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自社物件情報を新規公開いたしました。

最寄り駅のJR「甲南山手」駅へは徒歩11分、阪急「芦屋川」駅まで徒歩13分となっており、人気路線にアクセスできる立地となっております。
また、神戸市文教地区に指定されているので、自然を感じられる落ち着いた環境です。

詳しくは、こちらをご覧ください。

こんにちは、心地いい暮らしを実現するために、お施主さんの暮らしにあったプランにこだわりたいいなほ工務店です。
先日、本が行うプラン作りを見ている中で、昔の家とは大きく変わったなーと思う点がありました。
それは、子ども部屋です。
今回はそんな子ども部屋について、必要性や設け方の工夫をメリットデメリットと共にお伝えいたします。

子ども部屋は必要なの?

家造りを考えたとき、「個室はどれぐらいいるかな?」「リビングはどれぐらいの広さが良い?」「キッチンはどうする?」というように、いろんなプランから考える方が多いかと思います。
とくに、お子さんの成長のタイミングに合わせて家づくりを考えられる場合、子ども部屋をどうするか、作るなら家の中のどの位置に設けるか、サイズは?そもそも子ども部屋っているの?といった点が悩みどころになるのは無いでしょうか。

実は、子ども部屋という子供専用の個室が日本で作られるようになったのは、戦後に欧米文化が入ってきてからです。
アメリカでは、子どもが生まれる前から子ども部屋を用意し、子どもが生まれると、子ども部屋で一人で寝かせます。
個を重視する欧米の文化らしいなと思いますが、日本の子育てとは大分違うため、今まで当たり前に設けられていた欧米文化をそのまま取り入れただけの子ども部屋が必要なのかどうか、家づくりの際の疑問となるのは当然のことだと思います。
特に土地が高く広いスペースを取ることが難しい阪神間エリアでは尚のことではないでしょうか。

住宅業界では、近年子ども部屋の考え方が変わってきており、あえて子ども部屋を作らずにゆとりのある共有スペースを作って、子どものスペースにするお家が増えてきています。
特に最近は、共働きの家庭がとても多くなると共に、お子さんの習い事時間も増える傾向にあるため、家族間でコミュニケーションをとることが難しくなっていることもあり、あえて子ども部屋を無くすことで、家族の時間を増やす狙いがあるそうです。

確かに、家族のコミュニケーションを重視するなら、子ども部屋はいらない気がしますね。
しかし、子ども部屋の役割はそれだけではない気もします。
結局今回のテーマ子ども部屋も、暮らし方によって正解は変わりますというしか無い空気が漂ってきましたので・・・必要なのかどうか結論を出す前に、判断材料となる子ども部屋のメリットデメリットを上げていきたいと思います。

子ども部屋を作るメリット

子どもの自立心が育まれる

子ども部屋を設ける最大のメリットは、自立心が育まれることだと言われています。

子ども部屋を与えることで、「自分で片づけない限り自分の部屋がぐちゃぐちゃ」「自分だけの部屋だから自分で整理整頓しなくてはいけない」という事実に気が付き、片付けや物の管理を自主的に行うようになります。
こういった気づきは、自分で理解して行動しない限りなかなか身にはつきません。
1人部屋はどうしてもスペースを必要としますが、自分の行動と結果が如実に表れるため、子どもに自分の行動に対する責任感を意識させるという意味では、大きなメリットだと言えます。

共有スペースをきれいに保てる

子ども部屋を作ることで、リビングやフリースペースなどの共有スペースをきれいに保つことが可能です。
子ども部屋が無い場合、学校で使う道具や習い事の道具、おもちゃなどを共有スペースに置かなくてはならないため、どうしても綺麗な空間を保つことが難しくなります。
子ども部屋があれば、使う用途ごとにしまう場所を決めることで、小さな子供でも片付けやすくなります。

子どものプライバシーを保てる

お子さんが小さい頃はあまり意識されない点ですが、大人にプライバシーが重要であるのと同じく、どんなに親が大好きで離れたくないと訴えるお子さんも成長と共にプライバシーを求めるようになります。
先に子供の自立心が育まれることが子ども部屋の最大のメリットだと書きましたが、実は私自身としては、子どものプライバシーが保てることこそが子ども部屋を設ける最大のメリットだと考えています。

中学や高校に入り、思春期を迎えるころには「一人になれる場所」「自分だけの空間」というのは非常に大きな意味を持つのではないでしょうか。
勉強や友人関係、恋愛や受験等で悩み事がいっぱいの子どもたちが、勉強や寝るためだけの空間としてではなく「安心できる自分だけの空間」として過ごせる場所があるというのは、多感な時期の子どもにとって非常に大切であり、子ども部屋を設ける意義があるように感じています。

以上3つのメリットをあげましたが、デメリットも同じく3つありますので、続けてご紹介させていただきます。

子ども部屋を作るデメリット

必要性を感じられない時期がある

子どもが小さい頃は、どうしても親の手が必要なため、子ども部屋の必要性をあまり感じません。
せっかく用意した子ども部屋では遊ばずに、リビングにおもちゃを広げたり、リビングでお友達と遊ぶというのもよく耳にする話です。

子どもの様子が分かりにくい

子ども部屋の必要性を感じられない時期とは逆に、成長した子どもがほぼ子ども部屋で過ごしてしまうというのもまたよく耳にする話です。
子どもが子ども部屋にこもってしまうと、親は子供の様子が分かりづらく、長時間部屋でゲームをしていたり、深夜までスマホをいじっていても、気づくことが出来ず注意しにくくなるという状況が発生しやすくなります。

