作りやすい構造の建て方を行っている会社を選ぶのが重要です。
家を建てる際に、ロフトの使い道が特に決まっていない場合は特に、しっかりとした安全を確保し、構造計算を行っている会社ならば、安価に設置できるロフトは作っておいて損はないものと考えてくださいね。