こんにちは、地元の材を使用して家を建てるのが大好きないなほ工務店です。
今回のコラムでは、先日満員御礼で終了した完成見学会の様子をお届けいたします。
イベント概要
日程|2025年2月15(土)・16日(日)
時間|10時~17時 完全予約制
場所|猪名川町伏見台2丁目

今回の完成見学会の会場は、以前構造見学会を開催させていただいた、猪名川町のお家です。
当日は前回の構造見学会と同じく、小雨が降ったり止んだりと、気温よりも寒さを感じる日となりました。
それでも多くの方にご来場していただくことができ、弊社の断熱性能をご体感いただけたこと、とても感謝いたします。
見学会場として快くお貸しくださいましたお施主さん、ご来場くださった皆様、まことにありがとうございました。
多くの方にご覧いただきましたお家は、無事「わんちゃんと暮らしやすい家」として完成いたしました。
構造見学会のコラムでは、プランや構造材、断熱についてお伝えさせていただきましたので、今回の完成見学会レポートでは、心地よく暮らすための目に見える工夫について1つずつお伝えいたします。
※構造見学会の様子はこちらからご覧ください。

1:最大の目的である「わんちゃんと暮らしやすい家」の工夫
1-1:床材

多くの方が驚いてくださったフローリング材が上記写真になります。
加工して少し陰影を濃くしたのですが、よく分からないという方は、写真の下の方をじっくりご覧いただけると幸いです。
フローリング材に滑らかさが少なく、木目が目立っている気がしませんか?
理由は、わんちゃんが極力滑らないようにするために、フローリングにうずくりの材を採用したからです。
うずくり(浮造り)とは、木材の表面を削って木目の凹凸を浮き立たせる、日本の伝統的な加飾技法です。
神社、寺などによく使われている技法ですが、今回こちらのお家で使用させていただいたのは、うずくりの凸凹した表面が、わんちゃんが動く際のすべり止めとして機能するからです。
犬は爪を地面に食い込ませ、地面を蹴ることで走れます。
その為、爪を食い込ませて走ることができない床での生活は、踏ん張りながら歩いたり走ったりする必要があるために、足腰に強い負担がかかると言われています。
この床なら爪がしっかり食い込み、体を安定させてくれるので、お施主さんもわんちゃんも安心して暮らしていただくことが可能なことから、この床材が採用されました。
犬だけではなく、猫を飼われている方にもとてもおすすめの床材です。
完成見学会が終了したため実際の床をご覧いただくことは出来ませんが、事務所にサンプルがありますので、気になる方は是非一度ご覧くださいね。
1-2キッチンゲートの造作
わんちゃんにとって、キッチンはとても危険な場所です。
キッチン道具も、沸かしているお湯も、私たちが食べている食品だって物によっては毒になります。
その為、いくつも思い浮かぶ危険を事前に回避するべく、キッチンゲートを造作させていただきました。
シンプルなキッチンゲートは、ゲートを閉めている時も、開けている時も違和感がなく、とても美しい仕上がりになりました。
これで、わんちゃんがキッチンに入ってしまうことが防げるので、とても安心して暮らしていただけます。


近年人気のキッチンゲートは、お子さん対策の他、ペット対策としてもご相談いただくことが増えていますが、キッチンゲートと一言で言っても用途によって実は違います。
また詳しくは、別のコラムで書かせていただきますが、写真に写っているのは、ワンちゃんの安全対策用のキッチンゲートとなります。
ネコちゃんの場合、この形ですと簡単に飛び越えられてしまうので、別の工夫やそもそもこの形のキッチンでは、ゲートの意味がないということもあります・・・。
何を作るにしても、どう暮らしたいか、大切な存在は何かというところから計画することが重要だからこそ、お家づくりを依頼する会社選びはデザインや性能と共に、しっかりと思いが伝えられる会社かどうかという点も重視していただきたいと思います。
1-3:ウッドデッキをスロープに
わんちゃんが幸せを感じるお家をイメージしたとき、最初に思い浮かぶのは思いっきり走り回ることができる広いお庭ではないでしょうか。
自宅にドッグランのある暮らしは、全わんちゃん愛好家のあこがれだと思います。
そこで今回のお家では、広いお庭はもちろん、お庭に安心して出ていけるスロープ付きのウッドデッキを造作させていただきました。
スロープは緩やかな傾斜と、爪が引っかかりやすい材を採用しているので、うずくりのフローリング同様わんちゃんが安心して庭に下りられる仕様になっています。
今もこれからも、わんちゃんにはずっと庭を楽しく駆け回って欲しいというお施主さんの強い想いがこもった形です。

2:好きなものに囲まれて暮らす
2-1:好きなものを集める
今回のお家には、お施主さんが持ち込まれたものが多くあります。
京都のお店で購入された欄間や、キッチンカウンター、玄関の取っ手などがそれに当たります。

家を建てる際内装に使用する物や設備は、カタログから選ぶ、ショールームに展示されている中から選ぶというイメージを持たれる方が多くいらっしゃいます。
確かに、設備はショールームで実際のものを見て触られた上で決められた方が良いとは思いますが、内装に使う道具は違います。
例えば以前弊社で建てさせていただいたお家の例で、ご実家のガラスを持ち込まれた方がいらっしゃいました。
思い出の古いガラスを大切に使い続けたいとの思いからのご依頼です。
とても素晴らしい想いなのですが、高断熱高気密住宅は窓やガラスの選び方が重要なため、窓としては使用できません。
そこで、建具の一部として再利用させていただく提案をさせてもらったことがありました。
家づくりの際には、好きなものの使用を諦める前に一言聞いてみることを強くお勧めいたします!
2-2:畳にこだわる
こちらのお家は平屋のプランですが、吹き抜けの一部にロフトを作らせていただきました。
まるで秘密基地のようなロフトは、い草の香りが心地いい畳敷きの空間となっています。

