小上がりのある暮らし

2022/08/31 | 家づくりのこと TOPICS

先日畳コーナーについてのコラムで、小上がりについて詳しくはまたの機会にとお伝えしておりました。
畳コーナーでも、いくつかの事例で小上がりになっていたものがあるように、小上がりというと畳コーナーのイメージがあるようです。
弊社でも、畳じゃなくても大丈夫ですか?とご相談をいただいたこともあります。

今回は、そんな小上がりについて、設置のメリットやデメリット等をお伝えさせていただきます。

そもそも小上がりとは?

小上がりとは、段差を作ることでお部屋の中にもう1つ、小さな空間を作るような間取りを指します。
リビングの一角に設けることが一般的で、多くの場合畳を貼って和のスペースにすることが多いようです。
小上がりにすることで、洋風のインテリアの中でも違和感なく和を取り入れることができることから、癒しのスペースとしても人気です。

小上がりにすることで、より区切られた空間になることから、客間やお子さんの遊びや勉強スペースとして取り入れる方も多いのが特徴です。

小上がりのメリット

小上がりのメリットは大きく分けて下記の3つです。

1:収納スペースができる
2:くつろぎスペースとして使える
3:空間に奥行きが生まれ、空間を区切ることで用途が増える

では、それぞれ詳しくお伝えさせていただきます。

1:収納スペースができる

フラットな床とは違い、小上がりにすることで段差部分を収納にすることができます。
壁に収納スペースを設けると部屋が狭くなりますが、小上がりなら部屋を広さを変えずに収納を増やすことが可能です。

小上がりユニットが収納用家具として売られている点を見ても、収納を目的としていることが分かります。

引き出しタイプなら奥行きが長く取り出しにくい印象ですが、かさばるものや大きなもの等。使用頻度は低くとも必要なものを人目につかない場所へ収納できるのが小上がりの最大のメリットと言えます。

収納方法は、引き出しタイプの他、小上がりの床がスライドするタイプや、外せるタイプ等様々です。
収納方法の選び方は、暮らし方やプランから一番使いやすいタイプを選ぶのが良いかと思います。


※小上がりユニット製品。写真はアマゾンからお借りしました。


2:くつろぎスペースとして使える

リビングはフローリングでも、小上がりを畳敷きやラグ敷きにすると、そのまま寝転んでベッド代わりにしたり、大きなソファーとしてくつろぎのスペースにすることも可能です。
リビングに小上がりを設けた場合、リビングとは床の高さが違うので、リビングからのほこりやゴミが入りにくいというポイントもあります。
そのような点からも、フラットな床にそのまま寝転ぶことに抵抗がある方も、一段高い小上がりだったら大丈夫という方も多いのではないでしょうか。

お子さんのお昼寝スペースとしても、リビングで行う家事やリモートワークの最中でも目が届くので便利に使えますよ。


3:空間に奥行きが生まれ、空間を区切ることで用途が増える

小上がりには奥行きを生み、さりげなく空間を区切る効果があります。
その効果を利用して、部屋の用途を増やすことができるのが小上がりのメリットです。
他の場所とは床面の高さがそもそも違うため、小上がりを造るだけで立体的な空間になるという特徴があります。
床面が続いていないという事から、床材を変えたり壁の色を変えるのも違和感がなく、よりメリハリのあるおしゃれな空間がつくりやすいのが特徴です。

一続きの空間だけれども、区切られているというポイントを活かし、お客様用の寝室として使われることもあります。
この場合は、間仕切りがあると更に便利です。

小上がりのデメリット

小上がりのメリットをお伝えさせていただきましたが、もちろんデメリットもあります。
デメリットも大きく分けて3つありますので、こちらも詳しくお伝えさせていただきます。

1:バリアフリーに向いていない

小上がりはそもそも、部屋の中に設ける段差です。
家の中の段差をなくすバリアフリーとは、相性が合いません。

足腰の衰えが気になったり、家の中の些細な段差でも転倒が気になる。
段の上り下りが負担だという方には、階段よりも段差が大きい小上がりは、出入りの時に足を取られてしまうリスクが生じます。

ロボット掃除機を使用されている場合、ロボット掃除機はもちろん小上がりには登れません。
小上がりは小上がりで掃除をする必要もあります。


2:部屋が狭く見える

小上がりを造る場所やリビングの広さ、天井の高さによっては部屋全体が狭い印象になってしまう事もデメリットの1つです。

何もない状態だと広く見えたお部屋。
家具を置いたらあれ?と想像以上に狭く感じたり、逆に家具が大きく感じられた経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
小上がりも同じような作用を覚えさせることがあります。

