2025年10月開催 村篤設計塾2025 in京都・兵庫編レポート

2025/12/02 | お家のこと TOPICS

こんにちは、木が大好きないなほ工務店です。
今回は先月行われた、「村篤設計塾2025 in京都・兵庫」の様子をお届けいたします。


駒井家住宅にて(前列真ん中が主宰)

建築家・村松篤氏が主宰する「村篤設計塾」では、村松氏の指導の下、住宅設計の作法を学びます。
当設計塾は全国から参加するメンバーの地元を訪ねて開催されており、講義、名建築の見学、ホストを務める住宅会社・工務店のお仕事や実例を見る機会が設けられています。

今回は地元関西での開催となり、弊社がホストを務めさせていただきました。
実例見学の会場として快くお貸しくださいましたH様、ご参加くださった皆様、まことにありがとうございました。

イベント概要

日程:2025年10月29日(水)~10月31日(金) 見学場所:旧三井家下鴨別邸/旧喜多源逸邸/駒井家住宅/弊社施工物件/高碕記念館/弊社モデルハウス「重層の甍」

1日目

3日間にわたり開催されました当設計塾の1日目は、参加メンバーによる設計課題のプラン発表と講評が行われました。
設計課題は実際のお仕事に近い内容のものとなっているため、様々な経験をもつ参加者による設計プランは勉強になることばかりです。
各参加者に対する村松氏からの講評や参加者同士の意見交換も行われ、とても濃密な時間となりました。


設計課題発表&講評の様子

2日目

2日目は、午前に旧三井家下鴨別邸と旧喜多源逸邸の2か所を見学しました。
旧三井家下鴨別邸は、下鴨神社の南に位置する豪商・三井家の旧別邸です。
「主屋」「玄関棟」「茶室」が現存しており、2011年に重要文化財に指定されています。

<旧三井家下鴨別邸についてはこちら>旧三井家下鴨別邸 イベント情報・お知らせ|【京都市公式】京都観光Navi

どっしりとした佇まいの玄関棟から主屋に続く通路を抜けると、庭園と一体となった主屋の開放的な空間が広がります。


玄関棟入口


主屋(建物の内と外が緩やかにつながる気持ちの良い空間)

庭も散策することができ、建物が水面に映る様子は風情のある素敵な景観でした。

次に、旧喜多源逸邸へ向かいます。
旧喜多源逸邸は藤井厚二設計の住宅で、2006年に国登録有形文化財に登録されています。

<旧喜多源逸邸についてはこちら>住宅遺産トラスト:喜多源逸邸

1階には小上がりの和室とそれに続く縁側があり、縁側は深い庇とガラス障子で囲まれたサンルーム空間となっています。
庭に差し込む日の光が木々を照らし、その影が縁側の床に落ち込みます。
その様子はとても幻想的で、室内に居ながらも自然の中に入り込んだような感覚になります。

2階は、次の間と客間で構成されており、客間南側に隣接する廊下は一面全体が窓となっているため光と風を取り入れることができます。
さらに、客間からは「大文字山」が見えます。


客間


客間から望む大文字山(大の文字も見えました)

午後からは、駒井家住宅を見学し、その後村松氏による座学が行われました。
駒井家住宅は、1927年にヴォーリズ建築事務所の設計により建てられた洋風住宅です。

<駒井家住宅についてはこちら>駒井家住宅(駒井卓・静江記念館) | 保護対象・保護資産 | 私たちの取り組み | 公益財団法人日本ナショナルトラスト

1階は居間と食事室が一体となったLD空間を中心として、北側にはキッチン、南側にはサンルーム、西側には和室が設けられています。


手前から食事室-居間-サンルームへと続く


サンルーム

居間には出窓と腰掛けを合わせた「ウィンドウ・シート」と呼ばれるものがあり、空間のポイントとなっています。

2階へと向かう階段は、緩やかな勾配かつ曲線的なデザインが特徴となっています。
使いやすさと意匠の両方を重視したヴォーリズの設計思想がうかがえました。

2階にある書斎は、駒井氏が当時使用していた姿がそのまま保存されており、大変貴重なものでした。

駒井家住宅を後にし、2日目最後は村松氏による座学が行われました。

3日目

3日目は、午前に弊社施工物件「TAKARAZUKA・ART・HOUSE」と「Hさんの家」を見学しました。


TAKARAZUKA・ART・HOUSEにて

1件目に見学させていただいた「TAKARAZUKA・ART・HOUSE」は、吹き抜け空間にキッチンを設けたプランが特徴となっています。
開放感のある空間でお料理ができると、お施主様も大変喜んでおられました。

2件目に見学させていただいた「Hさんの家」は、平屋の住宅で、庭に面した大開口と勾配天井による開放的なLDK空間が特徴です。

午後からは、高碕記念館と弊社モデルハウス「重層の甍」を見学しました。
高碕記念館は、1923年にヴォーリズ設計によって建てられた高碕達之助氏の住宅で、国登録有形文化財に登録されています。

<高碕記念館についてはこちら>高碕記念館について | 高碕記念館


高碕記念館ホームページより引用

各居室には高碕記念館の当時の図面や模型、高碕氏に関する資料が展示されていました。

この日はあいにくの雨でしたが、2階の窓から見える景色は街が一望できる最高のロケーションでした。

最後に、弊社モデルハウス「無垢の木の家 重層の甍」を見学していただきました。

このモデルハウスは村松氏設計のQ1住宅で、2階にLDKがあるプランとなっています。
当時の図面や仕様をまとめた資料や各部屋を自由にご覧いただき、弊社のお仕事について知っていただく機会となりました。

まとめ

今回のコラムでは、村篤設計塾の様子をお伝えさせていただきました。
当設計塾では様々な建築を目にする機会が設けられています。
また、講義や設計課題では住宅設計について貴重な内容を学ぶことができます。
これらの経験をこれからに活かしていき、お客様にご満足いただける家づくりを目指して引き続き取り組んでまいります。

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