無垢の床とペット(犬と猫)の健康
2020/12/11 | 自然素材のこと日本は、およそ4世帯に1世帯がペットを飼っていると言われています。
いなほ工務店は3世帯に1世帯の率なので、日本の率よりも多いですね。
犬派より猫派が多く、何人ものスタッフが保護した猫を飼っています。
誰もが自分の猫が1番かわいいというのはいつものことで、写真を見せて自慢しあうのも社内のいつもの光景です。
※代表の愛猫「キキ」と「栗」
自分のペット(そもそもペットという呼び方が嫌だとスタッフに言われることも多いですが、あえてペットと書かせていただきます)が1番かわいいのが当たり前のように、長生きしてほしいと思うのも当たり前のことです。
外で暮らすことが多かった犬や猫は、近年室内飼いが主流です。
猫は外に出さないよう指導されていますし、犬も犬種に限らず室内飼いが当たり前となっています。
室内飼いがもたらす危険
室内飼いは多くのメリットがあり、猫の場合は外に出すことがなくなり、交通事故や迷子になって帰ってこれなくなる危険はほとんどなくなります。
犬の場合も空調設備が整った環境で暮らすことができ、排ガスに晒される時間も大幅に減るために身体によいことばかりです。
しかしその反面、家の中の事故が多くなっているもの事実です。
その原因の1つが床材という事はご存じでしょうか?
近年、家の中というと一戸建てでもマンションでもアパートでもフローリングが主流です。 人間にとって扱いやすく、オシャレで衛生的。 犬や猫を飼う環境としても掃除がしやすいのがメリットです。
しかし、フローリングは『滑る』のも特徴です。 つるつる滑る床、『滑って転ぶ』という絨毯ではなかなかないことが、フローリングでは人間でも容易に起こります。
本来、地面に爪を食い込ませて走る動物は、フローリングなどの場合それが不可能なため常につるつると滑りながら走っています。 滑りながら走る・・・私たち人間に置き換えてみてもとても怖く、体に悪そうなのが容易に想像できます。
下記に、滑ることで起こると想像できる危険を挙げてみます。
滑ることで起こると想像できる危険
- 踏ん張りがきかず、思い通りに動けない
- 予期せぬ方向に足が滑ることで、体勢を崩してしまう
- ジャンプ後や飛び降りた時に、バランスを崩して着地に失敗する
- 滑ることで余計な力が関節や四肢などに加わるため、筋肉を傷める
- 予期せず階段など高い所から落ちてしまう
上記のように数々の危険性が考えられ、もたらされる怪我や症状も軽度から重度までと様々です。
打撲や捻挫、骨折であったり、猫種や犬種によって起こりやすい病気もあります。
フローリングは諦めるべきか否か
確かにペットの足腰のことだけを考えた場合、フローリングではなく絨毯が一番です。
しかし、絨毯には絨毯のデメリットも多く、不衛生なのもその1つです。
掃除がしにくく、呼吸器疾患や犬アレルギー、猫アレルギーを引き起こす危険が増します。
ペットが快適に暮らすために一番大切なのは、飼い主の健康(ずっと大切にペットを守っていくために)だと考えているので飼い主の負担になる絨毯を敷き詰めた家というのは推奨しません。
もちろん、常に掃除をしきれいな状態を保てるのなら、室内飼いを考えた場合これ以上の環境は無いと思いますが、共働きが主流である現代社会ではなかなか難しいのが現実です。
犬や猫の毛、粗相した場合の後始末等々。
常に掃除と隣り合わせの絨毯はあまり現実的とは言えません。
暮らしを考えた場合、やはりフローリングをおススメします。
どんなフローリングを選べばいいか
フローリングは体に悪い・・・でもフローリングの方が良い・・・と言われても。と思われるかと思います。
フローリングと言っても、種類は様々。
大きく分けると、合板フローリングと無垢フローリングに分かれます。
無垢のフローリングはいなほ工務店の大得意の分野であり、施工技術も取り扱える種類も豊富にあります。
無垢の床材はそもそも人の足腰にも優しく、立っていただけばすぐに違いが分かるほど、「やわらかい」のが特徴なため、一番におススメしている材料です。
「やわらかい」のでペットの爪痕も残りやすいですが、以前お客様に言っていただいた「爪痕を見るとそれだけ爪を立てて走れているんだと思うと嬉しい」という一言を信じ、ペットと快適に暮らしたいとおっしゃるお客さまにも無垢のフローリングをおススメし続けています。
ただし、無垢のフローリングと一言で言っても、種類は豊富にあり傷が目立ちにくいものももちろんあります。
わざわざ傷が目立ちやすいものを選ぶより、目立ちにくいものを選ぶほうが良いと思います。
その上で、できる限り凸凹している材を選んでいただくと、それだけペットへの負担が軽減されるので、ペットと暮らすなら凸凹した傷の目立ちにくい無垢材をお選びください。
※事務所にある無垢材の見本の一部
ペットと快適に暮らすという事
無垢のフローリングは、合板フローリングとは違うので表面にコーディングもなく、ツルツルしていません。
コーティングされていないと聞くと、粗相した場合大丈夫なのか?と心配されるかもしれませんが、もちろん放置するとしっかりシミになります。
でも、無垢素材の良いところは馴染むところです。
合板フローリングのように塗装が剥げたり表面が膨れたりすることは無く、時間の経過とともにペットが付けた傷や粗相の跡が味になっていく。
昔の日本家屋には、子供たちの付けた傷が柱や床に残っていたように、大切なペットが付けた傷も残していく。
これがペットと無垢フローリングで暮らすの良さの1つだと考えています。
確かに無垢とはいってもフローリングの一種です。
土の上を走る犬や猫にとって、やさしいとは言い難いのが実情です。
だからこそ、犬や猫がよく走る場所には人が「好き」と思うデザインのカーペットやラグをひき、さっと干したり取り換えられるようにしておく。
人も犬も猫も「暮らしやすい」暮らし方の1つの方法だと思います。
家を建てる場合の床材をどうしよう・・・と悩んだ場合は、ぜひ無垢フローリングもご検討ください。 大切なあの子と一緒に思い出を重ねていける床材、それが無垢フローリングです。
※無垢フローリングの上に敷いたカーペットの上で寝る「栗」。
しかし・・・無垢フローリングとカーペットを撮ろうと思っても、猫が中心に来てしまうのは何なんでしょうか・・・。
無垢のフローリングがほとんど写っていないので、無垢材の質感が知りたい方はぜひ事務所に遊びに来てください。
無垢の端材も大量に保管しているので、自宅で肉球に触れさせてみるという事も可能ですよ。