畳に使用されているい草は現在、約70%が中国製だと言われています。
その他にも、手入れのしやすいポリエステル製なども増え、国産のい草を使用した畳は非常に少なくなっているのが現状です。
そんな中こちらのお家では、地元の畳屋さんを経由して熊本県産のい草を用いた畳を貼らせていただきました。
熊本産のい草は、長さが長く、太さが均一で色が良いのが特徴です。
実は畳に使用するい草は、長いものほど美しい畳表が仕上がると言われており、国産のい草では熊本県が90%のシェアを誇っているほど、熊本県は素晴らしいい草の産地なのです。
他にも、国産のい草はシックハウスの原因と言われる「ホルムアルデヒド」や「二酸化窒素」の吸着に優れており、い草特有のスポンジ構造により調湿効果も抜群です。
その上、畳の香りには以前コラムでお伝えしました「フィトンチッド」が豊富に含まれているので、自宅の床に寝ころびながら森林浴ができるという効果もあるのです。
最近は、フローリングのみのお家も増えていますが、畳のお部屋が一つあるだけでも、お家全体の香りや効果が変わるので気になる方はぜひ畳敷きのお部屋を導入されることもご検討くださいね、
3:快適に暮らす
構造見学会のコラムでもお伝えさせていただいた通り、こちらのお家の建つエリアは6地域に建っていても山が近く冬場はかなり冷えることを考慮した断熱を行っています。
その上で、床下エアコンとペレットストーブを導入することで、冬の寒さ対策を万全にしました。
温度の変化が少なく、冬寒くないというのは、人だけでなくわんちゃんにとってもとても過ごしやすく、体への負担が減ることで長生きできると言われています。

温度は目に見えないため、どうこだわればいいのか分からない方がおおくいらっしゃいます。
でも、実は温度に関する判断はとても簡単なのです。
気になる会社の見学会(構造見学会を除く)かモデルハウスを訪れて、自分が心地いいと思うかどうかを判断してください。
その際、心地いいと思う温度は人によって違うということを忘れずに、数値だけを頼りにするのではなく、自分の体の声を聞いてあげてくださいね。
まとめ
私たちは、家を建てるために「庭の木を一本残したい」「思い出の品や一目ぼれで買ったものを使いたい」という願いを、諦める必要はないと考えています。
確かに、すべてを壊して新しくした方が簡単です。でも、その過程で大切な思い出が途絶えてしまうのは、あまりにも惜しいことです。
地元の木や職人、雇用を大切にするように、お施主様の思い出やお気に入りのものを取りこぼさない家づくりを心がけています。
もちろん、どうしてもできないことはあります。
例えば、家の建て替えの際に立派な木が育っている場所に家を建てたい場合、木と家を同じ位置に配置することはできないため、木を移動させるか家を建てる場所を少しずらすか、どちらかお選びいただくことになりますから。
そして、こうした考えを持っている会社は、私たちだけではありません。
もし気になる会社があり、新しい家で使いたい思い出の品や集めてきたものがある場合は、ぜひ相談時に伝えてみてください。
私たちと同じような考えを持つ会社であれば、お施主様の思いを汲んだ形でプランを提案してくれるはずです。
今回の完成見学会のように、等身大のお家を見学させていただくと、そこで暮らすご家族様ならではのこだわりや、大切にしている思いに直に触れることができます。
その上で、お施主様の思いが反映されているということは、それだけお施主様とハウスメーカーや工務店が打ち合わせを重ねて家を建てた証に他なりません。
完成見学会で「あれ?これちょっと変わってるな」と思うことがありましたら、是非その場にいるスタッフにお声がけください。
どんな答えが返ってくるかは分かりませんが、きっと建てようと考えている会社の考え方が見えてきますから。
地域材利活用建築デザインコンテストin兵庫 2024にて、いなほ工務店のマンションリノベーション「Schaap」が、優秀賞と特別賞を受賞いたしました。
多くのお問い合わせをいただいているリノベーション物件は、設計に阿曽芙実先生をお迎えして昨年完成いたしました。
地元の木をふんだんに使用し、地元の職人の力を借りると共に技術の継承にも努めた点を評価いただいた今回の結果です。
今後も、本物の材と技術を大切にし、好きという思いを強く持ち続けながら、お施主さんの望む「心地い家」を実現できるよう努めてまいります。
受賞の様子は、下記よりご確認ください。
地域材利活用建築デザインコンテストについて
マンションリノベーション「Schaap」では、現在見学を受け付けております。
多くのお問い合わせを頂戴しておりますため、見学ご希望の方はお早めに下記よりご予約下さいますようよろしくお願いいたします。
見学のお申込みはこちら
こんにちは、いなほ工務店のWEBスタッフです。
突然ですが、「地産地消」という言葉にどんなイメージを持たれますか?
私は、食品や娯楽といったことが浮かびますが、この「地産地消」という言葉。
実はありとあらゆる分野で使用されていることはご存じでしょうか?
例えば、近年圧倒的な地位を得るようになったアニメや漫画、ゲームといったものも、地産地消の熱が高まった結果、世界へ広がっているコンテンツの1つです。
グローバルすぎて忘れますが、もとは地産地消です。
このように、地産地消は日常生活の中で当たり前のように存在しているのですが、住宅業界にも「地産地消」は存在します。
今回のコラムでは、住宅業界の「地産地消」について詳しくお伝えいたします。
「地産地消」とは
「地産地消」という言葉、元々は農産物の生産と消費を地域内で行うことで、地域経済の活性化や環境負荷の低減を目指す考え方を指していました。
しかし近年、農産物だけでなくあらゆる方面に普及し、住宅業界でも当たり前に使用される言葉となりました。
住宅業界における「地産地消」とは、地域で生産された建材や資材を使用し、地元の職人や工務店が施工を行うことを指します。
この「地産地消」によって、環境保護、地域経済の発展、住まいの質の向上といった多くのメリットが生まれています。
2:住宅業界で「地産地消」に取り組む意義
1:環境負荷の軽減
地元の材料を使用するということは、その分輸送にかかるエネルギーとCO₂排出量を削減できます。
例えば、海外から木材を輸入する場合、長距離輸送が必要となるため、多くの化石燃料を消費してしまいますが、地元産の木材なら長距離輸送は必要はありません。
結果、環境への負荷を大幅に削減することが可能となるのです。
また、地域の気候や風土に適した材を使用することは、建物の耐久性を高める大きな要因の一つでもあり、長期的にみるとメンテナンスコストの削減にも繋がります。
2:地域経済の活性化
住宅業界が指す「地産地消」に地元の工務店が含まれる理由は、住宅を一軒建てるために多くの人や物が動くからです。
地元の工務店に家づくりを依頼すると、地元の職人、製造業、林業が活性化することで、地域内での資金循環が促進され、雇用の創出に繋がります。
3:文化の伝統や継承
住宅にはその地域ごとの特色、気候風土に適した建て方や工夫が多くあります。
そういった地域の気候風土に適した伝統工法や建材を活用して家を建てることは、地域の伝統的な建築技術を次世代に継承することができます。
使われない技術はいつの間にか廃れてしまい、困るのは後の人です。
未来の人たちに伝統を継承していくためにも、「地産地消」で技術を継承していくことは、住宅業界だけでなく、全ての人にとってもとても重要な意義を持っています。
3:住宅業界で行われている具体的な取り組み
1:地域産木材の活用
地域の森林から伐採された木材を活用することで、森林資源の長期的な確保、山を守る人(山守)の育成は勿論、山を維持管理することで地域環境の維持と安全管理にも繋がっています。
弊社のある関西では、奈良県吉野の吉野杉や吉野檜、和歌山県の紀州が有名ですね。
弊社でも吉野や和歌山の他、兵庫の木も活用させていただいています。
兵庫県の木は有名ではありませんが、とても優れています。
同じように、他の地方それぞれの地で、有名ではなくとも優れた材が豊富にある地域は多々あるので、是非自分たちが暮らす地域にはどんなものがあるのか調べてみてくださいね