掃除が難しい

メリットとして挙げた、「子どもの自立心が育つ」という点ですが、子ども部屋を与えたからと言って必ず育つわけではありません。
私は、息子が幼稚園に入るタイミングで子ども部屋を与えたのですが、それから20年経った今も片づけが得意とは言えません。

そのため、自分で管理できるお子さんなら何ら問題ありませんが、なかなか管理が難しいお子さんの場合、どうしたって親が手を出すことになります。
小さい間は何も問題がありませんが、思春期に差し掛かる頃から部屋に入られることすら嫌がられる場合など、部屋の管理が難しくなる場合があります。

まとめ

以上、今回のコラムでは子ども部屋を設けるメリットデメリットを上げさせていただきましたが、家を建てることを考えるタイミングとして、お子さんの環境が変わるタイミングをあげられる方が多くいらっしゃいます。
実際、PRTIMESが行ったアンケートの結果として、1位が「妊娠・出産」2位が「子どもの入園・入学」「結婚・婚約」となっています。
そのため、家づくりにおいて「子ども部屋をどうするか」という悩みは多くの方が持って当然のことだと思いますが、家づくりはもちろん、子ども部屋をどうするかといったことに正解は無いと思います。
ここまで子ども部屋を設けるメリットデメリットを色々書いてきましたが、私に子ども部屋を設けないという選択肢はありません。

理由は、メリットデメリットは一切関係なく、私自身が子どもの頃から一人で過ごしたい人間だったからです。
1人の空間が重要で、1人で過ごす時間が持てない生活は考えられない。
そんな感覚だったため、子ども部屋がいらないという発想を持つことは一切無く、親子で寝る部屋とは別に子ども部屋も早々に設けました。
でも、この感覚は私の感覚であり、他の誰の感覚でもありません。
だからこそ、やっぱり今回も家の主となる方自身に、メリットデメリットを知った上で子ども部屋をどうするのか、自分たちの生活、自分たちが若かったころ、自分たちの思春期はどうだったか等、いろんなことを思い出しつつ、どんな家族になりたいか、どんな暮らしがしたいのか想像しながら、子ども部屋について自分たち家族の正解を導き出して欲しいと思います。

その上で・・・、建てた家は変わりませんが、時の流れの中で家族全員少しずつでも必ず変化します。
成長や老い、ライフステージの変化で当然のことであるため、家を建てたときの想定とはライフスタイルや暮らし方が変わっている未来も多々存在するとは思います。
だからこそ、その時はその時!と考えられる、お施主さんの暮らしに合わせて色々な使い方が出来る家を建ててほしい、それこそが心地いい暮らしができる家を建てたいと願い、家づくりを行う立場としての想いです。

ということで次回は、引き続き子ども部屋について。
想定とずれても大丈夫!「未来を見据えた子ども部屋を作るポイント」を、弊社の施工事例と共にお伝えいたします。

こんにちは、コラムではとてもご無沙汰している、いなほ工務店です。
今回のコラムでは、先日「あったほうがよいのでしょうか?」とご相談をいただきました、「シューズクローク」について、シューズクロークって何?という疑問はもちろん、メリットやデメリット、設置に向いている方の情報などをお伝えいたします。

そもそもシューズクロークとは?

シューズクロークとは、玄関に設けた、土足のまま出入り可能な収納スペースのことを言います。
シューズクロークの他、シューズクローゼットといった呼び方もあります。

シューズクロークは、通常設置されている靴箱とは異なり、靴以外にもコートやベビーカー、子ども用の自転車や、アウトドアグッズを始めとした、基本的には屋外で使用するものを収納するための収納スペースです。

玄関は何かと散らかりやすく、お子さんがいらっしゃるお家は特にその傾向にあります。
その点、シューズクロークがあれば、全てシューズクロークに収納してしまうことでスッキリした玄関を手軽に継続することが可能ですし、普段は出しっぱなしでも、急な来客時はさっと片付けることも可能です。

弊社は家づくりを考えお伝えさせていただく際に、「プラン」という言葉を使っているため少し違いますが、建売住宅や規格住宅、集合住宅で示されている間取りに書かれている「SC」や「SIC」はシューズクロークを指しています。

シューズクロークにも種類がある

弊社でも度々施工させていただいてるシューズクロークですが、種類は様々です。
特に注文住宅の場合、これと言って決まった形があるわけではないので、代表的なものをお伝えさせていただきますね。

1:ウォークスルータイプ

ウォークスルータイプは、玄関からシューズクローク、ホール迄動線が一直線になっているタイプです。
家族とお客様の動線を分けたタイプで、家族は玄関からシューズクロークに入って、靴やコートやバッグをしまい、玄関ホールや廊下にでる。
お客様は、玄関から、まっすぐ玄関ホールに入る。

この形なら、シューズクロークをお客様の目に触れ指す事無く、便利に使用することができます。
名前の通り、スルー出来るシューズクロークです。

2:ウォークインタイプ

ウォークインタイプは、こちらも名前の通り、中に入るタイプのシューズクロークです。
入口出口は玄関からの1か所のみであり、通り抜けるための動線を作らないため、収納スペースを広く取ることが可能です。
あまりスペースにゆとりはないけれど、綺麗で使いやすい玄関を実現するために、シューズクロークを設けたい方におススメの設置方法です。

