「大好き!」と思える木の家に住みたい!
2022/09/19 | 自然素材のこと TOPICSこんにちは、いなほ工務店です。
世界最古の木造建築がある日本に馴染み深い「木の家」。
「木の家」と聞いて想像されるのは、どんなお家でしょうか。
床や天井、柱や梁がむき出しで、ナチュラルな印象を思い浮かべる方もいらっしゃれば、黒い梁が立派な日本家屋を思い浮かべる方など、さまざまかと思います。
「木の家」と一言で言っても、上記のようにナチュラルなものから重厚な日本家屋まで、全て「木の家」です。
鉄やコンクリート造りとは違い、木は形を容易に変えることができるため、住む人の好みに合わせてデザインは千差万別。
同じ「木の家」でも、各所に「無垢材」を使用するのが「いなほ流」です。
工業製品ではない無垢材は、日本古来より使われてきた材料で、廃盤等の心配がなくいつでも入手可能で、何より調質効果と風化を楽しめる素材です。
今回は弊社の施工事例を基に、木の家のデザインをお伝えしたいと思います。
1:木の選び方で印象を変える
木は同じように見えて全て違います。
フローリング一つとっても、材種の違いや、同じ材種でも節のあるなし、色味の違いや加工の違いで全然違うのでご紹介しますね。
まずは、節無しのフローリング(画像は桧の無節)です。
節無しと一言で言っても、材種によってお色味は様々ですし、同じ材種でも色味は一枚一枚違います。
節が無い分色味の違いは少し目立ちますが、白っぽい材と赤っぽい材が偏らないよう並べることで、ナチュラルですがスッキリとしたシンプルなイメージに仕上がります。
色の違いも工業製品ではないからこその良さですよね。
次は、節ありのフローリングです。
先ほどと同じ桧のフローリングですが節がある分無節と比べると少し安価となります。
節無しと比べよりナチュラルで、「木!」の印象が強く仕上がります。
節ありは、色味と共に、節の目立ち方も様々です。
節ありを選ぶ場合は、どの材種の節の出方が好きかしっかり見てみてくださいね。
それぞれ違いがあって面白いですよ。
次は、濃い色の材を採用した例です。
上の画像はウォールナットという家具等によく使われる少し硬い素材です。
上2枚とは違い、ナチュラルというよりはシックな雰囲気に仕上がります。
チラッと見えている造作キッチンも落ち着いた色やレンガタイルを使用することで、より重厚感のある空間を新築時から作れるのが、濃い色のフローリング材の特徴です。
節目を目立たせる加工「うづくり」を施したフローリングです。
上の画像は、杉の「うづくり」です。
木の表面を丁寧にこすることで、年輪を浮き上がらせています。
新築時から、経年変化を経たような雰囲気が楽しめます。
どれも同じ「木」ですが、何を選ぶかで印象は様々です。
どれを選んでも、体にやさしい自然素材という点に変わりがないのが、木でデザインする良さですね。
2:木の見せる分量で印象を変える
木造住宅は、構造自体が木です。
フローリングや階段だけでなく、柱も梁もすべて木。
どこまで見せるかで、印象が大きく変わります。
柱や梁は一切見せずに、要所要所で木を活かしたデザインの施工事例です。
ナチュラルでありながらもモダンな雰囲気や、遊び心のある雰囲気など。
木以外のデザインも楽しみやすいのが特徴です。
家具を1つ変えるだけでも、お部屋の雰囲気が大きく変わりますよ。
天井を白くしつつ、柱や梁の一部を見せるデザインです。
先ほどの事例に、梁や柱が少し見えているだけですが、印象が全く違いますよね。
こちらのお家のように、木の露出も楽しみつつ、デザイン性の高い造作キッチンやインテリアを取り入れたい場合は、隠すのではなく少しだけ見せると、木の家とインテリアや家具のバランスがとりやすくなります。
次は、木の家らしさが前面にでた、木組みを見せた施工事例です。
全てを大胆に見せることでデザイン性が高まります。
木の分量が多いどころか、壁を除いてほぼ「木」ですが、木材の色味を種類ごとに統一すれば、ごちゃごちゃした印象になりません。
木の家を存分に楽しみたい方にはお勧めですよ。
デザインとは少し違いますが、梁を利用してキャットウォークを作った施工事例です。
無垢の木そのままなので猫ちゃんの足にも優しく、梁の本数分行ける場所が増えるので、愛猫のストレス軽減にも一躍かう。
デザイン性と実用性を兼ね備えた、梁の有効活用法です。
