平素は格別のご愛顧を賜り心より御礼申し上げます。
さて、本年の年末年始休業についてお知らせ申し上げます。
誠に勝手ながら下記日程の期間中はお休みとさせていただきます。
◆休業期間
2025年12月30日(火)~2026年1月4日(日)
なお、休業期間中はモデルハウスのご案内も休業させていただきます。
期間中に下さったお問い合わせ・資料請求に関しましても、休暇明けの対応となります。
皆様には大変ご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご理解の程お願い申し上げます。
平素は格別のご愛顧を賜り心より御礼申し上げます。
さて、本年の年末年始休業についてお知らせ申し上げます。
誠に勝手ながら下記日程の期間中はお休みとさせていただきます。
◆休業期間
2025年12月30日(火)~2026年1月4日(日)
なお、休業期間中はモデルハウスのご案内も休業させていただきます。
期間中に下さったお問い合わせ・資料請求に関しましても、休暇明けの対応となります。
皆様には大変ご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご理解の程お願い申し上げます。
こんにちは、木の家が大好きないなほ工務店です。
今年も急に寒さが厳しくなり、秋が年々短くなっている気がします。
そこで今回は、冬と木の家をテーマに、冬だからこその木の家のメリットをお伝えいたします。
今も昔も、一般的な木の家は在来工法という工法で建てられています。
※戦前の住宅は伝統工法で建てられていることもあります。
弊社のお家も同じく、ほぼすべてのお家を在来工法で建てさせていただいております。
そんな木の家の印象を伺うと「寒い」とおっしゃる方が多くいらっしゃいます。
今放送中の朝ドラ「ばけばけ」でも、「日本の家は寒い」「地獄」と小泉八雲役のヘブン先生が言う程、この時代でさえ海外の住宅は暖かく日本の木造住宅は寒かったようです。
しかし、「木の家は寒い」という印象。
実は現代において大きく変わってきています。
木の家が寒かったのは建築技術が未発達であったためにできた住宅の隙間から入る隙間風や、断熱材の性能不足が原因だったからです。
この点を改善したお家が、弊社も建てている高断熱高気密住宅です。
高断熱高気密住宅は、冬でも暖かく裸足で過ごせると評判の「暖かい」お家です。
そもそも木は、家を建てる際に使用する材の中でも、断熱性に優れた素材の1つです。
特に弊社が愛用している天然の木材(以降無垢材と言う)の場合、根から吸い上げた水や光合成した有機物を循環する管を持っており、乾燥させるとその管が空洞になることで、空気の層が自然とできます。
この空気の層が熱を遮断してくれるので、無垢材そのものの断熱性が高くなるのです。
無垢のフローリングは、冬場裸足で歩いても冷たさを感じないと言われるのはこれが理由です。
更に無垢材は、合板やコンクリートや金属と比較しても熱伝導性が低く、外気の影響を受けにくいという特徴があります。
雪平鍋の持ち手をイメージしていただくと分かりやすいかもしれません。
鍋本来が炎で熱くなっていても、持ち手である木はあまり熱を帯びておらず、素手で持てるのは皆さんご存じなのでは無いでしょうか。
このように木は、火で熱せられた金属の熱でさえ通さないという性質をもっています。
そのため、外気の影響を受けにくい木を使用した家は本来快適な室温を保てるはずであるにもかかわらず、寒さを感じるのは木のせいではなく建て方に原因があると言えるのです。
更に木は調湿機能という優れた機能を持っています。
調湿機能とはその名の通り、湿度をコントロールしてくれる機能です。
湿度が高い時には空気中の湿気を吸い込み、乾燥している時には湿気を放出してくれます。
この機能は先にも記載した、木の中の空気層が湿気を吸ったり吐いたりすることで可能となっているため、無垢の木の家ではいつも湿度を保って快適に過ごすことができるのです。
過乾燥になりがちな冬、木の家はそもそも過乾燥になりにくいのですが、加湿器を掛け過ぎなければ、木が余分な湿気を吸ってくれるのでカビや結露を防いでくれる効果もあります。
無垢材ならではの冬の快適性能アップに、床下エアコンと言う設備があります。
床下エアコンは、名前や設備という言い方をすると大げさに感じるほど簡単な設備であり、エアコンの吹き出し口を床下に向けて設置するだけのものになります。
設備を設置するのに大げさな工事がいるわけではなく、専用の業者が必要なわけでもない床下エアコン。
エアコンも家電量販店で購入できるものが使用されているため、最近多くの会社さんで見かけるようになってきました。
しかし、簡単な設備に見える反面、床下エアコンはリフォームやリノベーションではなかなか取り付けることが叶わない設備でもあるほど、プランの計画段階から意識して設計を行う必要がある設備なのです。
理由は、エアコンが正しく活動するためにはいくつもの重要なポイントがあるためです。
例えば、そもそも断熱や気密が乏しい、昔の木の家ではエアコンの暖気が簡単に外に出てしまうためエアコン一台じゃ絶対にぬくもりません。
各部屋にエアコンが設置されている光景、皆さんも記憶に新しいのではないでしょうか。
その上で、1台のエアコンで家全体を暖めるとなると、正しく稼働するための給気と排気が重要になります。
エアコンが空気を吸って、吸った空気を温めて吐き出す機械である以上、給気がしづらい場所への設置では成り立ちませんし、暖かい排気が床全体を暖めるためには、床下の基礎も排気の流れを計算したものでなければならないからです。
その為、「とりあえず取り付けてみました」という、形だけの床下エアコンの場合、機能しないことも多いのが実情です。
木の家での冬の暮らしを更に快適にしてくれる床下エアコンを採用される場合は、必ず床下エアコンの施工実績を確認することを怠らないのは勿論、体感できるイベントがあれば積極的に参加するのを忘れないでくださいね。
先日大阪梅田にて、「ミラツグ」というイベントが開催されました。
ミラツグとは、未来へつなぐ工務店の会と言って、静岡県浜松市で発足した工務店が集まって開催する住宅相談会です。
この度、この会が関西でも発足しました。
初期メンバーは弊社も含めた、工務店9社です。
梅田で行われた第1回目の相談会には多くのお客様にご来場いただきました。
初回にも関わらず、2日間で40組の方に参加いただけ、想定外の喜びがありました。
ただ、盛況のうちに終わったのですが、お客様にとって工務店に直接質問することはハードルが高いのだという事を実感する2日間でもありました。
家づくりと一言で言っても、どこに聞けば良いのか、どこに相談すればよいのか。
相談してしまうと、そこで建てなくてはいけないのか。
営業電話がひっきりなしにかかってくるのではないか等々。
家を建てるという行為は、何度もできることではなく、ほとんどの方は一生に一度のことだと思います。
人生において経験が無い上、必要となる額は普段見ることも無い金額であるため、色々と悩みと不安が尽きないのは当然だと思います。
だからこそ私たちは、お施主さんの抱える不安を忘れることなく、良い家とは何か、お施主さんの暮らしにあった心地いい家は何を指すのかなど、自分たちの想いや考え方の他、技術など様々な方向や視点から正しい情報を発信していくことの重要性を実感し、足りないことに反省した日でもありました。
今回のコラムも、その反省の1つです。
これからはもっと小さなテーマごとにお伝えしたり、床下エアコンを始めとして技術や設備、素材についても気を付ける点や見るべき点を簡単におつたえしていければと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
次回は2月に開催予定です。
ミラツグのサイトは下記からご覧いただけます。
開催日が決まり次第アップされますので、直接問い合わせは怖いな、不安だなと思われた方は、是非お気軽にミラツグにご来場ください。
こんにちは、木が大好きないなほ工務店です。
今回は先月行われた、「村篤設計塾2025 in京都・兵庫」の様子をお届けいたします。

駒井家住宅にて(前列真ん中が主宰)
建築家・村松篤氏が主宰する「村篤設計塾」では、村松氏の指導の下、住宅設計の作法を学びます。
当設計塾は全国から参加するメンバーの地元を訪ねて開催されており、講義、名建築の見学、ホストを務める住宅会社・工務店のお仕事や実例を見る機会が設けられています。
今回は地元関西での開催となり、弊社がホストを務めさせていただきました。
実例見学の会場として快くお貸しくださいましたH様、ご参加くださった皆様、まことにありがとうございました。
3日間にわたり開催されました当設計塾の1日目は、参加メンバーによる設計課題のプラン発表と講評が行われました。
設計課題は実際のお仕事に近い内容のものとなっているため、様々な経験をもつ参加者による設計プランは勉強になることばかりです。
各参加者に対する村松氏からの講評や参加者同士の意見交換も行われ、とても濃密な時間となりました。

設計課題発表&講評の様子
2日目は、午前に旧三井家下鴨別邸と旧喜多源逸邸の2か所を見学しました。
旧三井家下鴨別邸は、下鴨神社の南に位置する豪商・三井家の旧別邸です。
「主屋」「玄関棟」「茶室」が現存しており、2011年に重要文化財に指定されています。
<旧三井家下鴨別邸についてはこちら>旧三井家下鴨別邸 イベント情報・お知らせ|【京都市公式】京都観光Navi