3:クローゼットタイプ

クローゼットタイプはその名でイメージする通り、居室に設けられているクローゼットによく似たタイプのシューズクロークで、奥行きと共に扉があるのが特徴です。

シューズクロークには扉が無いものが多く、玄関から扉の開け閉めなくそのまま入れるのが気になる・・・、靴の匂いとか大丈夫?という方におススメな形がクローゼットタイプです。
扉があるため、扉を閉めていれば区切られた空間になり、扉を開けない限り中が見えることがありません。
他のタイプと同じようにサイズや奥行の調整が可能なので、収納したいものや暮らし方に応じた設置が可能です。

シューズクロークのメリットデメリット

シューズクロークのメリット

まずは、メリットからお伝えいたします。

メリット1:玄関がスッキリ片付く

玄関は、家から出る時、家に帰るとき、お客様が来られた時、帰る時、最初と最後に通る場所で、お家の印象を決めるとても大切な空間です。
その空間にシューズクロークを設ければ、床から天井までの大きな収納スペースを確保することが可能です。
靴や傘といった、元々玄関にしまっている物はもちろん、ベビーカーなども気軽に収納することができます。
生活感溢れるものをスッキリゆとりをもって収納することで、生活感を排除した綺麗な玄関のある暮らしを実現することができます。

メリット2:外で使用するものをまとめて収納可能

シューズクロークはその大きさ故、靴や傘といったものの他、外でのみ使用するものを収納されている方が多くいらっしゃいます。
特にベビーカーや子ども用の自転車、アウトドアグッズや、お子さんが部活動で使用する道具等々。
皆さんの暮らし方に合わせて、臨機応変に使用できる。
それが、玄関に大きな収納を設けるとても大きなメリットです。

特に、先ほども記載しましたお子さんが部活動で使用する道具ですが、土などの汚れが付いたものを、家に持ち込むことなく自分でさっと収納できるのは、お子様の成長にもとてもメリットのあることです。

シューズクロークのデメリット

デメリット1:玄関に広いスペースが必要

シューズクロークは、靴箱を設置するのに比べて、大きなスペースが必要となります。
特に、靴や玄関回りの用品を収納するだけでなく、ベビーカーやアウトドア用品の収納の他、資源ごみの短期保管場所、手洗い洗面所などを設置する場合、その分のスペースを玄関に確保することが必要となります。

シューズクロークを確保したために、他の部屋が狭くなったり、水回りを圧迫したりする可能性もあるので、シューズクロークを設けたいと考える場合は、プラン作りの段階から検討に加えておく必要があります。

デメリット2:匂い問題

通常の靴箱ならたいていの場合扉が付いていますが、シューズクロークは扉が付いているクローゼットタイプを採用されない限り扉はありません。
シューズクロークのさっと入って収納できるという利便性が、扉を開けるというひと手間でめんどくさくなるという方が多いからです。

そのため、どうしても気になるというご相談を頂くのが、シューズクロークの匂い問題です。
靴箱に家族全員分の靴を収納した上、その他、外で使用するものを収納していくと・・・玄関に匂いが広がってしまうのは容易に想像できます。

ただ、そんなご相談を頂く際に、又はシューズクロークを設けるプランを考える時に一緒にご提案させていただくのが、消臭効果のある壁材の仕様や、換気扇や小窓の設置です。
匂いはどうしたってなくなりません。
だったらどうすれば改善できるのか。
匂いがあることを前提としたご提案で、匂いのデメリットに対応することは可能ですから、これから家を建てられる方、シューズクロークの設置を検討中の方は、ぜひ上記対策をご依頼される会社さんにお伝えくださいね!

デメリット3:汚れやすい

シューズクロークは大抵の場合、玄関の横に靴のまま入れるような設計になっています。
そのため、どうしても玄関の延長となり、ほこりや砂が溜まりやすくなるのはもちろん、収納する物によっては泥汚れなんかも当たり前に持ち込まれてしまいます。

綺麗なシューズクロークを保つためには、こまめな掃除が必要となるので、住み始めた後の維持についても事前に検討しておくことが重要です。

シューズクロークを便利なものにするためにできること

いつもいつも同じことを書いていますが、シューズクロークも同様で、使うのはお施主さんということです。
シューズクロークなら何でも便利なわけではなく、お施主さんの暮らし方に合ったシューズクロークを設ける必要があります。
自分たちの暮らしに合うのはどんなタイプか、検討してほしい点をいくつかお伝えいたしますね。

検討1:扉はどうする?

何度も出てきた扉問題です。
扉があると匂いの問題や、収納が見えないというメリットがある反面、扉を開けるひと手間が増えるというデメリットがあります。
自分たちは匂いや見えることが気になるのか、それとも、扉を開けることが面倒か。
扉を設けたために、ついついそこら辺に置いたままにしてしまうという方もいらっしゃるので、自分はどんな性格をしているのか、じっくり検討した上でタイプを決めてくださいね。

検討2:収納量を考える

例えば、靴がとても多い方と、とても少ない方。
ちなみに、筆者は年間3足で十分ですが、筆者の子どもは年間30足ぐらい必要としています・・・。
家族間、それも靴だけでも必要とする収納量は大きく違うため、自分たちはどうなのか、しっかりと検討しておくのがとても大切です。
せっかくシューズクロークのスペースを取ったにもかかわらず、収納量とあっておらず結局玄関にあふれてしまっているということもよくある話なので、収納量をしっかり把握するのはもちろん、ご自身の性格も考慮したサイズを検討するのを忘れないでくださいね。

検討3:通路にゆとり

シューズクロークは、扉を開けて中のものを取り出すよくある収納と違い、人が入る収納です。
そのため、人が行き来するサイズもしっかり確認しておく必要があります。
特に、アウトドア用品やベビーカーの収納場所を兼ねたい場合、それらを持って出るということを忘れないでくださいね。