2:CLT(クロス・ラミネイティッド・ティンバー)技術の導入
CLT技術とは、複数の木材を繊維方向が直交するように積層接着した建材(パネル)を用いた建築工法を指します。
欧米を中心にマンションや商業施設などの壁や床として普及しており、日本では中高層建築物などの木造化に期待されています。
住宅を建てることにはあまり関係ない印象ですが、CLT技術に地元の木材を使用すrことで、木材の地産地消を促進し、地域の山を守る新たな方法として注目される取り組みの一つです。
3:伝統工法の採用と継承
近年、漆喰壁や土壁といった伝統的な建築技術が再評価されており、地域ごとの特性の合った家づくりを行う事例が増えています。
需要が増えればそれだけ技術も継承されます。
とても嬉しい流れが生まれています。
4:地元の職人による施工
大手ハウスメーカーではなく、地元の工務店や職人に家づくりを依頼することで、地域経済の活性化につながるのはもちろんの事、地域に技術が残ります。
施主さんが地産地消を選ぶメリット
1:地元で育った材は強い
地元で作られた素材や、地元で育った木材は、地元の気候風土に適しています。
特に木材はその傾向が顕著で、地元に存在する害虫への防虫効果が高い特徴があります。
シロアリの存在しない地域で育った木はシロアリにとても弱く、シロアリが生存する地域で育った木は、シロアリに強いと言われるのもその一つです。
2:お得になることも
地域資源を活用することで、家を建てるタイミングにもよりますが補助金や助成金の適用が受けられる可能性があります。
補助金や助成金に関しては、国のものの他、お住まいの都道府県や市区町村によっても変わります。
是非、もったいないことの無いよう、国の補助金や助成金の他、地域のものも調べてみてくださいね。
3:耐久性・メンテナンス性に優れている
メリットの1にも似ていますが、地域に適した建材を使い、伝統工法で建てられた家は耐久性は勿論、メンテナンス性に優れています。
100年以上経過した家が、現代でもリノベーションが可能なのは、当時は全て地産地消で作られていたことが理由の一つとして挙げられています。
住宅業界が抱える「地産地消」の課題
1:供給量と価格の問題
地域産の建材や、職人が作るものは全て、大量生産品とは比べ物にならないほど、供給量が限られています。
その為、価格が高くなる傾向があるのは勿論、需要に追い付かないという問題があります。
その為、安定供給を可能とする仕組み作りが求められています。
2:技術者不足
伝統的な技術を持つ職人が高齢化しているだけではなく、若手の人材確保が追い付いておらず、職人の育成が急務です。
途絶えた技術を再度復活させることは非常に困難なため、途絶えてしまう前に、地域の工務店や職人と連携した、職人の育成が必要となっています。
3:消費者の意識改革
素材も人も、「地産地消」で行う家づくりのメリットを理解されている消費者はあまりいらっしゃいません。
その為、「地産地消」の優れた点を理解していただくことこそが、これから先の未来に技術と材料を残し、自分たちが暮らす地域をよりよくするためには、欠かすことのできない要素です。
まとめ
住宅業界における「地産地消」は、環境負荷の低減、地域経済の活性化、建築品質の向上といった多くのメリットがある反面、課題も多くあります。
しかし、今現在家を建てようと考えていらっしゃる方にとって、「地産地消」はメリットしかないと私たちは考えています。
特に弊社のある関西地方は和歌山や吉野といった日本有数の林業が地元にあり、吉野杉や吉野檜、紀州材に慣れ親しんだ職人が多く存在する地域です。
せっかく優れた材、優れた職人が地元にいるのですから、特殊な技術を使用して家を建てるのではなく、日本古来からある建て方で、地元の材を使用して、地元の気候風土に合った家を建てることは、将来に渡って安心した暮らしができることに繋がるのは勿論、補助金や助成金も使用できる場合がある(タイミングがあります・・・)ので、「地産地消」を取り入れた家づくりも検討してみてくださいね。
完成見学会のみどころ
2024年10月に構造見学会を開催させていただきましたお家の完成見学会を開催させていただきます。
構造見学会とはまた違い、完成したお家をご覧いただけるのは勿論、性能をしっかりご体感いただける見どころたくさんのイベントですです。
完成見学会 詳細
<<見学会会場>>
・猪名川町伏見台2丁目
・日生中央駅
・駅から徒歩16分(お車でお越しの方は駐車場がございます)