3:造作家具でさらに暮らしやすく
フローリングと階段の木肌と、アイアンが印象的なこちらのお家。
壁や天井にはこばう紙を貼って白く仕上げています。
フローリングや階段・梁の色味に似た木材で、階段下に床下エアコンのボックスを造作しています。
絶対に必要なアイテムは、棚や机などその場所にあれば便利だなと思うものと合わせて造作すると、家族のライフスタイルを邪魔しないデザインに仕上げることができますよ。
壁の厚みを造作本棚にしたこちらのお家。
本来無駄になるスペースを、家族の好きに変えられるのが造作家具の良いところです。
その上、造作なら本棚が倒れる心配も一切ありません。
本棚やワークスペースなどは、造作家具として多くのお家で取り入れるアイテムですが、サイズが自由な分、自分たちに適したサイズを知ることが重要です。
以前のコラム「いい家を建てる為にできること」でお伝えしました、「イラッとノート」に使いやすいと思った家具のサイズや、逆に使いにくいと思った家具のサイズをメモっていくと造作家具のサイズを考える際にも役立つと思うので、ぜひ取り入れてみて下さいね。
さらにもう一歩、造作家具よりも踏み込んだのが、こちらのお家です。
この部屋はモデルハウスの主寝室ですが、机に必要なスペースと、ベッドに必要なスペース。
事前に両方を計算し、プラン建てを行いました。
机を造作し、スペースを最大限に活用することで、狭い土地でも快適なプランを実現することが可能です。
木の造作家具は、無駄なスペースの解消にも最適なので、家づくりを考える際にはどこまで造作にするか。 家づくり計画の中にしっかりと入れてくださいね。
4:プライベート空間を贅沢に楽しむ
家の中でも究極のプライベート空間と言えば浴室ではないでしょうか。
その浴室に檜を始めとした木材を取り入れることで、温泉宿に行かなくても檜風呂が楽しめます。
とても贅沢な時間ですよね。
こちらの写真は、檜風呂の檜よりも更に上の材、「青森ヒバ」を使用したハーフユニットバスです。
フルに木材を使用した浴室よりも、手入れが簡単なので、浴室も「木」にしたい方にはお勧めの形です。
5:家の周りにも木を使う
外壁やウッドデッキ、弊社では目隠しにも「木」を使用することがあります。
木は、家を個性的な印象に仕上げるだけでなく、緑と融合することで他にはないデザインに仕上がるのが特徴です。
1階を白、2階を黒のツートンの壁に、軒天とバルコニー・目隠しに木を使用したお家。
コンクリート壁と白黒のモダンな印象の中に、天然素材の木肌が美しく浮かびあがっています。
外壁に木材を取り入れると、現代的なデザインでありつつもどこか懐かしい、景色に溶け込みつつも個性的な家に仕上がります。
玄関ポーチと、バルコニーに木を使用した田能の家。
バルコニーは夏場、太陽光を遮るための緑のカーテンを作ることを想定しています。
見た目のデザイン性だけでなく、使い勝手と楽しさが共存する工夫ができることが、木の魅力の1つでもありますね。
家の外壁に杉板を使用した家です。
木張りの家は意外とメンテナンスが楽で、外壁材の杉の悪くなった所を簡単に補修が可能です。
但し軒を長くするなどして、直接雨がかかりにくくする工夫は必要です。
ちなみに、いなほ工務店の社屋も杉板張りですよ。
最後にご紹介するのは、リビングルームの延長として使える、縁側のようなウッドデッキです。
窓を開け放てば大きな空間が作れるので、日常生活だけでなく、バーベキューやホームパーティなど人が集まる非日常にも活用できます。床板や天井の色味や素材を、外壁と一緒にデザインすることで統一感が出ますよ。
まとめ
今回は、「木の家」のデザインについてお伝えさせていただきましたが、「木の家」というとお手入れを気にされる方も多くいらっしゃいます。
以前のコラムで無垢材のワックスに触れましたが、無垢材を使用していればお手入れは、乾拭きや硬く絞った雑巾で水拭きすればOKです。
傷や汚れが付いた場合も、合板とは違うのでサンドペーパーで気になる箇所を削ったり、アイロンを当てることで目立たなくさせることが可能です。
生活の中で必要な普段のお掃除を重ねることで、時間の経過とともに味のある雰囲気へと変化していくのが「木の家」の良いところ。
「木の家」を建てよう!と思ったら、家族みんなでどんなデザインが良いか、どんな空間で暮らしたいのかじっくり考えてみてくださいね。