シューズクロークの施工例

扉付きシューズクロークの施工事例


都心の高性能住宅


hoekzon


Kagoma


伊丹市オ-クの家

回遊性のあるシューズクロークの施工事例


だんだんの家


リビングから景色一望の家

回遊性のを持たせないシューズクローク


びおハウスH最初のモデルハウス


LDKにストリップ階段の家

まとめ

今回お伝えいたしましたシューズクロークも、やはりお施主さんの暮らし方によって、便利な形が大きく変わる設備です。
集合住宅や建売住宅、企画住宅を購入される場合はどうしても暮らし方を反映したつくりをするのは難しくなるかと思いますが、注文住宅の場合、お打合せの際にどう使いたい、どんな暮らし方をしているとお伝えいただくことで、暮らし方に合わせたシューズクロークを取り入れた上でプランを考えることが可能です。

昔は、お部屋はどうする、水回りはどうするといった家づくりが主流でしたが、今は耐震や断熱はもちろん、プランだってお施主さんの暮らし方を基にした動線をとても重視したプランニングを行った家づくりができます。

玄関のスペースはとてもとても貴重な空間です。
シューズクロークを設けたいなと考えられる方は、ぜひどんなシューズクロークが必要か検討の上、相談されるようにしてくださいね。

この度の令和6年能登半島地震によりお亡くなりになられた方々にお悔やみ申し上げますとともに、被災された皆様ならびにそのご家族の皆様に心よりお見舞い申し上げます。

被害に遭われた地域の方々のご無事をお祈り申し上げるとともに、被災地の1日も早い復興そして被災された皆様の生活が1日も早く平穏に復することを心よりお祈り申し上げます。

株式会社いなほ工務店
代表 本 峰久

こんにちは、いつもサイトをご覧くださりありがとうございます、いなほ工務店です。
先日、「青森ヒバ」についてコラムを書かせていただいたところ「勉強になりました」というメッセージを頂戴しました。
家造りを行う方の役に立ててる!弊社の大好きな木の良さを伝えられている!と実感できることはとても嬉しく、もっと頑張ろうと思う出来事でした。
もしよろしければ、何か読んでみたいもの、内容がありましたら是非お問い合わせフォームよりリクエストください。よろしくお願いいたします。

ということで今回のコラムは、青森ヒバに匹敵・・・あるいはそれ以上に驚かれることもある、弊社モデルハウスの外壁と屋根に使用させていただいている材「淡路瓦」についてお伝えいたします。

淡路瓦とは?

日本には「日本3大瓦」と呼ばれる、長い歴史を持つ有名な瓦の産地があります。
愛知県三河地方の「三州瓦」、島根県石見地方の「石州瓦」、そして兵庫県淡路島の「淡路瓦」です。
この3つの地域は非常に良質な土がたくさんとれたため、瓦の製造産業が発展したと言われており、日本の瓦流通量の85%を占めています。
それぞれ産地ごとに瓦の性質や特徴が違うため、瓦を使用したいと考えられる場合は、見た目はもちろん瓦の性質や特徴で選ぶことが推奨されています。

そんな3大瓦産地の1つである兵庫県の淡路島で作られているのが、淡路瓦であり、その代名詞ともいえるのが「いぶし瓦」です。
いぶし瓦の特徴は「いぶし銀」と言われる渋い銀色の光沢で、土の焼き締め後に燻化(くんか)と呼ばれる蒸す作業が加わることからそう呼ばれるようになりました。
光が当たると白っぽくなるうすい灰色は、多くの人がイメージする日本瓦・和瓦だと言われており、推奨建築は伝統的な和風建築とされています。
日本が誇る世界遺産の1つ「姫路城」にも「いぶし瓦」が使用されるほど、気品に満ちた輝きが特徴です。
※姫路城の瓦は淡路で作られたものではなく、同じいぶし瓦ですが姫路の窯元で作られた地産地消の瓦です。

淡路瓦の歴史

淡路瓦の歴史は古く、起源は慶長15年(1610年)までさかのぼります。
姫路城主池田輝政の三男忠雄は淡路島を所領とした際、成山城築城のために播州瓦の名工清水理兵衛を呼び寄せて瓦を焼かせたのが淡路瓦の始まりと言われています。
理兵衛が播州に戻った後も、理兵衛の息子である弥右衛門は淡路島に残り、数十年かけて淡路島の各地へと瓦造りの技術を広め、淡路の瓦職人が代を重ねることで淡路は瓦の一大産地へと成長を遂げました。

そこから400年。
代々の職人たちは、幾多の時代を生き社会の変遷に合わせるよう、創意工夫と美意識によって数千種類を超える淡路瓦の形状を生み出してきました。
今では、屋根材としてだけではなく、小物やインテリや、床材としても重宝されており、弊社モデルハウス「無垢の木の家 重層の甍」では、壁材としても採用しています。

淡路瓦の特徴

先ほどお伝えした通り、淡路で作られている瓦には幾多の種類がありますが代表的な瓦は「いぶし瓦」と言って、「銀色瓦」「黒瓦」とも呼ばれる独特の色調が特徴です。
瓦の原料となる良質な粘土に恵まれた南あわじでは、朔い土(さくいど)と粘い土(ねばいど)を調合し丁寧に捏ね上げることで、瓦に最適な原料に仕上げていきます。
粘い土は「粘土分が多くねばい土」、朔い土は「粘土分が少ない土」を指しています。
どちらも耳慣れない言葉だと思いますが、それもそのはず。
実生活で使わないどころか「朔い土」に至っては、すでに辞書からも消えてしまっている言葉であり、各県ごとに様々な呼び方をされている、焼き物や瓦、土壁などに用いられる土の種類となります。

