ZEHとは

2022/01/27 | 家づくりのこと TOPICS

阪神間で、高断熱住宅やZEHを建てているいなほ工務店です。

この間の水曜日(2022年1月19日)は、会社の定休日だったので自宅でゆっくりと過ごしました。
コロナ禍になってから、やはり外出は最小限。できる限り控えるようになりました。
そんな生活様式の変化の中で分かりやすく変わったのは、以前はほとんど見ることの無かったテレビをつけるようになったことです。

何の気なしにつけていたテレビから、堂島に新しくできるタワーマンションの話題が流れてきました。
見学用に作られているお部屋の価格は8億円!
更に高い部屋もあり、そこは11億円!!!ですでに完売しているそうです・・・。
あまりの価格に、頭の中に?が浮かぶばかりでしたが、驚いたのは価格と共に性能を簡単に説明するときの言葉でした。
「全戸ZEHだから、冷房も暖房もいらない」と番組で紹介されていたのです。

「全戸ZEHだから、冷房費も暖房費も実質0に近くなる」というのならまだ分かるのですが、冷房も暖房もいらないというのは違うよなーと思いながら話を聞いていました。
ということで、今回はZEHについて、ZEHとはどういう家を言うのか。
ZEHを建てるとどんなメリットがあるのか等、お伝えしたいと思います。

そもそもZEHとは?

まず、ZEHはゼッチと読みます。
少し前までは、ゼロエネルギー住宅とも呼ばれていた省エネ住宅のことで、政府目標として2020年までにハウスメーカー等が新築する注文戸建て住宅の半数以上、2030年までに新築住宅の平均でZEHの実現を目指すと掲げています。
経済産業省は、その目標の達成に向け、課題や対応策をまとめた「ZEHロードマップ」を策定しており、対応した取り組みを行っています。
ZEHの補助金もその1つです。

ZEH実現・普及に向けたロードマップ

ZEH(ゼッチ)とは「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」を略した言葉です。
「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」を分かりやすく言うと「使うエネルギー≦創るエネルギー」になる住宅を指します。
正式には設計一次エネルギーの消費量と創るエネルギー量の収支をゼロ以下にする住宅なのですが、ややこしいですよね。
ややこしくては意味がないので、ZEHは、以前ゼロエネルギー住宅と呼ばれていたように、再生可能エネルギー(太陽光発電)を住宅に導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅だと覚えてください。

ちなみに、
Zは、ゼロ。
Eは、エネルギー。
Hは、ハウスを指しています。
そのため、ZEH住宅とは言わず、ZEHが正しい表記になりますが、分かりやすくお伝えするために、ZEH住宅と使われている場面もあります。

※一次エネルギーとは、自然界から得られた変換加工しないエネルギーのこと。
石油や石炭、天然ガス、ウランのような採掘資源から太陽光、水力、風力といった再生可能エネルギー、さらには薪や木炭など様々な種類がある。

※再生可能エネルギーとは、石油や石炭、天然ガスといった有限な資源である化石エネルギーとは違い、太陽光や風力、地熱といった地球資源の一部。
自然界に常に存在するエネルギーのことを指します。大きな特徴として、「枯渇しない」「どこにでも存在する」「CO2を排出しない(増加させない)」が挙げられます。

ZEHの特徴

ZEHのイメージ図(減らすがない)

上記の画像は、ZEHに関して調べられたことがある方は何度も目にされているかもしれません。
ZEHの素材画像として製作され、会員登録することで無料で使用することができるものです。

この画像では、使う状況と、ZEHがどうやって消費エネルギー0になっているのか、とても分かりやすくなっています。
ですが、実際ZEHを建てている側として非常に気になる点があります。
それは、減らすという部分が無いことです。

確かに、発電量の大きな太陽光を設置すれば、計算上消費エネルギーを0にすることは可能です。
しかし、そもそもの消費エネルギーを減らさなくては意味がないのではないでしょうか。

そのために重要なのが、断熱であり、ZEHとして認めら補助金を受けるためにも、定められている細かな要件である3つのポイントも「断熱」「省エネ」「創エネ」です。

1:断熱

ZEHとして認定されるためにも、快適に暮らせる家にするためにも、暑さ寒さに影響されにくく燃費を抑える為に住宅の断熱性能を高めることが必要不可欠です。
Q1住宅を始めとした高断熱住宅は、非常に優れた断熱性能を持つため、冷暖房に使うエネルギーを根本から減らすことが可能です。

2:省エネ

ZEHには、HEMS(ヘムス)という、住宅内の消費エネルギーと太陽光発電等で創るエネルギーを確認できるシステムの導入が義務付けられています。
それだけではなく、省エネタイプのエアコンや、少ないエネルギーでお湯を沸かせる高効率な給湯システム、消費電力の少ないLED照明などの導入も必要です。

●創エネ

ZEHでは太陽光発電システムなどの再生可能エネルギーシステムを備えることが求められます。
この「創エネ」で創り出すエネルギー量が、消費するエネルギー量を上回るようにすることでZEHとして認められます。

