家づくりにも「地産地消」

2025/02/16 | 自然素材のこと TOPICS

こんにちは、いなほ工務店のWEBスタッフです。
突然ですが、「地産地消」という言葉にどんなイメージを持たれますか?
私は、食品や娯楽といったことが浮かびますが、この「地産地消」という言葉。
実はありとあらゆる分野で使用されていることはご存じでしょうか?

例えば、近年圧倒的な地位を得るようになったアニメや漫画、ゲームといったものも、地産地消の熱が高まった結果、世界へ広がっているコンテンツの1つです。
グローバルすぎて忘れますが、もとは地産地消です。

このように、地産地消は日常生活の中で当たり前のように存在しているのですが、住宅業界にも「地産地消」は存在します。
今回のコラムでは、住宅業界の「地産地消」について詳しくお伝えいたします。

「地産地消」とは

「地産地消」という言葉、元々は農産物の生産と消費を地域内で行うことで、地域経済の活性化や環境負荷の低減を目指す考え方を指していました。
しかし近年、農産物だけでなくあらゆる方面に普及し、住宅業界でも当たり前に使用される言葉となりました。
住宅業界における「地産地消」とは、地域で生産された建材や資材を使用し、地元の職人や工務店が施工を行うことを指します。
この「地産地消」によって、環境保護、地域経済の発展、住まいの質の向上といった多くのメリットが生まれています。

2:住宅業界で「地産地消」に取り組む意義

1:環境負荷の軽減

地元の材料を使用するということは、その分輸送にかかるエネルギーとCO₂排出量を削減できます。
例えば、海外から木材を輸入する場合、長距離輸送が必要となるため、多くの化石燃料を消費してしまいますが、地元産の木材なら長距離輸送は必要はありません。
結果、環境への負荷を大幅に削減することが可能となるのです。
また、地域の気候や風土に適した材を使用することは、建物の耐久性を高める大きな要因の一つでもあり、長期的にみるとメンテナンスコストの削減にも繋がります。

2:地域経済の活性化

住宅業界が指す「地産地消」に地元の工務店が含まれる理由は、住宅を一軒建てるために多くの人や物が動くからです。
地元の工務店に家づくりを依頼すると、地元の職人、製造業、林業が活性化することで、地域内での資金循環が促進され、雇用の創出に繋がります。

3:文化の伝統や継承

住宅にはその地域ごとの特色、気候風土に適した建て方や工夫が多くあります。
そういった地域の気候風土に適した伝統工法や建材を活用して家を建てることは、地域の伝統的な建築技術を次世代に継承することができます。
使われない技術はいつの間にか廃れてしまい、困るのは後の人です。
未来の人たちに伝統を継承していくためにも、「地産地消」で技術を継承していくことは、住宅業界だけでなく、全ての人にとってもとても重要な意義を持っています。

3:住宅業界で行われている具体的な取り組み

1:地域産木材の活用

地域の森林から伐採された木材を活用することで、森林資源の長期的な確保、山を守る人(山守)の育成は勿論、山を維持管理することで地域環境の維持と安全管理にも繋がっています。
弊社のある関西では、奈良県吉野の吉野杉や吉野檜、和歌山県の紀州が有名ですね。

弊社でも吉野や和歌山の他、兵庫の木も活用させていただいています。
兵庫県の木は有名ではありませんが、とても優れています。
同じように、他の地方それぞれの地で、有名ではなくとも優れた材が豊富にある地域は多々あるので、是非自分たちが暮らす地域にはどんなものがあるのか調べてみてくださいね

2:CLT(クロス・ラミネイティッド・ティンバー)技術の導入

CLT技術とは、複数の木材を繊維方向が直交するように積層接着した建材(パネル)を用いた建築工法を指します。
欧米を中心にマンションや商業施設などの壁や床として普及しており、日本では中高層建築物などの木造化に期待されています。
住宅を建てることにはあまり関係ない印象ですが、CLT技術に地元の木材を使用すrことで、木材の地産地消を促進し、地域の山を守る新たな方法として注目される取り組みの一つです。

3:伝統工法の採用と継承

近年、漆喰壁や土壁といった伝統的な建築技術が再評価されており、地域ごとの特性の合った家づくりを行う事例が増えています。
需要が増えればそれだけ技術も継承されます。
とても嬉しい流れが生まれています。

4:地元の職人による施工

大手ハウスメーカーではなく、地元の工務店や職人に家づくりを依頼することで、地域経済の活性化につながるのはもちろんの事、地域に技術が残ります。

施主さんが地産地消を選ぶメリット

1:地元で育った材は強い

地元で作られた素材や、地元で育った木材は、地元の気候風土に適しています。
特に木材はその傾向が顕著で、地元に存在する害虫への防虫効果が高い特徴があります。
シロアリの存在しない地域で育った木はシロアリにとても弱く、シロアリが生存する地域で育った木は、シロアリに強いと言われるのもその一つです。

2:お得になることも

地域資源を活用することで、家を建てるタイミングにもよりますが補助金や助成金の適用が受けられる可能性があります。
補助金や助成金に関しては、国のものの他、お住まいの都道府県や市区町村によっても変わります。
是非、もったいないことの無いよう、国の補助金や助成金の他、地域のものも調べてみてくださいね。

3:耐久性・メンテナンス性に優れている

メリットの1にも似ていますが、地域に適した建材を使い、伝統工法で建てられた家は耐久性は勿論、メンテナンス性に優れています。
100年以上経過した家が、現代でもリノベーションが可能なのは、当時は全て地産地消で作られていたことが理由の一つとして挙げられています。

住宅業界が抱える「地産地消」の課題

1:供給量と価格の問題

地域産の建材や、職人が作るものは全て、大量生産品とは比べ物にならないほど、供給量が限られています。
その為、価格が高くなる傾向があるのは勿論、需要に追い付かないという問題があります。
その為、安定供給を可能とする仕組み作りが求められています。

2:技術者不足

伝統的な技術を持つ職人が高齢化しているだけではなく、若手の人材確保が追い付いておらず、職人の育成が急務です。
途絶えた技術を再度復活させることは非常に困難なため、途絶えてしまう前に、地域の工務店や職人と連携した、職人の育成が必要となっています。

3:消費者の意識改革

素材も人も、「地産地消」で行う家づくりのメリットを理解されている消費者はあまりいらっしゃいません。
その為、「地産地消」の優れた点を理解していただくことこそが、これから先の未来に技術と材料を残し、自分たちが暮らす地域をよりよくするためには、欠かすことのできない要素です。

まとめ

住宅業界における「地産地消」は、環境負荷の低減、地域経済の活性化、建築品質の向上といった多くのメリットがある反面、課題も多くあります。
しかし、今現在家を建てようと考えていらっしゃる方にとって、「地産地消」はメリットしかないと私たちは考えています。

特に弊社のある関西地方は和歌山や吉野といった日本有数の林業が地元にあり、吉野杉や吉野檜、紀州材に慣れ親しんだ職人が多く存在する地域です。
せっかく優れた材、優れた職人が地元にいるのですから、特殊な技術を使用して家を建てるのではなく、日本古来からある建て方で、地元の材を使用して、地元の気候風土に合った家を建てることは、将来に渡って安心した暮らしができることに繋がるのは勿論、補助金や助成金も使用できる場合がある(タイミングがあります・・・)ので、「地産地消」を取り入れた家づくりも検討してみてくださいね。

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