洗面所と脱衣所を分けた場合のメリットデメリット
2021/09/17 | お家のこと TOPICS先日テレビの情報番組で、新型コロナの影響で明確に増えているのが、お風呂時間と放送されていました。
実際、LOFTではお風呂アイテムの売り上げがコロナ以降、4割以上伸びているそうです。
確かに我が家でも、帰宅すると「まずはお風呂から」の流れが出来上がっています。
でも・・・ほとんど夜だった入浴が、時間を問わず行われることで、小さなトラブルがちょこちょこ発生してしまい、洗面所がとても使いづらいのが現実です。
今回は、このコロナで特に需要が増えている、洗面と脱衣所のスペースを分けるメリットとデメリットをご紹介いたします。
洗面と脱衣所を分けるようになったきっかけ
弊社では設立当初から玄関洗面所を設置していたこともあり、洗面と脱衣所のスペースに関するお悩みを多くお聞きしていました。
その内容は、当たり前のように同じスペースに収まっている洗面と脱衣所ですが、『手を洗うために他人に入られるのが嫌だ』
『家族に気兼ねなく入浴したい』『家族の入浴時間を気にすることなく、洗面所を使いたい』
『朝シャワーを浴びる家族がいると、忙しいのに洗面所が使いづらい』等々です。
上記のような状態は、小さな不満かもしれませんが、毎日のこととなるとストレスも溜まりますし、無駄な時間も発生してしまいます。
このストレスを解決するには?と導き出した答えが、洗面と脱衣スペースを分ける!だったのです。
そもそも洗面と脱衣所って同じ役割なの?
多くの間取りで目にする「洗面脱衣所」という言葉の通り、当たり前のように同じスペースに共存している洗面と脱衣所ですが、役割はまったく違います。
洗面所は「身支度を整える場所」「洗濯する場所」であり、
脱衣所は「入浴のために衣服の着脱や準備をする場所」です。
「洗濯する場所」は、脱衣所と共ににあったほうが便利だと思いますが、その他の2つはいかがでしょうか。
同じ場所にあるほうが便利だと思われますか?
次にメリットとデメリットを紹介しますので、家づくりをお考えの方は、自分たちの暮らしにはどっちがあっているかな?と考えてみてくださいね。
洗面と脱衣所を分けるメリット
1:脱衣所にお客様を入れずにすむ
脱衣所は、洗濯物や脱いだ衣服が洗濯籠に入ったままになっていることもある、とても個人的な、生活感の溢れる空間です。
お友達や両親・義両親であっても、できれば見られたくはありませんよね。
慌てて隠すのもとても面倒です。
その点、洗面所と脱衣所を分けておけば、洗面所に案内する際も脱衣所を気にする必要はありません。
お客様からしても、変に気を使う必要がなく双方ともに、洗面所を気持ちよく使う事が出来ます。
2:脱衣所と洗面所を、同時に別々の人が使用できる
家族とはいえ誰かが入浴中の場合、やはり洗面所を使うのは気を使う場面が多々あります。
特に年頃のお子さんがいらっしゃるお家では、ちょっとした言い争いの元にもなったりします。
お子さんの成長と共に在り方が変わるスペースの代表例が、洗面脱衣所でもあると思います。
その点、最初から洗面所と脱衣所が分かれていれば、誰かが入浴中であっても、他の家族は気兼ねすることなく洗面所が使用できます。
お風呂に入っている人は、「誰かが洗面所にいるからあがれない」
洗面所を使う人は、「誰かがお風呂に入っているから手を洗うのはあとにしよう」などという、双方がそれぞれに感じるストレスがなくなります。
人数が多いご家庭はもちろん、朝のとても忙しい時間に朝風呂や朝シャワーをする家族がいても、時間のロスがなくなるのも大きなメリットです。
何かと忙しい朝は、ちょっとしたことでもイラッとします。
家族それぞれのペースを守りながらスムーズに身支度ができることで、ストレスの元を1つ減らすことが可能です。
3:目的ごとの収納が可能になる
先にも述べた通り、洗面所と脱衣所は使用目的が違います。
そのため、収納するものもそれぞれ違いがあり、例えば洗面所にバスタオルは必要ありません。
下着も同様です。