瓦造りでは、「一に土、二に焼き、三に成形」と言われるほど、土が最も重要で、淡路島では鉄分を豊富に含んだ「粘い土」が取れます。
この粘い土は粒子がとても細かく様々な形状に加工しやすい上、焼いた際に収縮が少ないという優れた性質を持っています。

淡路瓦は、この「粘い土」と、「朔い土」という正反対の性質を持つ土を調合し、幾度も捏ね上げ入念に混錬した後、数日寝かせてから成型を始めます。
成型後、乾燥した生地に微粒子の粘土を水に溶かした吐け土を塗布してから焼き上げるのですが、瓦の表面に炭素の皮膜を形成させるため、焼成の最終段階で煤を付着させる燻化処理を行います。
この工程で「銀瓦」と呼ばれるほど独特の艶と輝きを得るのですが、この輝きは外側の見た目だけでなく、炭素が粘土素地全体に浸透しているため、芯まで銀色になっているのが驚くべきポイントです。
独特の色味が塗装ではなく、瓦そのものが持つ色であることが、50年から100年は持つと言われる所以です。
近年では、伝統的な日本建築に限らず、そのデザイン性の高さから、洋・モダン建築に幅広く利用されるようになってきました。


「淡路夢舞台 国際会議場棟」


※スターバックスコーヒー(写真は、淡路瓦様のサイト施工事例よりお借りいたしました。)

震災と淡路瓦

阪神淡路大震災以降、デメリットが多いと言われる瓦ですが、実はそのような事実は無かったことが判っています。
阪神淡路大震災の際、報道された映像にあった数多の倒壊した住宅。
そのほとんどが瓦屋根だったため、「瓦は重く、地震に弱い」「瓦が重いので家がつぶれた」という情報が流れ、信じられていました。
しかしその後の分析で、家の倒壊は屋根瓦が原因ではなく、家の構造が弱かったことが判りました。
確かに昔建てられた家の屋根材はほぼ瓦が採用されており、その当時の耐震基準で建てられた家は、阪神淡路大震災の震度7強の揺れに耐えられなかったことは容易に想像できますよね。
実際、2014年の熊本大地震では、スレートやガルバニウムの屋根材を採用していても倒壊している家はいくつもあり、瓦を採用していても倒壊していない家がいくつもあったのが事実です。

古い家には瓦が乗っていることが大多数であったため、瓦は地震に弱いという誤解に繋がったのです。

そんな誤解を受けた瓦ですが、「誤解だからよかった」で終わらず、ここからさらに工夫を重ねるのが職人さんのすごいところです。
阪神淡路大震災の震源地でもあった淡路では、このことをきっかけに瓦の軽量化に取り組み、なんと2割の軽量化を実現してしまいました。
現在は、2割の軽量化に満足することなく、さらなる軽量高強度瓦の開発にも取り組まれているとのことです。

そして震災に対する取り組みは軽量化だけではなく、屋根葺き工法の改良、構造に関する指導なども重視するなど、多方面からとれる対策を考え耐震に取り組んでいます。

淡路瓦を採用するメリット

1:台風に強く耐久性がある

瓦は重量がある為、他の屋根材に比べて飛びにくく台風に強いというメリットがあります。
また、100年もつ素材の屋根は瓦位だと言われており、実際に神社仏閣等100年以上を保っている実績があります。

2:火災にも強い

瓦自体、不燃材であり耐火材ですが、特に淡路瓦は1000℃以上の高温でじっくり焼くため、瓦の中でも特に耐火性に優れています。
火の粉にも強く、もらい火をしにくいという特徴もあり、火災に非常に強いのが淡路瓦を採用するメリットです。
更に、火災時でも溶解を起こすことが無く、有毒なガスも発生しないので、地球にも優しいのが更に嬉しい特徴です。

3:劣化にも強くて水にも強い

屋根は家の中でも特別自然環境にさらされる場所です。
特に近年の雨には化学的要因も含まれていますが、淡路瓦は様々な耐候性能に加え、酸やアルカリに対しても高い耐力性を有しており、退色・変色もほとんど見られないという特徴があります。
更に、防水性能も高く、表面の炭素膜が水をはじくという性質を持っている上、瓦自体の吸水率も少ないため、透水による漏れなども起こしにくいというメリットがあります。

4:通気性も高い

淡路瓦の施工では、下地に密着させて施工する他の屋根材とは違い、空気だけが通れる道が生まれます。
この通り道があることで、自然と通気と換気ができ、屋根の湿度と温度を調節することができます。

5:断熱性に優れ省エネ

淡路瓦は直射日光を吸収します。
そのため、耐熱性断熱性に優れ、寒さにも強いというメリットがあります。
湿度までコントロールする仕様であるため、夏は涼しく冬は暖かくなりやすく、近年家計にダイレクトに響いている光熱費の削減が叶います。

6:圧力に強すぎる

屋根全体にかかる寒冷地の積雪は当然のことながら、アンテナの取り付けといった局部分に係る荷重にも十分な強度があり、JIS企画よりもはるかに高い強度を持ち合わせています。

7:長く続く美しさ

淡路瓦は、その美しさこそ最大のメリットとも思われがちなほど、美しい瓦として知られていますが、塗装ではなく瓦本来が持つ美しさのため、火や水、熱だけでなく化学物質に対しても高い性能を誇っており、美しさが長く続くことが大きなメリットです。