<<建物詳細>>
ヘゼリヒシリーズ、ロフトあり平屋のお家です。
「わんちゃんのため」という施主さんのご希望に合わせ、壁は漆喰仕上げ、床は浮造りを採用させていただきました。
<<性能>>
・断熱性能 外皮平均熱還流率 6等級 UA値0.37
・耐震性能 3等級
・第一種換気 sumika採用
・床下エアコン
ご予約フォーム
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随分久しぶりのコラムとなりました、いなほ工務店のWEBスタッフです。
今年は阪神淡路大震災から30年が経過しました。
癒える傷、癒えない傷。様々な傷を抱えたまま多くの人が過ごしてきた30年という長いようで短かった時間ですが、その間にも住宅の性能は大きく向上し、特に安全性・快適性の向上には目を見張るものがあります。
いなほ工務店はこれからも人々の安全と幸福な暮らしを守る建築業者として、安全性と快適性の追求を怠ることなく精進してまいります。
今回のコラムでは、住宅の快適性向上技術の1つである床下エアコンについてお伝えさせていただきます。
床下エアコンとは?
床下エアコンとは、名前の通り床下の空間を利用する寒い季節に活躍する空調システムです。
床下に向けてエアコンを設置し、各部屋に取り付けた吹き出し口から暖かい空気が送られてきます。
その為、通常の各部屋ごとに1台取り付けるエアコンとは違い、1台で家全体を暖めることが可能です。
何故寒い季節に活躍するのかというと、暖められた空気は上に上がっていく特徴を生かして考えられているからです。
床下エアコンと混同されやすいのが、床暖房です。
床暖房は床下に温水パイプやヒーターを巡らせることで床そのものを暖める仕組みです。
一方、床下エアコンは床を暖めるのは勿論、建物全体を24時間1台で管理するシステムです。
床下エアコンのメリット
床下エアコンには大きく分けて6つのメリットがあります。
それぞれご紹介させていただきます。
床下エアコンのメリット1:導入コストの削減
一戸建てに全館空調を導入する場合の平均費用は、おおよそ150万から300万と言われています。
床暖房もまた、暖房パイプやシステム、床暖房に適した床材といった専用の設備と施工費用がかさみます。
しかし、床下エアコンは市販のエアコンを1台購入して設置するだけのため、導入費用を削減できるというメリットがあります。
その上、各部屋に取り付けるエアコン分の費用も浮くため、部屋の数だけエアコンの購入費や取り付け工事費を削減することができるという、大きなメリットが床下エアコンにはあります。
床下エアコンのメリット2:メンテナンスがしやすい
床下エアコンは、家電量販店で購入できるごく一般的なエアコンです。
その為、壁に取り付けたエアコンと同じように、普段の手入れはフィルターの掃除だけで済むというお手軽さがあります。
エアコン掃除やメンテナンスの際も、脚立に上って作業する必要は無く、目線より下の高さにあるためとても楽に手入れが可能です。
床下エアコンのメリット3:床材を選ばない
床暖房は、使用できる床材が決まっており、無垢の床材は使用できません。
しかし、床下エアコンなら暖房パイプやシステムが通っているわけではないため、床材を自由に選ぶことが可能です。
足に優しく心地のいい無垢材も、好きなものを使用できます。
床下エアコンのメリット4:風が直接当たらない
床下エアコンは、風を床下に送って部屋を暖める仕組みです。
その為、風が直接当たることはありません。
エアコンの風は不快感を覚える方や、乾燥が気になる方が多くいらっしゃいますが、床下エアコンならこれらのストレスを感じることはありません。
床下エアコンのメリット5:デザインを損なわない
近年、エアコンの色も多種多様になり、エアコンカバーが増えたことからも分かるように、エアコン自体がお部屋の雰囲気を損ねてしまう存在でした。
その点床下エアコンは、目に付くところにエアコンが無いため、室内の雰囲気を損ねることなく、こだわりの空間に仕上げることが可能です。
床下エアコンのメリット6:ランニングコストが安い
全館空調システムや床暖房に不具合が見つかった際、メンテナンス費用は平均100万円ほどかかると言われています。
床下エアコンならエアコンを買い替え、取り付けてもらうだけなので、不具合が発生したときの費用には大きな差があります。
限られはしますが、正しく建てられた高断熱高気密住宅なら、家全体、部屋だけでなく廊下や脱衣所トイレまで、エアコン1台で温められるので、電気代も節約可能です。
床下エアコンのデメリット
床下エアコンにはメリットがある一方で、やはりデメリットもあります。
次は、デメリットをお伝えさせていただきます。
床下エアコンのデメリット1:保証がないケースも
床下エアコンには家電量販店で購入できる普通のエアコンを使用しますが、エアコンメーカーは床下に取り付けて使用することを想定して開発していません。