サイズの違うタオルや下着、洗剤類や洗濯ネットなどの洗濯用品や歯ブラシなど、それぞれ必要な場所に収納することで、収納しやすい上使い勝手も良くなります。
洗面所と脱衣所を分けるデメリット
1:洗面所と脱衣所、それぞれに面積が必要になる
よくある一体型の洗面脱衣所は、2畳前後のスペースを使用しているのが一般的です。
洗面所と脱衣所を分ける場合、それぞれ半分ずつの1畳前後のスペースで足りるかというと、そうではありません。
洗濯機や脱衣かご、収納スペースの関係上最低でも、それぞれに1.5畳のスペースが必要になります。
その分、他の収納や居室やリビングを小さくする必要が出てきます。
2:動線が増える
例として、洗面所で手洗いや予備洗いをした洗濯物。
脱衣所にある洗濯機へ持っていく必要があり、その手間が不便に感じる方もいらっしゃいます。
3:別々に作るため余分な費用がかかる
洗面所と脱衣所、それぞれに小さな空間を作るのですから、洗面脱衣所と比べると費用が高くなります。
無駄なく洗面所と脱衣所を分ける方法はあるのか
弊社のある阪神間は、土地を入手するのがとても困難な地域です。
価格も高く、なかなか思うような土地に出会えません。
土地代が高くなりやすいため、どうしても狭小地、あるいはそれに近い土地が多く、余計なスペースをとる余裕はあまりないのが実情です。
ではそんな時どうすればいいのか。
一例として、廊下に洗面所を設置し、洗面所と脱衣所の間に一枚の扉を設置するのはいかがでしょうか。
廊下はもともと人が通るスペースです。
その廊下に洗面所を設置すれば、お客さまも家族も無駄なく使えます。
その上で、脱衣所との間を一枚の扉で仕切ることで、余分なスペースや余計な動線も作ることなく、洗面所と脱衣所を分けることが可能です。
扉を付けないまでも、ロールカーテンで仕切るのも1つの方法ですよ。
洗面所と脱衣所の参考例(施工例)
まとめ
洗面所と脱衣所を分けることが流行のようになっていますが、このコロナ禍では必要な1つの形だとも思います。
それぞれの場所ごとに機能を絞り、気兼ねすることなく水回りが使用できれば便利ですよね。
でも、スペースには限りがあり、予算にも限りがあります。
便利なだけでなく、面積や費用面・動線面でのデメリットももちろんあるので、プランの段階から生活動線や収納についてしっかり考えておくことが大切です。
洗面所と脱衣所を分けることが便利になるかどうかも、ライフスタイルによりけりです。
例えば、来客がほとんどない方や、夫婦二人の落ち着いた暮らしの場合、分けないほうが便利な点が多くなるかもしれません。
家族の人数が多く、朝のシャワーでさえ取り合いが激しい場合は、分けても分けなくても大騒ぎは無くならないと思いますが、落ち着いて洗面所が使えるだけでも、助かる場面が多々あるかと思います。
ライフスタイルは様々で、洗面所と脱衣所を分けるのが良いかどうか、言い切ることはできません。
特に暮らし方は十人十色。暮らしやすいと感じることは人それぞれ違いますし、コラムでも「どう暮らしたいかしっかり考えてくださいね」と常々お伝えしておりますが、暮らし方をイメージするのはとても難しいことだと思います。
でも今回の洗面所と脱衣所の内容は、洗面脱衣所というほど、洗面所と脱衣所は同じスペースに収まっていることがほとんどです。
家を建てたいなと考えている方の今のお家も、同じスペースに収まっているのではないでしょうか。
その場合イメージするのは簡単です。
現在どうなのか。
イラッとしたことは無いか。
もう少しこうなら便利なのになと思ったことは無いかぜひ考えてみてください。
自分たちの今の暮らしの中の、ストレスポイントをピックアップするだけでも、良い家づくりのヒントになります。
良い!は当たり前すぎて分かりづらくとも、嫌!は結構分かりやすいので、「イラッ」としたらノートに書き溜めるなりしてみてくださいね。
洗面所と脱衣所を分けるか否かをきっかけに、ぜひ自分たちのストレスポイントは一体何なのか、向き合ってみて下さい。