屋根以外にも使える淡路瓦

弊社モデルハウス「無垢の木の家 重層の甍」に訪れてくださった方は、その真っ黒な外観に少し驚いてくださります。
最近では珍しくなくなった真っ黒な外観のため、驚かれるというのが少し不思議かもしれませんが、真っ黒というとサイディングを塗装したものや、ガルバニウム合板を使用した外壁が一般的であり見慣れた形です。
ですが、弊社のモデルハウス「無垢の木の家 重層の甍」で使用している外壁材は、淡路瓦の外壁材であるため、あの独特の銀の光沢をもった真っ黒の外壁となります。
塗装や合板とは違う、粘土を窯で1,000℃以上の高温で焼成することで生まれる色味が、同じ黒でも他とは一線を画す外観となるのです。
しかも、先にお伝えした通り、淡路瓦は直射日光を吸収し「夏涼しく冬暖かい」と言われる素材のため、外壁材としても非常に優れているのです。

他にも、こちらも先にお伝えした通り圧力に強いというメリットを生かしたタイル材なんかも作られ、庭園などにも採用されていますし、その独特の色味と風合いを生かしたインテリア雑貨も作られ、関西では百貨店でも購入できるようになってきました。
今年は、神戸の百貨店でも催しの1つとなり人気を博しました。

まとめ

家造りの情報、特に伝統的なものをお伝えしようとする際、いつも驚くことがあります。
それは、歴史あるものほど、変化をいとわないという点です。
時代に合わせ、時の流れに合わせて、変化を繰り返すことで生き残ってきたこの国の文化だからこそ、今の時代にも柔軟に対応し、求められるものの一歩先へ行く。
何故何百年も、そのような考えを持ち創意工夫し実行ですることができる職人が代代生まれ続いていくのか、本当に不思議でなりません。

近年見直されてきた淡路瓦のカッコよさ。
個を重視し、個性を求める結果だと言われていますが、古くから寺社仏閣に採用されてきた淡路瓦は、和風建築に欠かせないものであり特別なものではありません。
ただ、家造りの現場では工業製品が多くなり、日本独自の文化や素材が採用されにくくなっているだけです。
その結果、個性的と言われるようになっているのです。

淡路瓦に限らず、日本の時代と環境に合わせて進化を続けた優れた材が多い日本。
少し個性を出したいな、周りと被らないようにしたいなという時は、ぜひ日本の材に目を向けてみてくださいね。

淡路瓦の屋根と外壁は、弊社モデルハウス「無垢の木の家 重層の甍」で見学いただけます。 黒い外壁が気になる、瓦屋根が気になる、地球に優しい素材を少しでも多く使いたいという方は、ぜひ一度ご覧くださいね。 ご予約は下記より受け付けております。
モデルハウスの見学予約はこちら→
モデルハウス「無垢の木の家 重層の甍」について詳しくはこちら→

そして、弊社モデルハウスで使用させていただいてる淡路瓦は「谷池瓦産業」様のものです。
高級いぶし瓦の製造と販売を行われており、その色の美しさはサイトでもご覧いただけます。
こちらもぜひご覧ください!!
谷池瓦産業様のHPはこちらよりどうぞ→

とても素敵な備品は「株式会社タツミ」様のものです。
先にお伝えさせていただいておりました、神戸の百貨店でもイベントで販売されていました。
用途が広く、住宅の備品としてだけでなく、日常使いから、ギフトにも最適な製品をたくさん作られています。
完売済みの商品も多々ありますが、株式会社タツミのHPはこちらよりどうぞ→

自社物件情報を新規公開いたしました。
戸建が立ち並ぶ閑静な住宅街であり、自然と都会が共存する街で、都市のような利便性の高さも兼ね備えています。
坂道が多いのも特徴的な街です。自然豊かな環境で、小鳥のさえずりや虫の声などで季節を肌で感じながら暮らすことができます。
最寄駅の能勢電鉄妙見線「平野」駅まで徒歩約17分の立地にあります。

こんにちは、いなほ工務店です。
弊社では先日とても嬉しいニュースがありました。
そのニュースとは10月13日にお知らせさせていただきました、ウッドデザイン賞受賞の件です。
今回で3回目の受賞となりますが、やはり何度いただいても嬉しいですね。
今回は特に、皆さんが家づくりの際に悩まれる無垢材の選定のお役に立てるよう、幾種類の材を使用し建てたモデルハウス「無垢の木の家 重層の甍」でウッドデザイン賞を受賞できましたので、嬉しいのはもちろん安心もできました。
受賞したモデルハウスで使用している無垢材は、吉野檜や吉野杉、天竜杉といった有名な材の他、岡山県産の赤松や栗など全部で11種類。
玄関を開けた瞬間から、無垢材の香りを楽しんでいただけるつくりとなっているモデルハウスの中でも、「憧れる」と言っていただけることが非常に多いのが青森ヒバを使用したバスルームです。
今回のコラムでは、家造りのお話しではあまり登場することの無い木「青森ヒバ」についてお伝えいたします。

青森ヒバとは?

青森ヒバとは、ヒノキ科アスナロ属の常緑針葉高木、アスナロ(翌檜、学名:Thujopsis dolabrata)の寒冷地仕様の変異種であるヒノキアスナロの別名・慣習名です。
他にも、「ヒバ」や「エゾヒノキ」とも言われています。
ヒノキアスナロは日本にのみ自生する日本固有の種で、1901年(明治34年)に日本で最初の林学博士本多静六が、従来のアスナロと青森県のアスナロに違いがあることを発見し、2023年4月から放送されていた朝ドラのモデルであった植物学者牧野富太郎がアスナロ属の中の、アスナロの一変種「ヒノキアスナロ」と命名しました。

「ヒノキアスナロ」は、「檜に明日はなろう」という意味が名前の由来だとする通説が多く、落ちこぼれの木、ヒノキになれなかった木と勘違いされることがあります。
実際数年前に神戸で開催された樹齢150年の落ちこぼれの木を、世界一のツリーへと銘打ったイベントでは、ツリーがヒノキアスナロだと判明した時点で、一気に落ちこぼれではなくある種日本一の木だったのではないか、樹齢150年であるはずがないと話題になりました。
弊社のある阪神間で起きたことなので、ご記憶の方もいらっしゃるのではないでしょうか?