その為、故障したのが保証期間内であっても保証されず、修理費用が全額自己負担になる場合もあります。
こういった想定外を避けるためにも、購入の際には必ず事前に「床下に取り付ける」と伝えて、保証内容をご確認されることをお勧めいたします。
床下エアコンのデメリット2:後付けができない
メリット6:ランニングコストが安いで少し触れましたが、床下エアコンが効果を発揮するには、家の性能を欠かすことができません。
そして床下エアコンは、家の計画当初から設置することを前提とし、基礎断熱、換気を意識した設計、設置場所の確保を行っています。
その為、後付けが非常に難しい空調システムと言えます。
もちろん、断熱改修や住宅のリノベーションを行った際に、取り付けることは可能です。
床下エアコンのデメリット3:シロアリ被害が発生しやすい
床下エアコンの設置には、基礎断熱が欠かせません。
基礎断熱は熱がこもり湿度が上がる特徴があるため、シロアリの好む環境になってしまうというデメリットがあります。
ですが、断熱材にシロアリの好まないものを使用したり、シロアリ対策の措置を取っておくことで回避することが可能です。
床下エアコンを取り付ける際の注意点
床下エアコンはとても優れた暖房設備であるため、近年では一般的な設備になってきました。
SNSを見ていても、「床下エアコンってつけたほうが良いの?」なんてツイートを目にする機会も増えました。
時の流れをとても感じます。
しかし、取り付けが可能、導入コストが抑えられるというメリットがある反面、床下エアコンには大きなデメリットがあります。
それは、施工業者や設計の経験がとても重要であり、床下エアコンの良し悪しは全て家の出来に左右されるという点です。
有名になり取り入れやすくなったため、多くの会社で設置が可能となった床下エアコンですが、本当に機能しているのか疑問も多くあります。
特に、床下エアコン一台で夏も冬も快適に暮らせるというのは大きな間違いです。
暖かい空気が上に上るように、冷たい空気は下におります。
冷房を入れると足ばかり冷えるのはこのことが理由であり、床下エアコンは夏場ほぼ活躍しません。
夏場の床下エアコンは、一階の床が冷たくなっていいなーぐらいのものです。
床下エアコンの導入には、2階や屋根裏に取り付ける、夏用の壁付けエアコンがセットだということを念頭においてください。
まとめ
床下エアコンは、とても素晴らしい空調システムですが、やはり大きな問題があると言わざる得ないのが実情です。
何度も書きますが、床下エアコンが機能するのは、家の性能が良い時だけに限られるからです。
床下エアコンを取り付ければ、快適な家になるように言われているのを時々目にしますが、快適が維持できる性能の家に取り付けるから快適に暮らせるのが床下エアコンなのです。
床下エアコンは、床暖房のように床にヒーターを通すだけ、全館空調システムのように大きなエアコンを天井に設置するだけではありません。
家全体で計画し、基礎を含めた家全体の性能を高めることで、エアコン1台で快適な空間を作り上げるのです。
性能の高い保温ポットに入れるから、暖かいコーヒーがいつまでたっても暖かく飲め、性能の低い保温ポットではあっという間に冷めてしまうのと同じように。
床下エアコンの良し悪しは、全て家に左右されます。
だからこそ、床下エアコンだけに注目するのではなく、下記の点に注意して施工会社を選んでいただきたいと思います。
1:どのような性能の家を建てているのか
2:床下エアコンの実物を体験することは可能なのか
3:床下エアコンの施工実績は十分か
以上の点を注意いただき施工会社を選ばれると、床下エアコンは十分に効果を発揮してくれるかと思います。
床下エアコンが気になった方は、気になる施工会社に問い合わせされる際には、上記ポイント3つをしっかり訪ねてみてくださいね。
ちなみに、阪神間で家を建てている弊社は、長年の施工実績は勿論、冬の間はいつでも等身大のモデルハウスで床下エアコンを体感いただけます。
床下エアコンの暖かさってどんなもの?といった疑問の解消でも、モデルハウスなら気にせずご体感いただけるので、興味のある方はぜひご来場ください。
モデルハウスの見学申し込みはこちら
いつもいなほ工務店のHPをご覧くださりありがとうございます。
度々お問い合わせいただいておりました弊社の施工範囲に、川西市と猪名川町が加わりました。
今まではお尋ねいただく際にお応えしておりましたが、これからは川西市と猪名川町もお尋ねいただかずにご依頼いただけるようになっておりますので、安心してお問い合せ下さい。
今日まで、「対応できますか?」とお尋ねくださった皆様、本当にありがとうございました。
これからも皆さんに心地よく暮らしていただける、安全で快適な住宅を建ててまいりますので、いなほ工務店をどうぞよろしくお願いいたします。