どっしりとした佇まいの玄関棟から主屋に続く通路を抜けると、庭園と一体となった主屋の開放的な空間が広がります。

玄関棟入口

主屋(建物の内と外が緩やかにつながる気持ちの良い空間)
庭も散策することができ、建物が水面に映る様子は風情のある素敵な景観でした。

次に、旧喜多源逸邸へ向かいます。
旧喜多源逸邸は藤井厚二設計の住宅で、2006年に国登録有形文化財に登録されています。
<旧喜多源逸邸についてはこちら>住宅遺産トラスト:喜多源逸邸

1階には小上がりの和室とそれに続く縁側があり、縁側は深い庇とガラス障子で囲まれたサンルーム空間となっています。
庭に差し込む日の光が木々を照らし、その影が縁側の床に落ち込みます。
その様子はとても幻想的で、室内に居ながらも自然の中に入り込んだような感覚になります。


2階は、次の間と客間で構成されており、客間南側に隣接する廊下は一面全体が窓となっているため光と風を取り入れることができます。
さらに、客間からは「大文字山」が見えます。

客間

客間から望む大文字山(大の文字も見えました)
午後からは、駒井家住宅を見学し、その後村松氏による座学が行われました。
駒井家住宅は、1927年にヴォーリズ建築事務所の設計により建てられた洋風住宅です。
<駒井家住宅についてはこちら>駒井家住宅(駒井卓・静江記念館) | 保護対象・保護資産 | 私たちの取り組み | 公益財団法人日本ナショナルトラスト

1階は居間と食事室が一体となったLD空間を中心として、北側にはキッチン、南側にはサンルーム、西側には和室が設けられています。

手前から食事室-居間-サンルームへと続く

サンルーム
居間には出窓と腰掛けを合わせた「ウィンドウ・シート」と呼ばれるものがあり、空間のポイントとなっています。

2階へと向かう階段は、緩やかな勾配かつ曲線的なデザインが特徴となっています。
使いやすさと意匠の両方を重視したヴォーリズの設計思想がうかがえました。

2階にある書斎は、駒井氏が当時使用していた姿がそのまま保存されており、大変貴重なものでした。

駒井家住宅を後にし、2日目最後は村松氏による座学が行われました。

3日目は、午前に弊社施工物件「TAKARAZUKA・ART・HOUSE」と「Hさんの家」を見学しました。

TAKARAZUKA・ART・HOUSEにて
1件目に見学させていただいた「TAKARAZUKA・ART・HOUSE」は、吹き抜け空間にキッチンを設けたプランが特徴となっています。
開放感のある空間でお料理ができると、お施主様も大変喜んでおられました。

2件目に見学させていただいた「Hさんの家」は、平屋の住宅で、庭に面した大開口と勾配天井による開放的なLDK空間が特徴です。

午後からは、高碕記念館と弊社モデルハウス「重層の甍」を見学しました。
高碕記念館は、1923年にヴォーリズ設計によって建てられた高碕達之助氏の住宅で、国登録有形文化財に登録されています。
<高碕記念館についてはこちら>高碕記念館について | 高碕記念館

高碕記念館ホームページより引用


この日はあいにくの雨でしたが、2階の窓から見える景色は街が一望できる最高のロケーションでした。


このモデルハウスは村松氏設計のQ1住宅で、2階にLDKがあるプランとなっています。
当時の図面や仕様をまとめた資料や各部屋を自由にご覧いただき、弊社のお仕事について知っていただく機会となりました。

今回のコラムでは、村篤設計塾の様子をお伝えさせていただきました。
当設計塾では様々な建築を目にする機会が設けられています。
また、講義や設計課題では住宅設計について貴重な内容を学ぶことができます。
これらの経験をこれからに活かしていき、お客様にご満足いただける家づくりを目指して引き続き取り組んでまいります。
平素より大変お世話になっております。
11月も最終週に入り、冬の気配が色濃くなってまいりました。
皆様、体調を崩されないようお気を付け下さい。
さてこの度、住宅展示場ネットのYoutubeチャンネルにて、弊社モデルハウスが紹介されました。
弊社モデルハウス「無垢の木の家 重層の甍」は、地産地消を目指して兵庫県や近畿の材をふんだんに使用して建てています。
素敵に撮っていただきましたので、是非ご覧ください。
また、モデルハウスの見学は随時受け付けております。
お気軽にご予約の上ご来場ください。
GX志向型の高性能住宅をご体感いただける見どころたくさんのイベントです。
<<見学会会場>>
・兵庫県川西市東多田2丁目
・能勢電鉄 「鼓滝駅」または「多田駅」
・鼓滝駅から徒歩10分

<<建物詳細>>
外壁にベルアートと焼杉を採用し、床材には桧と杉を使用いたしました。
自然素材をフルに取り込むのは勿論、性能にもこだわりぬいたお家となっております。
<<みどころ>
・GX志向型住宅
・断熱等級:6等級
・耐震等級:3等級
・気密性能:C値 0.86㎠/㎡
・外皮平均熱貫流率:UA値 0.42w/㎡・k
・床下エアコン採用
・外壁:ベルアート・焼杉
・床材:桧・杉
こんにちは、木が大好きないなほ工務店です。
今回は先日行われた、株式会社LIXILさん主催の「関西ビルダーカンファレンス2025」の様子をお届けいたします。
第5回目の開催となった今回は弊社がホストを担当し、施工中の現場やOBさんのご自宅、モデルハウスを見学いただき、その後は弊社の歴史や取り組みについてプレゼンをさせていただきました。
見学会場として快くお貸しくださいましたT様、N様、主催いただいた株式会社LIXILの皆様、ご参加くださった皆様、まことにありがとうございました。
○日程:2025年8月1日(金)
○主催:株式会社LIXIL
○参加企業:es ARCHITECT株式会社/株式会社エールコーポレーション/株式会社丸尾建築/ヤマイチエステート株式会社
当日は35度以上の猛暑日となり非常に暑い中にもかかわらず、熱心に現場をご覧いただきご質問、ご感想等をお伝えいただけ、とても有意義な時間となりました。
はじめに、神戸市東灘区森北町で施工中の現場を見学していただきました。
こちらの現場はスキップフロアが特徴の家となっており、現在は大工工事中で床貼りの工事等を行っております。
次に、尼崎市田能にお住いのOBさんのご自宅を見学していただきました。
こちらは、尼崎市の「街角チャーミング賞」を受賞した住宅で、2016年に建てられた住宅です。無垢材を豊富に利用しています。床や天井、収納棚、バルコニーの手摺等あらゆるところに木を使用しており、「いなほらしさ」が詰まった住宅となっております。
実際に住まわれている様子を見せていただく機会は滅多にないため、今回N様にご協力いただけたこと誠に感謝いたします。
最後に、伊丹市桑津にある弊社のモデルハウス「無垢の木の家 重層の甍」を見学していただきました。
モデルハウス「無垢の木の家 重層の甍」について詳しい内容及びご見学のお申込みはこちらをご覧ください。
モデルハウス「無垢の木の家 重層の甍」は築100年を目指して建てたQ1住宅です。
本物の無垢材をたくさん使用しており、木の香りや手触りを直接肌で感じていただけます。
また地産地消にもこだわり、外壁に使用した淡路瓦をはじめ、近畿からは兵庫県、京都府、大阪府、奈良県といった近隣から様々な素材を集め、モデルハウスに用いました。
見学中には施工の過程や素材について説明させていただき、無垢材が持つ柔らかさや香りを肌で体感していただきました。
モデルハウス見学後は「アルポンテ」さんに場所をお借りし、弊社の歴史や取り組み等についてプレゼンをさせていただきました。
プレゼンの後は懇親会が行われ、半日を通してご覧いただいた現場のご感想をいただいたり、それぞれの会社の取り組み等についてお伺いし交流を深めることができ、とても貴重な時間となりました。
今回のコラムでは、関西ビルダーカンファレンスの様子をお伝えさせていただきました。
カンファレンスを通して改めて、直接見て、触れて、感じていただくことは大切なことだと感じております。
見学会等のイベントを開催している会社さんは数多く存在します。
家づくりの際には、是非モデルハウスやイベントに足を運んで体感してみてください。