アスナロについては、清少納言の枕草子の中に「何の心ありてあすはひのきとつけけむ(どういう心情で「あすはヒノキ」などという名前を付けたのだろうか)」という表記があります。
このことからも、やはり「アスナロ」の由来は「アスハヒノキ」だったのだろうことが想像できますね。

平安時代からそんな呼び方をされていた木が、なぜ近年のニュースから、「樹齢150年のはずがない」「落ちこぼれではなく日本一の木ではないか」と話題になったのか。理由については、ぜひこのコラムを最後までお読みいただけると幸いです。

何故ヒノキアスナロではなくヒバと呼ばれるの?

ヒノキアスナロをヒノキアスナロと呼ばす「ヒバ」と呼ぶ理由は、はっきりとは分かっていませんし、いつ頃から「ヒバ」と呼ばれるようになったのかは定かではありません。
しかし、宝暦7年(1757年)松平秀幸の書「吉蘇志」の中に、木曽5木のアスナロの別名として「ヒバ」が記されています。
他にも、飛騨地方の運材図会(1854年)の中にも「木屠(ヒバ)」という文言が残っています。

青森ヒバ木曽5木

実際のところ、「ヒバ」以外にもアスナロをさす呼び名は長い歴史の中で40種類以上ありましたが、明治の末、林業関係者が「ヒバ」と統一して呼ぶようになり、「ヒバ」という名前が定着したと言われています。

何故「青森」ヒバと呼ばれるの?

通称ヒバのヒノキアスナロは、アスナロより分布域が北方です。
北限は渡島半島南部、南限は日光付近で、分布の中心は下北・津軽半島で、日本のヒバ総数の8割以上が分布しています。
なぜ、下北・津軽半島にヒバの8割以上が分布しているのかというと、江戸時代津軽藩が藩林として手厚く保護し、自然林として天然更新し続けてきた歴史があるからです。
そのため、下北・津軽のヒバは「青森」ヒバと呼ばれ、木曽檜、秋田杉と共に日本三大美林の1つに数えられるほどの存在になっているのです。
ちなみに、青森ヒバの分布地の99%以上が国有林であり、樹齢200年~300年程度、直径50センチ以上の物のみ伐採が許されており、今も大切に守られています。

青森ヒバってどんな特徴があるの?

青森ヒバは、発芽して成長を開始するまで非常に長い年月を要するのですが、その理由は、地面に落ちた種子から誕生した稚樹は、日光が届かない暗い森の中、何十年でも成長に必要な環境が整うのをじっと待つからです。
長い時間の末、空を覆っていた大木が倒れ、陽の光を浴びることができた稚樹は一気に成長し始め、北国の厳しい環境の下、風雪に耐えて成長を続けます。
これほどの環境を生き延びたヒバは、非常に強い生命力を持っており、名前の一部に使用されている檜や、他の優れた樹木と比較しても、さらに水に強く、カビや雑菌、ダニ・シロアリ・蚊やゴキブリを寄せ付けず、腐りにくいという優れた性質を持っています。

優れた性質と言われてもどう凄いのか分かりにくいかと思いますが、青森ヒバの驚異的な生命力は、青森県下北半島・猿ヶ森のヒバ埋没林で実物を目にすることができます。
猿ヶ森には、約15㎞に渡る猿ヶ森大砂丘が続いており、諸説ありますが、約2500年ほど前から断続的に海から砂が打ち上げられることで、立ち枯れたヒバが飛砂に埋まってしまい、ヒバ埋没林が出来上がったと言われています。
現在見ることができる猿ヶ森のヒバ埋没林は、800年~1000年前に埋没したヒバです。(下の写真参照)
1000年前の木が、朽ち果てず土にも還らずに現代も見られること自体脅威ですが、ヒバの驚くべき生命力はそれだけではありません。
なんと、腐朽していたのは表面のわずか2センチ前後で、それ以外はほぼ製材品として使えるものだったことが判っています。
1000年前に埋もれた木が、表面を削れば今も尚材として使用できるのはもちろん、ヒバの持つ香りもしっかりと残っているのです。
驚くべき生命力ですよね。


※猿ヶ森埋没林の埋没して立ち枯れたヒバ

この生命力は過去大いに活用され、特に有名なのが岩手県にある中尊寺金色堂です。中尊寺創建当初の姿を今に伝える中尊寺金色堂は、奥州藤原氏初代清衡公によって天治元年(1124)に上棟されました。
中尊寺創建当初唯一の遺構であり、土台や柱を始めとする構造材はほぼ全て青森ヒバ材で作られているのが特徴です。
その他にも、地元住民から「暴れ沢」として恐れられていた津軽半島の付け根に位置する飯詰川の治水工事に、青森ヒバを使用した木造のダムが建造されました。
一番古い個所で大正5年、一番新しいところでも昭和33年に施行された「坪毛沢木製えん堤群」です。
「坪毛沢木製えん堤群」は暴れ沢を抑えるために造られたダムですから、いくら強い青森ヒバと言えど、半世紀以上の時間をかけ、水が強く当たる部分の材は摩耗で細くなり、結束が緩むことで一部の部材が落ちたり損傷は進んでいます。
しかしそれでもなお、大正、昭和、平成、令和となった今も現役で十分役割を果たしてくれており、その姿をこの目で見ることができるというのですから驚きしかありません。