現在「創エネ」の主流である太陽光発電には、処理方法を始め、生産国が限られているなど問題も多々あるのが実情です。
だからこそ、「創エネ」といえども、幾らでも発電パネルを積めばいいという考え方ではなく、極限まで消費エネルギーを削減した上での「創エネ」を心がける必要があるのです。

数値が合えば良いというのは大きな間違いであり、この部分は作る側。
家を建てるものの責任だと考えています。

ZEHの良いところ

ZEHだけでなく、高断熱住宅はもともと住宅内の温度差を限りなく小さくできるため、ヒートショックを始めとした健康リスクを低減することが知られています。
少しのエネルギーで、効率用冷暖房できるので、夏の厳しい暑さ、冬の急激な寒さを我慢する必要が無く、快適に過ごせます。
太陽光発電があれば、上記の使用エネルギーを自宅で賄えるだけでなく、停電時でも電気が使えるという大きなメリットもあります。

光熱費を抑えることはもちろん、安心で快適な暮らしが可能になる家の1つが、ZEHです。
決して、ZEHであれば、冷暖房はいらないというわけではないので、ご注意くださいね。

ZEHで利用できる補助金制度

2022年度もZEHに対する補助金が出る予定であることが2021年8月に環境省から発表されました。
「地域脱炭素ロードマップの実践」として、減額される様子もありますが・・・住宅に関しても重点対策が実施され補助金が出る予定です。
(※出典:令和4年度環境省重点施策集 令和3年8月)

戸建住宅ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)化等支援事業
(経済産業省・国土交通省連携事業)令和4年度 要求額:6,550億円
戸建住宅の高断熱化による省エネ・省CO2化に補助金が出ます。戸建住宅の新築は「ZEHまたはZEH+」で、リフォームの場合は「断熱リフォーム」で補助金が出ます。

1.事業目的

① エネルギーの自給自足により災害にも強く、ヒートショック対策にもなるZEH (ゼッチ)の更なる普及、高断熱化の推進。ZEH補助金
② 現行の省エネ基準に適合しない既存住宅の断熱性能向上による省CO2化。
③ 2030年までに新築住宅の平均でZEHを実現。
2030年度の家庭部門からのCO2排出量約7割削減(2013年度比)に貢献。
④ 2050年のカーボンニュートラル達成に向けて脱炭素社会の推進。

2. 事業内容

① 戸建住宅(注文・建売)ZEHの新築・改修:定補助:55万円/戸
② ZEH+に対する定額補助:100万円/戸
③ ①、②に系統連系対応型蓄電池を設置、低炭素化に資する素材(CLT等)を一定量以上使用、又は先進的再エネ熱利用技術を活用する場合に補助。 ※蓄電池2万円/kWh(上限額20 万円/台)等 ④既存戸建住宅の断熱リフォーム:1/3補助(上限120万円/戸)。 ※蓄電池、電気ヒートポンプ式給湯機は別途補助

※出典:環境省ホームページ 令和4年度環境省重点施策集)

以上は、環境省が令和3年8月に予算概算要求として公表した情報のためめ、今後変更があるかもしれません。
詳細については令和4年度の予算の成立後になりますが、引き続き利用できると考えて良いのではないかと思います。

補助金を受ける際の注意点

ZEHを建てる際には補助金をもらうことができますが、注意しなくてはいけない点がいくつかあります。

1つ目が、登録されたZEHビルダー(ハウスメーカーや工務店など)/ZEHプランナー(建築事務所など)で建てることです。
登録ビルダーで建てない限りは、ZEHを建てたとしても補助金の対象にはならないので、気になるハウスメーカや工務店がありましたら登録ビルダーかご確認ください。

2つ目は、補助金制度にはいくつか段階があるという事です。
以前も、2021年度の補助金でお伝えしたのが下記の内容です。

ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)補助金対象者条件

  • 「断熱」「省エネ」「創エネ」の条件を満たしたZEH住宅を建てること

補助金の受け取り方法

  • 施工会社を通して工事費の一部として還元

地域型住宅グリーン化事業補助金を増やす方法

  • 家庭用蓄電池や太陽熱利用温水システム、停電自立型燃料電池を導入

申請についての注意点

  • 先着順(予算に達した場合、期限でなくとも終了する)

3つ目は、先着順であり、予算に達した場合は期限内であっても終了してしまうという点です。

脱炭素社会と叫ばれる昨今。
ZEHを建てよう、購入しようという方は年々増加しています。
ZEHにして、補助金を利用したいと考えている方は早めに行動されることをお勧めいたします。

まとめ

ZEHについて、「光熱費がタダになるんですよね?」というご質問を何度か頂戴しております。
これは大きな誤解でして、ゼロ以下になるのは「エネルギー」であり「お金」ではありません。
「使うエネルギー≦創るエネルギー」です。

そのため、契約している電気の種類。ガス会社や料金プランによっても光熱費は変わりますし、テレビや電子レンジなどを始めとした家電による消費量によっても変わるので、ご注意ください。

但し・・・使う分のいくらかは自宅で賄えるため、光熱費も大きく削減できるのは事実です。
ZEHが気になる。でも補助金のシステムとか種類とか、ややこしくって分かりにくい等ございましたら、いつでもお気軽にご相談くださいね。

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