自社物件情報を新規公開いたしました。
寺本3丁目は坂があまりなく住みやすい地形です。
大阪と神戸の間に位置しているので、ベッドタウンとしても人気があります。
阪急とJRの「伊丹」駅、阪急神戸線の「武庫之荘」駅の利用が可能です。
どちらからも約20分で大阪駅に出ることができます。
今回はゆとりのある土地面積120㎡以上を2区画確保しています。
こんにちは、出来る限り地元の材を使用したいいなほ工務店のWEBスタッフです。
先日、以前構造見学会と完成見学会を開催させていただきました「柿の木の家」の施工写真が私の手元に届きました。
本当に素晴らしい空間であると同時に、お庭も素晴らしい出来で、このお家が距離をものともせずに出来上がったのかと考えると感無量です。
お施主さんがご自身の暮らし方や、大切なもの、今後どう暮らしていきたいかをしっかりお伝えいただくことが何よりも重要だと、今回距離があったことで一層強く身に沁みました。
これからもお施主さんの言葉を漏らさずプランに反映していけるよう努めてまいります。
と、話が逸れてしまいましたが、今回のコラムでは「柿の木の家」や、先日住宅特集でも掲載されました「Schaap」でも使用しました、兵庫県の材についてお伝えいたします。
林業というと、森林を育てて、木材やその他の林産物を生産することを指すイメージですが、実は林業には別に森林環境の保全や地域振興という意味もあります。
森林環境の保全と言われると、やはり木材の生産に繋がるような気もしますが、実は木材の生産よりも私たちにより身近かもしれないのが森林環境の保全です。
理由は、森林環境の保全が土砂崩れの防止や水涵養(すいかんよう)を目的として行われているからです。
山は、森林があることで根が土壌を固定し、落ち葉や枝が雨水の衝撃を和らげ、土壌流出を抑制して表層崩壊を起こしにくくなっています。
林業に従事してくださっている方々が行ってくださっている森林の育成(苗を植えたり、既存の樹木を間伐したり、森林を健全に保つ作業)は、森林を守るだけではなく私たちの住む場所も同時に守ってくださっているのです。
他にも、きのこや山菜など、私たちの食卓に欠かせない食材も、森林資源の利用であり林業の1つにあたりますし、実は海産物や豊かな水も森林資源が私たちに与えてくれている物なのです。
兵庫県の森林面積は県土の約7割(全国14位の森林面積)を占めており、森林面積7割のうち、人工林は42%、天然林は58%の割合です。
人工林は杉と檜が多く植えられており、主に家の柱ら板などの材料になっています。
天然林は、自然に生えた木が大きく育ったもので、コナラやアラカシなどの仲間が多く自生しています。
兵庫県には林業に100年以上従事くださっている会社さんが存在しているほか、1994年から始まった森林ボランティアの育成で、現在1万人以上の方がボランティアとして森林保全活動を行ってくださっています。
気になる方や私もやってみたいと思われた方は、「兵庫県」「森を守る活動」で調べてみてくださいね。
1階で使用した、六甲山の間伐材「杉」の無垢フロアー
2階で使用した、六甲山の間伐材「檜」の無垢フロアー
関西には有名な産地、吉野や紀州があるためとても意外かもしれませんが、関西最大級の国産材製材工場は実は兵庫県の宍粟市にあります。
兵庫県の中西部に位置する宍粟市は市面積の90%を森林が占める豊かな自然資源に恵まれていたことから、古くは江戸時代から林業が盛んで地域経済に大きく貢献してきた歴史があります。
現在も宍粟市の山林で切り出された杉は「宍粟杉」、ヒノキは「宍粟材(なぜか檜ではなく材なんです)」というブランド名で知られており、関西最大の国産材製材工場で木の上から下まで、工夫をして余すことなく使用できるよう、大切に加工されています。
杉は乾燥の難しさや、加工の難しさが課題と言われていますが、冬に育つ硬い部分には構造材としての強度を有している反面、夏に育つやわらかな部分には調湿・蓄熱機能を持つ優れた材です。
宍粟杉は、その見た目の柔らかさと共に肌触りの良さ、強度が魅力の材です。
宍粟檜は、品質に優れていることから全国に流通しています。
兵庫県西部が西日本有数の産地となっていると共に、日本一のモミの木(樹齢800年高さ34mで国指定の天然記念物に指定)は兵庫県の丹波篠山の追手神社に存在しています。
モミは比較的柔らかく加工がしやすいことから、天井板、腰板、戸障子の枠など、住宅の構造や内装材として利用されている他、消臭効果と調湿効果に優れていることから、夏の贈り物に欠かせない存在です。
私たちにとって身近なそうめん「揖保乃糸」は、先ほどお伝えした宍粟市での生産が盛んで、全生産量の約6割を占めています。
宍粟市は、揖保川の清流、赤穂の塩、良質な小麦に恵まれる環境であることから、そうめんの製造に適しているそうです。
揖保川の清流も実は、森林保全が関係しているのですが、手延素麺 揖保乃糸の贈り物バージョンは、木の箱ではないでしょうか?
自分たちようには購入することの無い、高級なそうめんが入っている箱は、兵庫県産のモミが使用されています。
正に、消臭効果と調湿効果に優れた材に相応しい役割だと思います。
高級な手延素麺 揖保乃糸をお手に取られることがありましたら、「これが兵庫県産のもみか」と、是非そのやわらかな手触りと、森林保全が私たちのとても身近なところにあることを意識していただけると幸いです。
兵庫県の県樹でもあるクスノキは、県内では街路樹にも多く植えられています。
間伐材が流通することもしばしばありますが、クスノキは木本体よりも、クスノキの枝や葉にある独特の匂いの方が有名かもしれません。
クスノキの香り成分は「カンファー」、別名「樟脳(しょうのう)」の匂いです。
おばあちゃんの家に行くと香っていた懐かしい香り、防虫剤や防腐剤としておなじみ匂いとお伝えすると、より分かりやすいかもしれません。
実は県内に最も多く分布する樹種は、杉でも檜でもなく、コナラです。
コナラは家を建てるために使用する材よりも、家具や器具材として使用されることが多い材です。
弊社の元モデルハウスであった「Schaap」の1階壁に使用したのも、神戸市の街路樹を伐採した「コナラ」や「ケヤキ」の無垢材です。
1階の印象的な壁で使用した、神戸の街路樹「コナラ」や「ケヤキ」の無垢材
家を建てる際、ここの材を使ってみたいなと思われた方は、是非建築を依頼する会社に聞いてみてください。
聞いてみることで使用が可能となったり、扱えないことが判るので、兵庫県産の木材に限らず、吉野の材や紀州の材など、家づくりでは木材を利用するところが無数にあるため、用途に合わせた材を選ぶことが何よりです。
最初にもお伝えしましたが、家づくりを成功させる近道は、お施主さんの想いをしっかり伝えることです。
木材に限らず、気になったこと、想いはきっちりと伝えることを大切にしてください。
もちろん、伝えたからと言ってすべてが叶うわけではありません。
材ひとつとっても、流通の少ない材を使用するのは手配と価格の両面で難しい場合がありますし、外国産の材を主としている会社さんで国産材を使用することはなかなか難しいのが実情ですから。
今回兵庫県産の材をコラムのテーマに使用したのは、「Schaap」の説明をさせていただくと、「兵庫県産の材」ということに何度も驚かれたことにあります。
私たちからすると普通に存在している物も、あまり有名でないものを知っているお施主さんはまだまだ稀です。
でも、有名でなくてもとっても素晴らしいものは私たちの身近にいくらでもあります。
有名じゃないものは、質問することに抵抗があるかもしれませんが、人生で1度ないし2度あるかどうかの家づくりです。
是非自分の想いをしっかり伝えて、自分たちだけの家づくりを行ってください。
「住宅特集」2025年6月号に、いなほ工務店のマンションリノベーション「Schaap」が掲載されました。

住宅特集6月号の特集は、「間取りのちからー暮らしをつくる場の抑揚」です。
特集作品18題の他、小特集として「マンション1室リノベーション」が取り上げられています。
弊社の記事は、125ページより写真や図面などを用いて、「Schaap」で行ったリノベーションが分かりやすく掲載されていると共に、設計いただきました阿曽芙実先生のインタビューも掲載されています。
弊社の記事だけではなく、どの記事もマンションリノベーションを行いたい方にとってとても役立つ内容となっています。
ご興味がございます方はぜひ紙面にてご覧ください。
こんにちは、リノベーションも積極的に行っているいなほ工務店です。
先日、大きな反響をいただいておりましたモデルハウス「Schaap」(マンションをリノベーションしていました)が、弊社の手を離れました。
代表がこだわり抜いてリノベーションしたマンションだったので、たいそう気に入っていいただくことができとても嬉しく思います。
ありがとうございました。

見学いただくたびに驚きの声を頂いていた「Schaap」ですが、私も当初、「何と読むのでしょうか?」と聞いてしまったほど、名前が不思議ではないでしょうか?
「Schaap」はオランダ語で「スヒァープ」と発音し、「羊」という意味を持っています。
「なぜ羊が名前になるの?」と思われたかもしれませんね。
そこで今回のコラムでは、「Schaap」でも使用させていただき名前の由来にもなりました、素晴らしい「ウール」カーペットを作られている「堀田カーペット」についてお伝えいたします。