いなほ工務店ではこの度、ひょうご産業SDGs認証事業に登録されました。
認証事業に登録されている企業は兵庫県の中でもわずか360社です。
今までの取り組みが評価されたと共に、これからより一層、従業員の幸福と環境への配慮、地産地消の経済活動を進めていくなかでより良い街づくりを行うよう背中を押していただいたと考えております。
スタッフ全員、目標である2030年に向け、事業活動とSDGsの繋がりと重要性をより理解し、目標達成を推進してまいります。

●いなほ工務店SDGs取り組みについて
●ひょうご産業活性化センター内 関連ページ

初冬の候、ますますご盛栄のこととお喜び申し上げます。
また、平素は格別なるご高配を賜り厚く御礼申しあげます。
誠に勝手ながら、年末年始の業務を下記のとおりとさせていただきます。
大変ご迷惑をお掛けいたしますが、何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。
12月29日(日)~1月3日(金)まで お休みとさせて頂きます。
※ 休業期間中はモデルハウスのご案内もお休みさせていただきます。
※ 休業期間中にお問い合わせいただきましたお問い合わせ・資料請求・モデルハウスご見学予約に関する返答は、業務開始4日(木)以降に順次対応させていただきます。
令和6年11月23日、地域材利活用建築デザインコンテストin兵庫2024が行われ、
神戸の木のマンションリノベ-ション「Schaap」が、「優秀賞」と「ひょうご木の匠賞」のダブル受賞を頂きました。
弊社のある地域には数多くのマンションが存在し、古くなったマンションも数多くあります。
今回のマンションは築50年という古さでしたが「木のマンションリノベ-ション」により生まれ変わりました。
賞を頂くという事は大変うれしい事であり、設計を頂いた阿曽芙美先生や、この工事に携わった木材業者の方や職人ひとりひとりに感謝いたします。

いなほ工務店代表の本と今回設計を行っていただいた阿曽芙美建築設計事務所の阿曽先生受賞の様子
受賞に至ったリノベーションのポイント01.断熱改修工事
神戸の木のマンションリノベ-ション「Schaap」では、床下にコンクリ-トを流し、断熱材を設置、壁、天井にも断熱施工し、サッシも樹脂サッシに交換(一部)しました。
南側の窓のエリアに円形のコンクリ-ト床を施工いたしました。
コンクリート床は、南のダイレクトインを蓄熱する効果があり、パッシブも考えた設計となっています。

受賞に至ったリノベーションのポイント02.地域材の使用
神戸の木のマンションリノベ-ション「Schaap」では、名前の通り兵庫県産の木材を多く使用しました。
1階床は六甲山の杉無垢30mm
2階床は六甲山の桧無垢
キッチン、洗面等は神戸市の街路樹、ユリノキ
壁の羽目板は神戸市街路樹のコナラとケヤキを使用しています。
そのほか、淡路瓦の取っ手や青森ひば等ふんだんに地域材を使用しています。
又、名前の由来となったウ-ル100%の堀田カーペットも施工しました。

受賞に至ったリノベーションのポイント03.デザイン
ビフォ-の状態から、こちらのマンションには丸が多くあった事から、アフタ-でも丸を意識したデザインを取り入れました。
また、暮らしの中に花を咲かせたデザインが印象的だと評価いただきました。

神戸の木のマンションリノベ-ション「Schaap」は、施工事例に詳しく掲載しております。
下記よりご覧ください。
神戸の木のマンションリノベ-ション「Schaap」はこちら
こんにちは、木が大好きないなほ工務店です。
先日、10月末ごろに開催いたしました構造見学会のレポートをお伝えいたしました。
構造見学会に参加くださった方も、都合が合わず参加いただけなかった方にも是非お読みいただきたい内容となっておりますので、まだお読みでない方はぜひ下記よりご覧ください。
2024年10月開催構造見学会レポートはこちらから
今回のコラムでは、構造見学会として建築中のお家をお貸しくださったH様とのお打合せの際に、皆さんにお伝えしたい内容がございましたのでお伝えすると共に、構造見学会に参加できなかった場合はどうすればよいのかお伝えいたします。