このように、青森ヒバには驚く程の耐朽力があるのですが、耐朽力の原点はヒバに含まれる40種類あまりの成分の中に、揮発性物質のヒノキチオールとシャメールBという成分が含まれているからです。
この2つの成分は、木材腐朽菌に対して強い殺菌力を持つだけでなく、腐朽菌の成長を止める力も持っています。
この2つの成分を持つ木は世界でも珍しく、日本ではなんと青森ヒバだけが持っているのです。

ヒノキチオールとは?

ヒノキチオールとは、以前フィトンチッドのコラムでもお伝えした通り、木の持つ香りが持つ力の1つで、ヒバの芳香成分です。
その名前から、ヒノキに多く含まれていると思われがちですが・・・残念なことに、圧倒的に青森ヒバの方が多く含まれており、その量はなんとヒノキの10倍以上です。
ヒノキチオールには、雑菌や虫を寄せ付けず、抗菌・防虫・防ダニ効果があることで有名ですが、青森ヒバのチカラはそれ以上だと言われており、青森ヒバで建てられた家には、蚊やシロアリ、ゴキブリといった害虫が近寄ってこないと言われているほどです。
実際、宮崎大学農学部応用昆虫学研究室実験では、材中にシロアリを挿入した場合製材後1年のもので120時間(5日)で100%が死滅し、製材後6年を経たものでも、240時間後(10日後)には100%の死虫率だったそうです。
衝撃的な数字と共に、死滅する理由が、「シロアリは食べた木材を消化器官内の原生動物で消化していますが、ヒバの殺菌作用で原生動物が死滅する事によりシロアリは食べた木材を消化できなくなり死に至ります」というのですから、驚きを通り越して少し恐ろしさ迄覚えてしまいます。

このように菌や虫にとっては恐ろしい効果を持つヒノキチオールですが、人間に対しては、ストレスを和らげ、気持ちをリラックスさせる効果があるほか、最近ではアトピー治療やインフルエンザウィルスの殺菌に利用されたり、農作物を長持ちさせたり、草花を活性化するためにも利用されています。
人工的に作った薬とは違い、いくら使用しても耐性ができないという素晴らしい特徴があることから、これからますます研究が進められていくそうです。

まとめ

「青森ヒバ」いいこと尽くしで、できるならこの木で家を建てたいと願われるかもしれませんが、それは非常に難しい現実があります。

これだけ良い木だと分かっているにもかかわらず、弊社でもモデルハウスのバスルームのみの利用となっている理由は、青森ヒバの強さに秘密があります。

先にもお伝えした通り、青森ヒバは芽がでて青年期に入るまで約100年かかります。
今、材として出回っている青森ヒバはどれも樹齢250年から300年は経過しており、弊社のモデルハウスでご覧いただける青森ヒバも同じくです。
他の種類の木が、約30年~50年で成木になることを考えると、成木になるまでどれほど長い時間が必要なのかお判りいただけるのではないでしょうか。

雪の多い寒さ厳しい土地でしか育つことができない青森ヒバは、寒さにじっと耐え、他の木の何倍もの時間をかけて育つことで、菌や虫への耐性をつけ、どの木よりも腐りにくい上、比較的堅く、圧縮力に対しても抵抗力のある緻密で狂いが少なく木目も美しい材になってくれるのです。

アスナロがどんな環境でもヒノキアスナロ(青森ヒバ)になるわけではなく、青森の厳しい環境と時間が青森ヒバを作り上げる絶対条件である以上、人間の都合に合わせて流通量を増やすことはできません。
そのため、青森ヒバは金額はもちろん流通量もしっかりコントロールされており、使用できる建造物には限りがあり、近年の使用された例としては、錦帯橋の架け替え工事に伴う木製橋脚部分(橋・杭組)がそれに当たります。

神戸のクリスマスツリーイベントが矛盾ばかりだと指摘されたのも、上記が理由です。
落ちこぼれの木でもなければ、ヒノキアスナロが樹齢150年程度で切られることは無いため、それ以上の樹齢であるということが容易に想像できてしまったからです。

青森ヒバは確かにその希少性ゆえ家一軒丸ごと全部青森ヒバで建てたい!というご要望を叶えることは無理ですが、モデルハウスのようにバスルームや寝室(モデルハウスでは取り入れておりません)で取り入れることは可能です。
実際、過去に青森ヒバを使用したバスルームを作らせていただいたこともございます。

木は適材適所です。
効果効能も大切ですが、お金だって非常に大切です。
費用対効果と、自分たち家族にあった木の取り入れ方を知るには、自分たちが好きな木の種類を知ることがとても大切です。

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ウッドデザイン賞(一般社団法人日本ウッドデザイン協会)
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2015年に創設されたウッドデザイン賞は、木を使うことによって、社会課題の解決を目指す活動を、「ウッドデザイン」と定義しています。SDGsやカーボンニュートラルへの取組が必須となっている今、森林や木材の利活用がクローズアップされています。
木を活かして、新たな時代の価値をデザインする。
「ウッドデザイン賞」は、木の良さや価値を、デザインの力で再構築することを目的として、優れた建築・空間や製品、活動や仕組み、研究等を募集・評価し、表彰する顕彰制度です。

ウッドデザイン賞受賞住宅



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