堀田カーペットとは、大阪府和泉市にある繊維業者です。
創業60年を超える老舗で、産業革命の時代からカーペットづくりに使われていたと言われるウィルトン織機を使用して、素晴らしいウールカーペットを作られています。
特に主力商品の「ウールフローリング」は、フローリングのように施工業者が建材として部屋一面にカーペットを敷き詰めます。
今の時代カーペットというと、ラグのように敷くイメージがあるかもしれませんが、堀田カーペットさんの主力カーペットはホテルの床のように、全面に敷き詰めるのが特徴です。
ウールカーペットはその名の通り「羊毛」で作られていますが、堀田カーペットさんのカーペットは「ウール」というだけではなく、ウールの中でも、羊毛の種類を厳選し、糸を紡ぐ過程・糸を撚る過程にとことんこだわり、カーペットに最適な糸を自分たちで作ることから始められています。
堀田カーペットさんの糸に関するこだわりはこちらのページをご覧ください。
現在一般的に販売されているカーペットには、刺繍カーペットや織カーペット、接着カーペットや編みカーペット等、いくつもの製造方法がありますが、堀田カーペットさんでは昔ながらの織カーペット、それもウィルトン織のカーペットを制作されています。
ウィルトン織とは、機械織り仕立てのカーペットの最高級品といわれており、18世紀半ばにイギリスのウィルトン地方で始まりました。
ウィルトン織りは、カーペットにおける最高級品である職人が1つ1つ糸を結って仕立てる「手織り」(有名なのはペルシャ絨毯ですね)に近い織り方ができるのが特徴で、ウィルトン織機を使用して織ります。
素晴らしいカーペットを織りあげるウィルトン織機は、製造する会社が世界規模で減少を続けており、現在ではヨーロッパに数社残るのみとなっています。
そのため堀田カーペットさんでは、50年ほど前に日本で作られたウィルトン織機をメンテナンスし続けながら大切に使用されています。
素晴らしいカーペットが手の届く価格で今も手に入るのは、こういった企業の努力と物を大切にされる姿勢、そして品質に妥協しない社風の下、作り続けてくださっているからだと思います。
まず、堀田カーペットさんの製品に限らず、「ウール」自体、復元力に優れているほか、汚れが付きにくく落ちやすい、燃えにくく保温性も調湿性も高いという高性能な天然素材です。
その為、ウールで織られたカーペットは「パイル(毛足)がへたりにくく、汚れがつきにくい上に、燃えにくいカーペットで、冬場は暖かく、夏場は涼しい保温性・調湿性に優れたカーペット」といえます。
簡単にまとめると「便利で快適に長く使える素晴らしいカーペット」ですね。
そんな素晴らしい能力を持つウールカーペットですが、カーペット自体が一部でアレルギーや喘息に良くないと言われることがあります。
しかし、実はカーペットの毛に埃が絡まることで、フローリングと比較すると埃が舞い上がりにくいという特徴があります。
特に、ウールで作られたカーペットには「遊び毛」と呼ばれている毛があり、その毛が埃をキャッチしてくれることで、舞い上がる埃の量が少なくなるのです。
また、ダニを心配される方もいらっしゃいますが、ダニはウールを食べません。
ダニが食べるのは皮脂や角質、食べこぼしです。
その為、毛足が短く密度の高いカーペットなら、フローリングとさほど条件は変わらないのです。
カーペット、フローリングにかかわらず、ダニ対策には日々の丁寧な掃除だけが有効となります。
その他、カーペットには騒音を軽減するというメリットがあります。
マンション住まいの方でお子様の足音や声が気になる方は特に、カーペットを敷くことで騒音を軽減させることが可能です。
お悩みの方は、是非一度カーペットを敷くことをご検討ください。
堀田カーペットさんの製品に限らず、カーペットを敷く大きなデメリットは掃除がしづらい点だと言われています。
確かに、敷き詰めたカーペットの場合は特に、水で丸洗いすることができません。
その為、フローリングと比較して掃除がしづらいイメージがあるのだと思いますが、先にお伝えした通り、ウールのカーペットなら、フローリングと比較してもデメリットになるほどではありません。
しかし、ロボット掃除機を活用されている場合は、別の話となります。
他のカーペットではどうか分かりませんが、堀田カーペットさんのカーペットにはロボット掃除機は向いていません。
※堀田カーペットさんのHP参照
理由は、堀田カーペットさんの素晴らしいカーペットに使用されている「ウール」には「遊び毛」という毛が出ています。
この「遊び毛」はとても高機能で、先にお伝えした空気中を舞う埃や汚れをキャッチして、床を歩くたびにほこりが舞い上がるということを防いでくれます。
そして、ほこりをキャッチした「遊び毛」を掃除機で取り除くことで、表面についた汚れやほこりを取り除くことが可能となります。
その為、掃除機のごみタンクに溜まるごみの量が、フローリングとは比較になりません。
ロボット掃除機は、掃除機の中でもごみタンクが小さく作られており、ウールカーペットの上で使用するとすべての範囲の掃除が終わる前に、ドッグに帰ってしまう恐れがあるのです。
また、ロボット掃除機の吸引力では、全ての遊び毛を取り除くことが出来ず、床のメンテナンスとしては不十分であるため、ロボット掃除機のある暮らしをされている方にとっては大きなデメリットといえると思います。
ここまで堀田カーペットさんのカーペットについてお伝えしてまいりましたが、足に触れる心地良さと優しさと足の裏を受け止めてくれる安定感は、体感いただかなくては分からないと言えるほどの体験です。
私は、弊社のモデルハウスだった、「Schaap」(堀田カーペットさんのウールフローリングを床だけでなく、壁にも使用していたマンションリノベーション)で初めて体感したのですが、今まで体験したことの無い感覚に驚きが隠せませんでした。
こちらのモデルハウスは現在完売してしまったため、私と同じ体験をしていただくことは出来ないのですが、堀田カーペットさんには体験できる施設がございます。
これから家を建てようと考えている方はもちろん、お子さんの足音に敏感になられている方、足に痛みがある方には特におすすめの床材なので、是非一度、カーペットを敷くことも考えてみてくださいね。

今回のコラムでは、堀田カーペットさんと、「ウール」製のカーペットについてお伝えさせていただきました。
カーペットは素材や製法で、メリットデメリットが大きく変わる製品です。
ウールカーペット以外を選ばれる際には、ご自身で自分たちの暮らし方に合っているかどうかしっかり調べてみてくださいね。
そして、弊社では、無垢のフローリングの他、先にお伝えした通り弊社が施工させていただく製品である床材の「ウールカーペット」を使用させていただいておりますが、堀田カーペットさんには素晴らしいカーペットがいくつもあります。
騒音対策や、足腰が弱ってきたなという方には、ラグやDIYとして取り入れることも可能な製品を多数ございますので、ウィルトン織機で作られたウールカーペットが気になる方はぜひ堀田カーペットさんのカーペットをご覧ください!
その手触りと品質に必ず驚いていただけると思いますよ。
こんにちは、木が大好きないなほ工務店です。
今回は先日行われた吉野ツアーの様子をお届けいたします。

およそ2年ぶりの開催となりました吉野ツアーですが、大変多くの方にご参加いただき、大盛況のうちに終了いたしました。
見学会場として快くお貸しくださいました吉野丸タ林業販売株式会社の皆様、ご協力くださいました株式会社カネジュウの皆様、ご参加くださった皆様、まことにありがとうございました。
日程:2025年4月5日(土)
場所:奈良県吉野郡東吉野村

当日は天気に恵まれ、春のあたたかさを感じるツアー日和の1日となりました。
午前は、吉野丸タ林業販売株式会社さんの製材倉庫を見学させていただきました。
こちらの製材倉庫では、弊社で使用している「吉野杉」の床板・羽目板の製材が行われています。樹齢50年~70年の原木を機械と人の手で一本一本、床板・羽目板に加工しています。
私たちが目にするいわゆる床材等の製品となるまでには、丸太の皮剝がしから、粗挽き、天日干し、乾燥、選別、超仕上げといった製材工程を経て、私たちのもとに運ばれてきます。



自然乾燥前の無垢杉

乾燥後仕上げされた板材
カットされたばかりの杉板は水分を含み、しっとりとした触り心地です。一方で、乾燥を経て仕上げ加工のされた板材は光沢があり、つるつるとした触り心地になります。
ご参加いただいた皆様も手触りや新鮮な木の香りに感動されていました。
普段見ることのない製材過程や、木の質感の違いを肌で体感できるのはとても貴重な機会ですね。
実際にご覧いただいたことで、率直な疑問や気になるところをご質問いただき、大変有意義な時間となりました。
「杉」については以前のコラムで紹介していますので、気になった方はぜひ下記よりご覧ください。
見学の最後に、実際に床材として使用する材の裏に記念としてサインを描いていただきました。



場所を移動し、製材倉庫から車で10分ほどの場所にある「丹生川上神社」へ向かいました。
<HPはこちら>丹生川上神社公式サイト – 丹生川上神社
丹生川上神社には、両手を当てて口唱すれば願いが叶うといわれている樹齢1000年余りの「叶えの大杉」があります。


鳥居を抜けた先にある拝殿では、丹生川上神社の歴史などをお話しいただきました。


本殿から徒歩で5分の場所には、「夢淵」という3つの川が合流した紺碧の深い淵があります。
透き通った水が太陽の光に反射し、キラキラと輝いていました。夢淵のすぐそばには龍神が棲むといわれる「東の瀧」があり、その神秘に触れようと日々大勢の参拝者が訪れるそうです。

夢淵

東の龍
午後からは木の伐採の様子をご覧いただきました。
人の身長の何十倍もある木を、職人さん一人の手で伐採する様子はまさに圧巻です。

上記写真は伐採の様子です。今回伐採された木は樹齢80年の桧です。
写真のところどころにみられる切り株は、間伐された跡です。
木の成長には太陽の光が欠かせません。
そのため、地面にまで太陽の光が届くよう間伐を行い、太くて長い木に成長するよう人の手で管理をしています。