家づくりは無理なく
普段家づくりを行っている側の者として、家づくりは無理なく行ってくださいねとお伝えしたいと思うことが幾つかあります。
今回は構造見学会にも関したコラムなので、無理なくのうち「お打合せ」と「残すもの」についての内容です。
1:お打合せは無理なく
今回、見学会会場として建築中お家をお貸しくださったH様とは、今年の頭に関西とは別の場所でお打合せをさせていただきました。
弊社は阪神間に移住される方からご依頼いただくことも多く、他の地域へお伺いすることも多々ありますが、こういうことをされている会社さんは少数だそうです。
今ならリモートで打ち合わせができるので遠方でも問題無いと感じられるかもしれませんが、リモートばかりとなると細かな部分に対する意志の疎通が難しい上、微妙なニュアンスがお互い伝わっているのかどうか分かりにくい場合が多々あります。
家づくりを生業とし、打ち合わせに慣れている者ですらなかなか難しいのですから、初めて又は2度目の家づくりといったお施主さんにとっては非常に困難なものだと思います。
家は一生に一度と言われるほど高価な買い物ですし、長い時間その場所で暮らし続けるため悔いが残る家づくりは精神衛生上あまりよくありません。
その上、家づくりを行っている時は決めることも多く、家族全員がそれぞれの主張を行うことで、家族間でもめるなんてことが日常茶飯事になってしまうほど、「全員が納得できる形に決める」ということは難しいのが現実です。
だからこそ、家を建てようと考える会社は、話がしやすく相談しやすい、悩んで決められない時でも臨機応変に対応や提案ができる会社を選ばれることを強くお勧めします。
遠方への移住をご検討中の方は、対面での打ち合わせが可能かどうか。
可能な場合、打ち合わせ場所はどこになるのか事前にご確認くださいね。
2:残すことをあきらめない
こちらのお施主さんとは別のお施主さんのお話ですが、「庭の木を残してもらえますか?」というご相談を頂いたことがあります。
その方は、ご両親から受け継いだご実家の建て替えを検討中で、ご両親が植えられた木を残したいということでした。
何故そんなに深刻に?家の建て替えで最初にご質問される内容がなぜ木になってしまうのか・・・と思ったのですが、弊社にご相談いただく前に相談した会社に「切るしかない」との言われたとのことだったのです。
確かに残していると建て替えが難しい場所に木が植わっていることは事実でした。
でも、大切なもの、特にこちらの例ではご両親の大切な想い出を無くして建てた家に愛着を持てるでしょうか?
安心して暮らし続けることができるでしょうか?
私たちは無理だと思います。
だからこそ、大切なものが土地にある場合は、「残すことをあきらめない」という選択をお施主さんにはしてほしいなと思います。
今回のお施主さんも、土地に根を張る柿の木をそのままに、建築を進めることとなっています。
とても素晴らしい木で、見学くださった方の目に止まっておりました。
残せるものは残す、残せないものは残せる方法を考える。
もちろん、どうしても無理な場合はもちろんあります。
お施主さんのご希望が、残したいものの上にある場合なんかは分かりやすい例になりますね。
「残したい木が植わっている場所に駐車場を作りたい」とのご要望には、どちらかお選びくださいとしかお伝え出来ないので。
しかし、この考え方は地域に根差す工務店として絶対に忘れてはいけない点だと思います。

柿の木と共に
相談中に「無理」と言われ場合、本当に無理なお願いをしているのか。
ご家族のご要望を見直したうえで、上のようなパターンではないな・・・と思われましたら、ぜひ何とか方法は無いのか、相談してみてくださいね。
構造見学会に参加できなかった時は?
地元に根差した工務店の場合、年間の着工数はあまり多くありません。
数千、数万なんて着工数が可能なのはハウスメーカーだけですから。
その為、弊社のように見学会はほぼ行わないという会社を除き、見学会という名のイベントは数か月に一度行われるのが一般的です。
その上、見学会は基本土日に行われることが多く、そもそもお休みが平日の方はもちろん、予定が被ってしまった方、お子さんのイベントと被ってしまった方は見学会に参加できないままイベントが終了してしまったなんてことはよくあることです。
色々なところで、「体感してください!」と言っている会社が多いのに、タイミングが合わないよ・・・と思われることも多いのではないでしょうか。
そんな場合はぜひ、施工を依頼しようとしている会社へ問い合わせしてください。
見学会会場とは見学できる場所が別になるかもしれませんし、お施主さんの許可を頂いてからにはなりますが、イベント以外でもご案内されている会社さんは多々ありますから。
もちろん弊社もその一つです。
現場の工事は進むため、構造見学会時と同じ姿ではありませんが、お問い合わせいただきましたらご案内可能です。
予定かぶりで見学会への参加を諦めたという方はぜひご一報ください。
まとめ
家づくりは決めることが多いのはもちろん、初めて決める内容ばかりの方がほとんどだと思います。
だって、日常でフローリング材を選ぶことも、キッチンを選ぶことも、ましてや外壁材を選ぶことなんてありませんからね。
その為、ほとんどの方が家づくり中一度はパニックになられます。
決めるまでの時間も決まっているため、仕方ないことです。
しかし、仕方ないと諦めてよいことと、諦めてはいけないことがあります。
先にお伝えした、お打合せの件と大切な物の件は特に、諦めてはいけないことだと私たちは考えています。
諦めてしまう前に、諦めなくてもよい方法をぜひ探すようにしてくださいね。
あなたはこれからのローカルをどう考える?
南兵庫流域らしい暮らしとは?農村と都市の関係ってこれからどうなればいいんだろう?
このイベントでは、私たちの流域から、地域の仕事を守り育てている人たちが集います。
流域沿いの事業者による展示・販売やトークイベント、ファーマーズマーケット、こども向けの家づくり体験など、SDGsを体感できるイベントが盛りだくさん。皆様のご来場をお待ちしております。
南兵庫流域祭(1号館芝生広場):11時00分~16時00分
・流域における事業者展示と南兵庫流域ラジオ
・こどもローカル工務店
・竹ハウスデモンストレーション
ファーマーズマーケット(公館庭園):10時00分~14時00分
神戸市内を中心に、県内の農林漁業者やローカルを大切にするお店が集います。
イベントチラシはこちらからもご覧いただけます!
こんにちは、木が大好きないなほ工務店です。
とても久しぶりのコラムとなりますが、今回は先日行われた構造見学会の様子をお届けいたします。

先日は大盛況のうちに、各回限定一組様の構造見学会が終了いたしました。
見学会場として快くお貸しくださいましたお施主さん、ご来場くださった皆様、まことにありがとうございました。
H様、写真掲載の許可を下さりありがとうございます。
イベント概要
日程|2024年10月26(土)・27日(日)
時間|10時~17時 完全予約制
場所|猪名川町伏見台2丁目