せっかくのリビングを狭く感じさせないためにも、事前の確認とイメージが非常に重要なので、丁寧な打ち合わせを行う必要があります。


3:天井が低く圧迫感がある

小上がりは床面を高くするため、天井が低く感じられどうしても圧迫感が出てしまいます。
小上がりの高さにもよりますが、背の高い方は頭をぶつけそうになることも。

天井までの高さが通常とは違うため、サイズや高さなど、家具選びにも注意が必要です。

小上がりのサイズ感について

小上がりを考える時に大切なのは、広さと高さです。

小上がりの広さとして人気なのは4.5畳だそうです。
3畳だと狭すぎる、6畳だと広すぎてもったいないという事から、4.5畳がちょうどいいサイズと言われていますが、広さについては使い方をどうするか。
暮らしの中でどう使うかでベストが変わってくるかと思います。

例えば、ご夫婦のご両親やご友人が頻繁に泊まりに来られるお家なら、広めにとっておくことで複数人での宿泊にも対応できますし、寝起きや着替えといった人の目線が気になる行動が全て部屋の中で完結しやすくなります。

逆に、お子さんの遊び場やちょっとした休憩の他、家事スペースとして利用するのであれば、3畳でも十分な広さと言えます。

小上がりの高さとしては、20㎝、または30㎝と言われています。
20㎝は階段と同じくらいの高さになるので、上り下りしやすい印象です。
しかし、高さをベンチ代わりにしたり、収納スペースとして使う場合は、低いと感じる高さでもあります。

30cmの段差は、階段幅と比べて非常に高く上り下りしにくい印象ですが、座りやすさや収納スペースとしての使いやすさは勝ります。

小上がりの間仕切りについて

畳コーナーでもお伝えしましたが、間仕切りをどうするかは小上がりに欠かせないポイントです。
リビングの延長線として小上がりを作りたい場合、間仕切りが無いほうが解放感や奥行きが感じられます。

しかし、客間としての使用を考えていたり、よりプライベートな空間としてリビング横に作りたい場合は、完全に締め切ることのできる間仕切りがあるほうが良いと言えます。

小上がりの施工事例

かなり大きい空間なので、小上がりのように少しの段差を設けることで、空間を区切っている事例です。
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リノベーションの事例です。
リビングに設けることで、よりリラックスできる空間へと仕上がりました。
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畳コーナーでも紹介させていただきました、元モデルハウスです。
小上がりの段差を活かし、カウンターテーブルを設置しています。
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畳コーナーでもご紹介させていただきましたこちらのお家。
小上がりは引き出しタイプの収納にされています。
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マンションのリノベーション事例です。
LDKと他の空間に少しの段差を設けることで、視界を遮らずに空間を仕切ることが可能になります。
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畳コーナーとしての小上がりです。 押し入れや床の間を設けることで、和室としての機能も十分備わっており、お客様が泊まって行かれ場合も快適に過ごしていただける余裕があります。
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こちらの施工事例は小上がりのメリットを詰め込んだ事例です。
3畳+階段へとつながる小さなスペースですが、畳敷きの小上がりにすることで踊り場が無駄になりません。 畳の下に収納を作ることで、よりリビングをスッキリ使いやすくすることが可能です。
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まとめ

いつもいつも同じことを書いてしまっておりますが、家ほど人によって違う。
暮らし方によって違うものはないと思っています。
そして、ちょっと違ったから他のものに買い替えることがほぼ無理なのも、家ならではの特徴ですよね。

そんな家だからこそ大切なのは、自分たちの暮らしをしっかりと見た上でどうしたいのか考えることです。

例えば、ご両親が頻繁に泊まりに来られるにも関わらず、小上がりが3畳しかなかった・・・。
これでは、二人が同時に就寝するのは難しく、荷物置き場にしかなりません。
せっかく作った小上がりをもう少し広めにとっておけば、寝てもらう場所の確保に悩まなくて済んだものを、わざわざ使っている部屋を開ける必要が出たり、リビングで寝泊まりしてもらうことになりかねません。


リビングに布団を敷く様子

「今流行り」「人が良いと言っていた」ではなく、どんなことも自分たちの暮らしとしっかり向き合ったうえで、プランを考える際に落とし込んでもらえるよう伝えることが大切です。
注文住宅の良いところは、自分たちの暮らしを反映できるところです。
こんなにいろいろ伝えたら嫌がられるかも?とは考えずに、ぜひしっかり伝えてくださいね。
弊社スタッフのことしか分かりませんが、暮らしやすい家を常に考えるいるスタッフにとって、暮らし方を教えてもらえることは嬉しいの一言に尽きますよ。

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