伐採中には、伐採の際に木の倒す方向を決めるためにつける切り口の端材の香りをかいだり、伐採後の切り株を間近でご覧になる姿が見られました。
伐採見学後は二手に分かれ「カネジュウ」さんと「木香里」さんの工場を訪れました。
カネジュウさんでは、磨丸太、天然しぼり丸太、鯖丸太などの床柱や、樹齢270年の杉の切り株を見せていただきました。


木香里さんでは、テーブル天板に使用する桧、杉、欅、トチ、クリなどの様々な原板や、椅子、棚などをご案内いただきました。


弊社のある関西地方には和歌山や吉野といった日本有数の林業が地元にあります。
吉野ツアーを通して林業に触れ、地元の木に触れるきっかけになれればと思います。
来年以降もできる限り開催したいと考えております。
今回参加いただけなかった方もタイミングがよろしければぜひご参加の上、木の良さ素晴らしさをご体感くださいね。
私たち、いなほ工務店社員は吉野ツアーの前日から吉野を訪れ、桜の名所である吉野山の「千本桜」を見にいきました。
下千本から上千本へ向かう道中は、平日にもかかわらず桜を見に来られた人々で賑わい、出店も活気にあふれていました。
桜は6分咲きほどで見頃よりも少し早かったですが、山々が薄いピンクに色づく様子はとても綺麗でした。
また訪れる機会があれば、ぜひ満開の桜を見たいですね。


宿泊先は、吉野ツアーの際に何度もお世話になっている「GUEST VILLA逢桜」さんに今回も泊まらせていただきました。
<HPはこちら>【公式】guest Villa逢桜(ゲストヴィラほうおう)

GUEST VILLA 逢櫻ホームページより引用
客室は、リノベーションされており、和を基調としたデザインです。床・壁・天井・建具などあらゆる部分に木が使用されているため、とても落ち着いた雰囲気で素敵な空間でした。


夜は宿の中庭をお借りし、バーベキューをして過ごしました。
この日の夜は気温2度と真冬並みの寒さで、火のあたたかさが染みるバーベキューとなりました。


こんにちは、いなほ工務店です。
突然ですが、弊社は新築をご紹介させていただく機会の方が多いため、リフォームには対応していますか?とお聞きいただくことがよくあります。
情報発信の方法を考えなくてはいけないなと思っていたところ、ついに建築基準法の改正が施行されました。
2025年4月より新しくなった建築基準法は、私たちの暮らしととても身近な内容、特にリフォームについて大きな変更がありましたので、今回のコラムで詳しくお伝えさせていただきます。
建築基準法とは、日本国内で建築物を建築する際に設けられている、建物の敷地や構造、設備、用途に関する最低限の基準を定めた法律です。
建築物の安全性を確保し、国民の生命や健康、財産を守ることを目的として定められています。
具体的には、地震や台風といった自然災害や、火災などの災害時において、建物が崩壊したり、人に危険が及ぼないようにするために、建物の構造や材料の規定を定めた法律です。
その他にも、都市の景観や都市計画、環境負荷の軽減といった生活環境の向上を目的とした基準も含まれています。
建築基準法は、1950年に初めて施工されました。
1950年はというと戦後5年、日本が戦後復興の途上真っただ中のタイミングです。
戦後復興の流れの中で、急激な都市化と人工の増加に伴い、無秩序に建築される建物の安全性が懸念されたことから、法律が制定され、耐震性や防火性に関する基準が整備されることとなりました。
この施行によって、建物の安全性が向上されることとなるのですが・・・。
先にも記載した通り、建築基準法は、災害の際に建物が人に危険を及ぼさないよう定められているという当初の目的があるため、地震や災害が発生するたびに反省を生かして改正されるのです。
日本の建築物が世界有数の耐震性能を持っているのも、常にアップデートを怠らず法改正を続けてきた故です。
その他にも、社会環境の変化や時代の流れに応じて建築基準法は改良を重ねています。
今回の改正は、こちらに当たります。
2025年4月に改正された建築基準法と建築物省エネ法の改正は、脱炭素社会への実現に向けたものになります。
実は、今回の法改正は、2022年6月に制定された「脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律」に基づいています。
とても長く分かりにくいのですが簡単に言うと、環境負荷を減らすための目標数値が、建築基準法にも反映されたということです。
今回改正された建築基準法は、阪神淡路大震災や、東日本大震災の後に改正されたような、より安全性を高めることを目的としたものではなく、省エネ促進や木材の利用の拡大を目的としています。
今回の改正では、全ての新築住宅に省エネ基準が適用されることや、中規模以上の木造建築物の構造計算基準変更、大規模木造建築物の防火規定緩和など、多くの点で建築基準が見直されます。
弊社は、住宅をメインに施工させていただいている工務店のため、ご覧いただいている方が必要とする情報、新築住宅と住宅リフォームに関する改正ポイントを詳しくお伝えさせていただきます。
今回の改正で一番注目されていると言っても過言では無いのが「4号特例」の縮小です。
今回の改正まで、「2階建て以下」、「延べ床面積が500㎡以下の木造住宅」など、一定の条件をクリアした建物は、建築確認申請の際に、構造に関する審査が省略されていました。
分かりやすく言うと、今回改正されるまでは、2階建てで500㎡以下の木造住宅なら、構造計算所の提出がいらなかったということです。
もちろん、4号特例があっても弊社のように全棟構造計算は安全のために必須!という会社も中にはありましたが、構造計算をしなくても良いということは、その分作業の手間も時間も減るということですから、建築業者、お客さん双方にメリットがありました。
しかし、手間が減るメリットの一方で、耐震性や安全性が十分に確保されないまま、建築されるケースがあったのも事実です。
建築基準法が安全を目的として定められている以上、あってはいけないことであり、業者に一任されているのはやはり不自然だったと言えるのではないでしょうか。
※弊社が義務以前に行い続けてきた構造計算について詳しくはこちらをご覧ください。
4号特例の縮小は、住宅価格の値上がりに直結していると言われています。
理由は、今まで必要のなかった審査に必要な提出図書(構造計算書及びその他)の作成に時間が必要になる上、審査項目が増え、確認や申請などの手続きに時間がかかることから、作業が増え、工期が伸びるためです。
しかし、その反面住宅性能の安全性が向上するという大きなメリットがあります。
今までは構造計算が必須ではなかったため、構造計算が行われていない住宅が多くありました。
3階建て又は、500㎡以上でない限り必要ないのですから当然ですよね。
しかし今回の4号特例縮小により、構造計算が必須となり耐震性能の向上や安全性が高まることが考えられます。
安心して住める家は、何物にも代えがたいメリットではないでしょうか。
4号特例縮小により、リフォームには大きなデメリットとメリットが生まれました。
次は、リフォームのデメリットとメリットを順にお伝えいたします。
4号特例縮小でリフォームの中でも、「大規模な修繕・模様替えを行う場合」は、確認申請が必要になりました。
大規模な修繕や模様替えとは、壁や柱床や梁、屋根または階段の1種以上を過半(1/2超)にわたり修繕・模様替えすることを指します。
細かな規定は各自治体によって異なるため、どの部分が対象となるかは明確にお伝えししづらいのですが、例えば間取りの変更(例:隣り合わせの部屋の間の壁を取り除く)といったリフォームにも構造計算が必要になると考えられます。
その為、改正前までは必要なかった構造計算が必要となり、単純に業者の作業量が増えてしまいます。
一般的に、構造計算を行うと30万~50万程度の費用が掛かると言われており、改正前と比較して予算が大幅に増えることが予想されています。
メリットは、3つありますので、順にお伝えいたしますね。
建築基準法改正前のリフォーム業界は、確認申請も構造計算も必要ないため、新築よりも圧倒的に参入しやすい業界でした。
その為、リフォーム業者の見極めが非常に難しく、不本意な工事になってしまったというニュースを目にしたこともある方は多いのではないでしょうか。
ですが今回、4号特例が縮小されたことで、建築士が在席しているか否かが1つの見極め要素となってきます。
それは、確認申請が必要なリフォームでは、建築士が必ず必要となるからです。
弊社のように、社内に建築士が在籍しており、確認申請も構造計算も通常業務として行っている工務店なら、確認申請や構造計算を求められても問題はありません。
しかし、今まで建築士がおらず建築士に外注することも無かったリフォーム業者にとっては、事業継続のために次のいずれかの選択を求められることになります。
リフォーム業者の立場に立った時、上2つは現実的ではありません。
その為、建築基準法改正への対応を行うリフォーム業者は、建築士に設計を「外注する」という選択をすることになるため、建築士の在り方が見極めの要素として使えるのです。
法改正以前は、法律に準拠したリフォームでも審査が無いため、正しく施工されているか否かは業者の倫理観や常識に委ねられていました。
住宅というとても大切なものを任せるにはとても不安の大きな状態だったと言えます。
改正後は、今まで業者に委ねられたリフォームが、正しく審査されるようになったことで適当な工事が減ることが予想されています。
この点こそ、今回の法改正の一番のメリットだと言えます。
2025年4月の建築基準法改正では、省エネ基準適合義務化がスタートすることにより、大規模リフォーム後の建物には高い断熱性能を持つことが義務化されます。
高い断熱性能は、光熱費が大幅に削減されるメリットがあるのは勿論、省エネ性能を高めるリフォームには国や地方自治体から補助金が支給される制度があります。
補助金は毎年内容が変わる上、対象かどうかの判断が少し難しいのですが、慣れている会社さんなら何も問題ありません。
補助金で増えたコストを賄いつつ、心地よく暮らせる住まいに大規模リフォームできるのは大きなメリットなので、大規模リフォームをご検討中の方はお問い合わせの際に、補助金の利用がどうかもお聞きされるのも忘れないようにしてくださいね。
今回のコラムでは、建築基準法の改正の中でも、4号特例の縮小についてお伝えさせていただきました。
弊社は改正以前より、全棟構造計算を必須としていたため、新築においてはさほど大きな変化はありません。
これからも、安心して暮らせる家は、安全であるからこそという代表本の考えの下、安全を第一にお家を建てさせていただくだけですから。
ですが、リフォームはそうはいきません。
今までは必要のなかった審査の時間が増えるからです。
審査の申請や順番待ちなど、今までは存在しなかった対応が必要になる以上、今までと同じ流れ、時間でリフォームが完了することはありません。
その為、リフォームの内容によってはすぐに対応させていただくことが難しくなります。
新築と比べて、簡単にできるイメージのリフォームですが、これからは時間がかかるものもあるということを念頭に置いて、気になる個所があれば先に相談してみるという意識を持っておいてくださいね。
こんにちは、地元の材を使用して家を建てるのが大好きないなほ工務店です。
今回のコラムでは、先日満員御礼で終了した完成見学会の様子をお届けいたします。
日程|2025年2月15(土)・16日(日)
時間|10時~17時 完全予約制
場所|猪名川町伏見台2丁目