見学会当日は両日ともにしっくりこない天気、27日に至っては途中から雨が降ってくる始末で、肌寒さを感じる日でした。
にもかかわらず、興味津々に現場をご覧になられるだけではなく、細かな質問やお客様の想いやお考えをお伝えいただけ、とても有意義な2日間となりました。

※こちらの写真は見学会以前に撮影したものになります。
今回の構造見学会の会場として快くお貸しくださったお施主さんのお家は、平屋+ロフトというプランです。
お施主さんのご要望である「わんちゃんと暮らしやすい家」を考えた結果、平屋+ロフトという形に落ち着きました。
写真に写っている構造材は、お施主さんが選ばれた、兵庫県産、奈良県産の無垢杉(一部米松)です。
差し込む光と木肌の美しさは見事なもので、隠れてしまうのが本当にもったいない美しさでした。
構造材の美しさを堪能できるのも、構造見学会の良さの1つですね。

床材は吉野杉研ぎ出し上小無垢フロア-を使用しています。
※写真に写っている床はフローリング材ではなく、養生ベニヤ板です。
杉の上小無垢研ぎ出しは、杉材の一種で、赤身と白身が混在する羽目板を指します。
無節は材面に節が無く優しい感触であることからわんちゃんの足を考慮して選ばれました。
材1つにも、そこで暮らす人と大切な存在にぴったり合ったものを選べることが、注文住宅を建てる大きなメリットですね。
今回の建築地は、地域的に6地域となり、比較的温暖な地域です。
その上、土地の形状や周りの環境にも恵まれていることから、通風やパッシブを最大限に生かした高断熱高気密のQ1住宅(Q1住宅レベル1、Ua値0.36、C値0.1)になっています。
6地域の場合、通常なら基礎断熱はスカート方式を採用いたしますが、今回は山が近いことを考慮し、全面に断熱材(スタイロ 60mm 全面)を敷き詰めました。

弊社は常々、家は土地を見て建てるべきだと言っていますが、今回の基礎断熱の施工方法を変更したのもその一つです。
同じ6地域であっても、平地と山からの吹きおろしがある地域。
どうしても体感温度に違いが生じます。
同じ地域だからと言って、同じ施工をしていればいいわけではないという点からも、土地を見えて建てるべき理由がお伝えできるのではないでしょうか。

上記写真は、壁内の断熱施工の様子です。
弊社のいつも通りの断熱施工を行っております。
断熱材(パラマウント 太陽SUN 16K105+気密シート)を隙間なく埋めた上から、気密シートで覆っています。
こうすることで、室内の湿気を通さず(防湿層)断熱性能を維持することができます。
又、気流止めとして断熱材上部には木材等にて気流止めの対策が行われています。
気流止めはその名の通り、気流が漏れる(冬場なら、家の中の暖かい空気が上部へ流れ出し、断熱効果が弱まる)のを防ぐ役割があり、気流止めが不十分な場合、気流が発生して寒い家となってしまいます。
しっかり断熱材を入れたのに寒い・・・という家は、気密止めの施工が不十分、または気流止めがされていないことが原因なことが多々あります。

上記写真は、屋根の断熱材(セルロ-スファイバー 200mm)も気になりますが、見えづらい窓をご覧ください。
繰り返しになりますが、今回は立地に恵まれたこともあり、パッシブの考え方を存分に取り入れました。
窓もその一つです。
南面以外の窓にはトリプル樹脂サッシを採用し、南面のみペアの樹脂サッシを採用しました。
こうすることで冬は太陽の光を最大限利用しつつ、夏は緑で日差しを遮る仕組みが出来上がります。
うだるような暑さの夏でも、空調の整った室内から陽を浴びる緑を眺めるのは非常に気持ちがよく贅沢な瞬間です。
緑の扱いがめんどくさいと言われる昨今ですが、緑は家を内からも外からも素敵に見せてくれる効果があります。
気になる方はぜひ、取り入れることを検討してみてくださいね。
ちなみに、パッシブの仕組みは構造見学会でなくとも見学可能です。
気になる方は、施工を依頼しようかな?と検討中の会社に問い合わせされることをお勧めいたします。
構造見学会で見学できる部分である、基礎、木組み、断熱施工は、完成後見えなくなってしまうため、各社がどのような施工を行っているのか分かりにくい部分の1つです。
その上、知識が無いと何がどうなっているのか、どう違うのか判断が付きにくいという難しい問題もあります。
ですが、基礎、木組みを含め、構造見学会で見ることができる部分はすべて、家の根幹にかかわる部分です。
分からないなーとぼんやり眺めるのではなく、ここで施工しようかな?と思う会社の構造見学会に参加されました際は、質問を繰り返しながら、木の良さ、施工の丁寧さ、なぜそれを選ぶのかといったことに注視しながら見学くださいね。
構造見学会のみどころ
●構造部分に使用されている素材
●断熱材の厚み
●断熱材の施工技術
●気流止め等、見どころたくさんです。
構造見学会 詳細
<<見学会会場>>
・猪名川町伏見台2丁目
・日生中央駅
・駅から徒歩16分(お車でお越しの方は駐車場がございます)
<<建物詳細>>
ヘゼリヒシリーズ、ロフトあり平屋のお家です。
「わんちゃんのため」という施主さんのご希望に合わせ、壁は漆喰仕上げ、床は浮造りを採用させていただきました。
<<性能>>
・断熱性能 外皮平均熱還流率 6等級 UA値0.37
・耐震性能 3等級
・第一種換気 sumika採用
・床下エアコン

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「豊中上野西」に描く木の家。
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