今回の完成見学会の会場は、以前構造見学会を開催させていただいた、猪名川町のお家です。
当日は前回の構造見学会と同じく、小雨が降ったり止んだりと、気温よりも寒さを感じる日となりました。
それでも多くの方にご来場していただくことができ、弊社の断熱性能をご体感いただけたこと、とても感謝いたします。
見学会場として快くお貸しくださいましたお施主さん、ご来場くださった皆様、まことにありがとうございました。
多くの方にご覧いただきましたお家は、無事「わんちゃんと暮らしやすい家」として完成いたしました。
構造見学会のコラムでは、プランや構造材、断熱についてお伝えさせていただきましたので、今回の完成見学会レポートでは、心地よく暮らすための目に見える工夫について1つずつお伝えいたします。


多くの方が驚いてくださったフローリング材が上記写真になります。
加工して少し陰影を濃くしたのですが、よく分からないという方は、写真の下の方をじっくりご覧いただけると幸いです。
フローリング材に滑らかさが少なく、木目が目立っている気がしませんか?
理由は、わんちゃんが極力滑らないようにするために、フローリングにうずくりの材を採用したからです。
うずくり(浮造り)とは、木材の表面を削って木目の凹凸を浮き立たせる、日本の伝統的な加飾技法です。
神社、寺などによく使われている技法ですが、今回こちらのお家で使用させていただいたのは、うずくりの凸凹した表面が、わんちゃんが動く際のすべり止めとして機能するからです。
犬は爪を地面に食い込ませ、地面を蹴ることで走れます。
その為、爪を食い込ませて走ることができない床での生活は、踏ん張りながら歩いたり走ったりする必要があるために、足腰に強い負担がかかると言われています。
この床なら爪がしっかり食い込み、体を安定させてくれるので、お施主さんもわんちゃんも安心して暮らしていただくことが可能なことから、この床材が採用されました。
犬だけではなく、猫を飼われている方にもとてもおすすめの床材です。
完成見学会が終了したため実際の床をご覧いただくことは出来ませんが、事務所にサンプルがありますので、気になる方は是非一度ご覧くださいね。
わんちゃんにとって、キッチンはとても危険な場所です。
キッチン道具も、沸かしているお湯も、私たちが食べている食品だって物によっては毒になります。
その為、いくつも思い浮かぶ危険を事前に回避するべく、キッチンゲートを造作させていただきました。
シンプルなキッチンゲートは、ゲートを閉めている時も、開けている時も違和感がなく、とても美しい仕上がりになりました。
これで、わんちゃんがキッチンに入ってしまうことが防げるので、とても安心して暮らしていただけます。


近年人気のキッチンゲートは、お子さん対策の他、ペット対策としてもご相談いただくことが増えていますが、キッチンゲートと一言で言っても用途によって実は違います。
また詳しくは、別のコラムで書かせていただきますが、写真に写っているのは、ワンちゃんの安全対策用のキッチンゲートとなります。
ネコちゃんの場合、この形ですと簡単に飛び越えられてしまうので、別の工夫やそもそもこの形のキッチンでは、ゲートの意味がないということもあります・・・。
何を作るにしても、どう暮らしたいか、大切な存在は何かというところから計画することが重要だからこそ、お家づくりを依頼する会社選びはデザインや性能と共に、しっかりと思いが伝えられる会社かどうかという点も重視していただきたいと思います。
わんちゃんが幸せを感じるお家をイメージしたとき、最初に思い浮かぶのは思いっきり走り回ることができる広いお庭ではないでしょうか。
自宅にドッグランのある暮らしは、全わんちゃん愛好家のあこがれだと思います。
そこで今回のお家では、広いお庭はもちろん、お庭に安心して出ていけるスロープ付きのウッドデッキを造作させていただきました。
スロープは緩やかな傾斜と、爪が引っかかりやすい材を採用しているので、うずくりのフローリング同様わんちゃんが安心して庭に下りられる仕様になっています。
今もこれからも、わんちゃんにはずっと庭を楽しく駆け回って欲しいというお施主さんの強い想いがこもった形です。

今回のお家には、お施主さんが持ち込まれたものが多くあります。
京都のお店で購入された欄間や、キッチンカウンター、玄関の取っ手などがそれに当たります。

家を建てる際内装に使用する物や設備は、カタログから選ぶ、ショールームに展示されている中から選ぶというイメージを持たれる方が多くいらっしゃいます。
確かに、設備はショールームで実際のものを見て触られた上で決められた方が良いとは思いますが、内装に使う道具は違います。
例えば以前弊社で建てさせていただいたお家の例で、ご実家のガラスを持ち込まれた方がいらっしゃいました。
思い出の古いガラスを大切に使い続けたいとの思いからのご依頼です。
とても素晴らしい想いなのですが、高断熱高気密住宅は窓やガラスの選び方が重要なため、窓としては使用できません。
そこで、建具の一部として再利用させていただく提案をさせてもらったことがありました。
家づくりの際には、好きなものの使用を諦める前に一言聞いてみることを強くお勧めいたします!
こちらのお家は平屋のプランですが、吹き抜けの一部にロフトを作らせていただきました。
まるで秘密基地のようなロフトは、い草の香りが心地いい畳敷きの空間となっています。

畳に使用されているい草は現在、約70%が中国製だと言われています。 その他にも、手入れのしやすいポリエステル製なども増え、国産のい草を使用した畳は非常に少なくなっているのが現状です。
そんな中こちらのお家では、地元の畳屋さんを経由して熊本県産のい草を用いた畳を貼らせていただきました。
熊本産のい草は、長さが長く、太さが均一で色が良いのが特徴です。
実は畳に使用するい草は、長いものほど美しい畳表が仕上がると言われており、国産のい草では熊本県が90%のシェアを誇っているほど、熊本県は素晴らしいい草の産地なのです。
他にも、国産のい草はシックハウスの原因と言われる「ホルムアルデヒド」や「二酸化窒素」の吸着に優れており、い草特有のスポンジ構造により調湿効果も抜群です。
その上、畳の香りには以前コラムでお伝えしました「フィトンチッド」が豊富に含まれているので、自宅の床に寝ころびながら森林浴ができるという効果もあるのです。
最近は、フローリングのみのお家も増えていますが、畳のお部屋が一つあるだけでも、お家全体の香りや効果が変わるので気になる方はぜひ畳敷きのお部屋を導入されることもご検討くださいね、
構造見学会のコラムでもお伝えさせていただいた通り、こちらのお家の建つエリアは6地域に建っていても山が近く冬場はかなり冷えることを考慮した断熱を行っています。
その上で、床下エアコンとペレットストーブを導入することで、冬の寒さ対策を万全にしました。
温度の変化が少なく、冬寒くないというのは、人だけでなくわんちゃんにとってもとても過ごしやすく、体への負担が減ることで長生きできると言われています。

温度は目に見えないため、どうこだわればいいのか分からない方がおおくいらっしゃいます。
でも、実は温度に関する判断はとても簡単なのです。
気になる会社の見学会(構造見学会を除く)かモデルハウスを訪れて、自分が心地いいと思うかどうかを判断してください。
その際、心地いいと思う温度は人によって違うということを忘れずに、数値だけを頼りにするのではなく、自分の体の声を聞いてあげてくださいね。
私たちは、家を建てるために「庭の木を一本残したい」「思い出の品や一目ぼれで買ったものを使いたい」という願いを、諦める必要はないと考えています。
確かに、すべてを壊して新しくした方が簡単です。でも、その過程で大切な思い出が途絶えてしまうのは、あまりにも惜しいことです。
地元の木や職人、雇用を大切にするように、お施主様の思い出やお気に入りのものを取りこぼさない家づくりを心がけています。
もちろん、どうしてもできないことはあります。
例えば、家の建て替えの際に立派な木が育っている場所に家を建てたい場合、木と家を同じ位置に配置することはできないため、木を移動させるか家を建てる場所を少しずらすか、どちらかお選びいただくことになりますから。
そして、こうした考えを持っている会社は、私たちだけではありません。
もし気になる会社があり、新しい家で使いたい思い出の品や集めてきたものがある場合は、ぜひ相談時に伝えてみてください。
私たちと同じような考えを持つ会社であれば、お施主様の思いを汲んだ形でプランを提案してくれるはずです。
今回の完成見学会のように、等身大のお家を見学させていただくと、そこで暮らすご家族様ならではのこだわりや、大切にしている思いに直に触れることができます。
その上で、お施主様の思いが反映されているということは、それだけお施主様とハウスメーカーや工務店が打ち合わせを重ねて家を建てた証に他なりません。
完成見学会で「あれ?これちょっと変わってるな」と思うことがありましたら、是非その場にいるスタッフにお声がけください。
どんな答えが返ってくるかは分かりませんが、きっと建てようと考えている会社の考え方が見えてきますから。
地域材利活用建築デザインコンテストin兵庫 2024にて、いなほ工務店のマンションリノベーション「Schaap」が、優秀賞と特別賞を受賞いたしました。
多くのお問い合わせをいただいているリノベーション物件は、設計に阿曽芙実先生をお迎えして昨年完成いたしました。 地元の木をふんだんに使用し、地元の職人の力を借りると共に技術の継承にも努めた点を評価いただいた今回の結果です。
今後も、本物の材と技術を大切にし、好きという思いを強く持ち続けながら、お施主さんの望む「心地い家」を実現できるよう努めてまいります。
受賞の様子は、下記よりご確認ください。
地域材利活用建築デザインコンテストについて
マンションリノベーション「Schaap」では、現在見学を受け付けております。
多くのお問い合わせを頂戴しておりますため、見学ご希望の方はお早めに下記よりご予約下さいますようよろしくお願いいたします。
見学のお申込みはこちら
こんにちは、いなほ工務店のWEBスタッフです。
突然ですが、「地産地消」という言葉にどんなイメージを持たれますか?
私は、食品や娯楽といったことが浮かびますが、この「地産地消」という言葉。
実はありとあらゆる分野で使用されていることはご存じでしょうか?
例えば、近年圧倒的な地位を得るようになったアニメや漫画、ゲームといったものも、地産地消の熱が高まった結果、世界へ広がっているコンテンツの1つです。
グローバルすぎて忘れますが、もとは地産地消です。
このように、地産地消は日常生活の中で当たり前のように存在しているのですが、住宅業界にも「地産地消」は存在します。
今回のコラムでは、住宅業界の「地産地消」について詳しくお伝えいたします。
「地産地消」という言葉、元々は農産物の生産と消費を地域内で行うことで、地域経済の活性化や環境負荷の低減を目指す考え方を指していました。
しかし近年、農産物だけでなくあらゆる方面に普及し、住宅業界でも当たり前に使用される言葉となりました。
住宅業界における「地産地消」とは、地域で生産された建材や資材を使用し、地元の職人や工務店が施工を行うことを指します。
この「地産地消」によって、環境保護、地域経済の発展、住まいの質の向上といった多くのメリットが生まれています。
地元の材料を使用するということは、その分輸送にかかるエネルギーとCO₂排出量を削減できます。
例えば、海外から木材を輸入する場合、長距離輸送が必要となるため、多くの化石燃料を消費してしまいますが、地元産の木材なら長距離輸送は必要はありません。
結果、環境への負荷を大幅に削減することが可能となるのです。
また、地域の気候や風土に適した材を使用することは、建物の耐久性を高める大きな要因の一つでもあり、長期的にみるとメンテナンスコストの削減にも繋がります。
住宅業界が指す「地産地消」に地元の工務店が含まれる理由は、住宅を一軒建てるために多くの人や物が動くからです。
地元の工務店に家づくりを依頼すると、地元の職人、製造業、林業が活性化することで、地域内での資金循環が促進され、雇用の創出に繋がります。
住宅にはその地域ごとの特色、気候風土に適した建て方や工夫が多くあります。
そういった地域の気候風土に適した伝統工法や建材を活用して家を建てることは、地域の伝統的な建築技術を次世代に継承することができます。
使われない技術はいつの間にか廃れてしまい、困るのは後の人です。
未来の人たちに伝統を継承していくためにも、「地産地消」で技術を継承していくことは、住宅業界だけでなく、全ての人にとってもとても重要な意義を持っています。
地域の森林から伐採された木材を活用することで、森林資源の長期的な確保、山を守る人(山守)の育成は勿論、山を維持管理することで地域環境の維持と安全管理にも繋がっています。
弊社のある関西では、奈良県吉野の吉野杉や吉野檜、和歌山県の紀州が有名ですね。
弊社でも吉野や和歌山の他、兵庫の木も活用させていただいています。
兵庫県の木は有名ではありませんが、とても優れています。
同じように、他の地方それぞれの地で、有名ではなくとも優れた材が豊富にある地域は多々あるので、是非自分たちが暮らす地域にはどんなものがあるのか調べてみてくださいね

CLT技術とは、複数の木材を繊維方向が直交するように積層接着した建材(パネル)を用いた建築工法を指します。
欧米を中心にマンションや商業施設などの壁や床として普及しており、日本では中高層建築物などの木造化に期待されています。
住宅を建てることにはあまり関係ない印象ですが、CLT技術に地元の木材を使用すrことで、木材の地産地消を促進し、地域の山を守る新たな方法として注目される取り組みの一つです。
近年、漆喰壁や土壁といった伝統的な建築技術が再評価されており、地域ごとの特性の合った家づくりを行う事例が増えています。
需要が増えればそれだけ技術も継承されます。
とても嬉しい流れが生まれています。
大手ハウスメーカーではなく、地元の工務店や職人に家づくりを依頼することで、地域経済の活性化につながるのはもちろんの事、地域に技術が残ります。
地元で作られた素材や、地元で育った木材は、地元の気候風土に適しています。
特に木材はその傾向が顕著で、地元に存在する害虫への防虫効果が高い特徴があります。
シロアリの存在しない地域で育った木はシロアリにとても弱く、シロアリが生存する地域で育った木は、シロアリに強いと言われるのもその一つです。
地域資源を活用することで、家を建てるタイミングにもよりますが補助金や助成金の適用が受けられる可能性があります。
補助金や助成金に関しては、国のものの他、お住まいの都道府県や市区町村によっても変わります。
是非、もったいないことの無いよう、国の補助金や助成金の他、地域のものも調べてみてくださいね。
メリットの1にも似ていますが、地域に適した建材を使い、伝統工法で建てられた家は耐久性は勿論、メンテナンス性に優れています。
100年以上経過した家が、現代でもリノベーションが可能なのは、当時は全て地産地消で作られていたことが理由の一つとして挙げられています。
地域産の建材や、職人が作るものは全て、大量生産品とは比べ物にならないほど、供給量が限られています。
その為、価格が高くなる傾向があるのは勿論、需要に追い付かないという問題があります。
その為、安定供給を可能とする仕組み作りが求められています。
伝統的な技術を持つ職人が高齢化しているだけではなく、若手の人材確保が追い付いておらず、職人の育成が急務です。
途絶えた技術を再度復活させることは非常に困難なため、途絶えてしまう前に、地域の工務店や職人と連携した、職人の育成が必要となっています。
素材も人も、「地産地消」で行う家づくりのメリットを理解されている消費者はあまりいらっしゃいません。
その為、「地産地消」の優れた点を理解していただくことこそが、これから先の未来に技術と材料を残し、自分たちが暮らす地域をよりよくするためには、欠かすことのできない要素です。
住宅業界における「地産地消」は、環境負荷の低減、地域経済の活性化、建築品質の向上といった多くのメリットがある反面、課題も多くあります。
しかし、今現在家を建てようと考えていらっしゃる方にとって、「地産地消」はメリットしかないと私たちは考えています。
特に弊社のある関西地方は和歌山や吉野といった日本有数の林業が地元にあり、吉野杉や吉野檜、紀州材に慣れ親しんだ職人が多く存在する地域です。
せっかく優れた材、優れた職人が地元にいるのですから、特殊な技術を使用して家を建てるのではなく、日本古来からある建て方で、地元の材を使用して、地元の気候風土に合った家を建てることは、将来に渡って安心した暮らしができることに繋がるのは勿論、補助金や助成金も使用できる場合がある(タイミングがあります・・・)ので、「地産地消」を取り入れた家づくりも検討してみてくださいね。
2024年10月に構造見学会を開催させていただきましたお家の完成見学会を開催させていただきます。 構造見学会とはまた違い、完成したお家をご覧いただけるのは勿論、性能をしっかりご体感いただける見どころたくさんのイベントですです。
<<見学会会場>>
・猪名川町伏見台2丁目
・日生中央駅
・駅から徒歩16分(お車でお越しの方は駐車場がございます)

<<建物詳細>>
ヘゼリヒシリーズ、ロフトあり平屋のお家です。
「わんちゃんのため」という施主さんのご希望に合わせ、壁は漆喰仕上げ、床は浮造りを採用させていただきました。
<<性能>>
・断熱性能 外皮平均熱還流率 6等級 UA値0.37
・耐震性能 3等級
・第一種換気 sumika採用
・床下エアコン
随分久しぶりのコラムとなりました、いなほ工務店のWEBスタッフです。
今年は阪神淡路大震災から30年が経過しました。
癒える傷、癒えない傷。様々な傷を抱えたまま多くの人が過ごしてきた30年という長いようで短かった時間ですが、その間にも住宅の性能は大きく向上し、特に安全性・快適性の向上には目を見張るものがあります。
いなほ工務店はこれからも人々の安全と幸福な暮らしを守る建築業者として、安全性と快適性の追求を怠ることなく精進してまいります。
今回のコラムでは、住宅の快適性向上技術の1つである床下エアコンについてお伝えさせていただきます。
床下エアコンとは、名前の通り床下の空間を利用する寒い季節に活躍する空調システムです。
床下に向けてエアコンを設置し、各部屋に取り付けた吹き出し口から暖かい空気が送られてきます。
その為、通常の各部屋ごとに1台取り付けるエアコンとは違い、1台で家全体を暖めることが可能です。
何故寒い季節に活躍するのかというと、暖められた空気は上に上がっていく特徴を生かして考えられているからです。
床下エアコンと混同されやすいのが、床暖房です。
床暖房は床下に温水パイプやヒーターを巡らせることで床そのものを暖める仕組みです。
一方、床下エアコンは床を暖めるのは勿論、建物全体を24時間1台で管理するシステムです。
床下エアコンには大きく分けて6つのメリットがあります。
それぞれご紹介させていただきます。
一戸建てに全館空調を導入する場合の平均費用は、おおよそ150万から300万と言われています。
床暖房もまた、暖房パイプやシステム、床暖房に適した床材といった専用の設備と施工費用がかさみます。
しかし、床下エアコンは市販のエアコンを1台購入して設置するだけのため、導入費用を削減できるというメリットがあります。
その上、各部屋に取り付けるエアコン分の費用も浮くため、部屋の数だけエアコンの購入費や取り付け工事費を削減することができるという、大きなメリットが床下エアコンにはあります。
床下エアコンは、家電量販店で購入できるごく一般的なエアコンです。
その為、壁に取り付けたエアコンと同じように、普段の手入れはフィルターの掃除だけで済むというお手軽さがあります。
エアコン掃除やメンテナンスの際も、脚立に上って作業する必要は無く、目線より下の高さにあるためとても楽に手入れが可能です。
床暖房は、使用できる床材が決まっており、無垢の床材は使用できません。
しかし、床下エアコンなら暖房パイプやシステムが通っているわけではないため、床材を自由に選ぶことが可能です。
足に優しく心地のいい無垢材も、好きなものを使用できます。
床下エアコンは、風を床下に送って部屋を暖める仕組みです。
その為、風が直接当たることはありません。
エアコンの風は不快感を覚える方や、乾燥が気になる方が多くいらっしゃいますが、床下エアコンならこれらのストレスを感じることはありません。
近年、エアコンの色も多種多様になり、エアコンカバーが増えたことからも分かるように、エアコン自体がお部屋の雰囲気を損ねてしまう存在でした。
その点床下エアコンは、目に付くところにエアコンが無いため、室内の雰囲気を損ねることなく、こだわりの空間に仕上げることが可能です。
全館空調システムや床暖房に不具合が見つかった際、メンテナンス費用は平均100万円ほどかかると言われています。
床下エアコンならエアコンを買い替え、取り付けてもらうだけなので、不具合が発生したときの費用には大きな差があります。
限られはしますが、正しく建てられた高断熱高気密住宅なら、家全体、部屋だけでなく廊下や脱衣所トイレまで、エアコン1台で温められるので、電気代も節約可能です。
床下エアコンにはメリットがある一方で、やはりデメリットもあります。
次は、デメリットをお伝えさせていただきます。
床下エアコンには家電量販店で購入できる普通のエアコンを使用しますが、エアコンメーカーは床下に取り付けて使用することを想定して開発していません。
その為、故障したのが保証期間内であっても保証されず、修理費用が全額自己負担になる場合もあります。
こういった想定外を避けるためにも、購入の際には必ず事前に「床下に取り付ける」と伝えて、保証内容をご確認されることをお勧めいたします。
メリット6:ランニングコストが安いで少し触れましたが、床下エアコンが効果を発揮するには、家の性能を欠かすことができません。
そして床下エアコンは、家の計画当初から設置することを前提とし、基礎断熱、換気を意識した設計、設置場所の確保を行っています。
その為、後付けが非常に難しい空調システムと言えます。
もちろん、断熱改修や住宅のリノベーションを行った際に、取り付けることは可能です。
床下エアコンの設置には、基礎断熱が欠かせません。
基礎断熱は熱がこもり湿度が上がる特徴があるため、シロアリの好む環境になってしまうというデメリットがあります。
ですが、断熱材にシロアリの好まないものを使用したり、シロアリ対策の措置を取っておくことで回避することが可能です。
床下エアコンはとても優れた暖房設備であるため、近年では一般的な設備になってきました。
SNSを見ていても、「床下エアコンってつけたほうが良いの?」なんてツイートを目にする機会も増えました。
時の流れをとても感じます。
しかし、取り付けが可能、導入コストが抑えられるというメリットがある反面、床下エアコンには大きなデメリットがあります。
それは、施工業者や設計の経験がとても重要であり、床下エアコンの良し悪しは全て家の出来に左右されるという点です。
有名になり取り入れやすくなったため、多くの会社で設置が可能となった床下エアコンですが、本当に機能しているのか疑問も多くあります。
特に、床下エアコン一台で夏も冬も快適に暮らせるというのは大きな間違いです。
暖かい空気が上に上るように、冷たい空気は下におります。
冷房を入れると足ばかり冷えるのはこのことが理由であり、床下エアコンは夏場ほぼ活躍しません。
夏場の床下エアコンは、一階の床が冷たくなっていいなーぐらいのものです。
床下エアコンの導入には、2階や屋根裏に取り付ける、夏用の壁付けエアコンがセットだということを念頭においてください。
床下エアコンは、とても素晴らしい空調システムですが、やはり大きな問題があると言わざる得ないのが実情です。
何度も書きますが、床下エアコンが機能するのは、家の性能が良い時だけに限られるからです。
床下エアコンを取り付ければ、快適な家になるように言われているのを時々目にしますが、快適が維持できる性能の家に取り付けるから快適に暮らせるのが床下エアコンなのです。
床下エアコンは、床暖房のように床にヒーターを通すだけ、全館空調システムのように大きなエアコンを天井に設置するだけではありません。
家全体で計画し、基礎を含めた家全体の性能を高めることで、エアコン1台で快適な空間を作り上げるのです。
性能の高い保温ポットに入れるから、暖かいコーヒーがいつまでたっても暖かく飲め、性能の低い保温ポットではあっという間に冷めてしまうのと同じように。
床下エアコンの良し悪しは、全て家に左右されます。
だからこそ、床下エアコンだけに注目するのではなく、下記の点に注意して施工会社を選んでいただきたいと思います。
1:どのような性能の家を建てているのか
2:床下エアコンの実物を体験することは可能なのか
3:床下エアコンの施工実績は十分か
以上の点を注意いただき施工会社を選ばれると、床下エアコンは十分に効果を発揮してくれるかと思います。
床下エアコンが気になった方は、気になる施工会社に問い合わせされる際には、上記ポイント3つをしっかり訪ねてみてくださいね。
ちなみに、阪神間で家を建てている弊社は、長年の施工実績は勿論、冬の間はいつでも等身大のモデルハウスで床下エアコンを体感いただけます。
床下エアコンの暖かさってどんなもの?といった疑問の解消でも、モデルハウスなら気にせずご体感いただけるので、興味のある方はぜひご来場ください。
いつもいなほ工務店のHPをご覧くださりありがとうございます。
度々お問い合わせいただいておりました弊社の施工範囲に、川西市と猪名川町が加わりました。
今まではお尋ねいただく際にお応えしておりましたが、これからは川西市と猪名川町もお尋ねいただかずにご依頼いただけるようになっておりますので、安心してお問い合せ下さい。
今日まで、「対応できますか?」とお尋ねくださった皆様、本当にありがとうございました。
これからも皆さんに心地よく暮らしていただける、安全で快適な住宅を建ててまいりますので、いなほ工務店をどうぞよろしくお願いいたします。
いなほ工務店ではこの度、ひょうご産業SDGs認証事業に登録されました。 認証事業に登録されている企業は兵庫県の中でもわずか360社です。 今までの取り組みが評価されたと共に、これからより一層、従業員の幸福と環境への配慮、地産地消の経済活動を進めていくなかでより良い街づくりを行うよう背中を押していただいたと考えております。
スタッフ全員、目標である2030年に向け、事業活動とSDGsの繋がりと重要性をより理解し、目標達成を推進してまいります。

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私たちの仕事は、お客様が安全で安心してできるのは当然とし、好きなものに囲まれて快適に暮らせる住まいをつくることです。
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