便利でおしゃれなニッチって?

2022/03/12 | お家のこと TOPICS

家づくりの際、少しの工夫とこだわりで、オシャレさは変わります。
決めることがたくさんある家づくり。
忙しい時に大変ですが、壁の利用法もその1つです。

今回のコラムでは、壁にする工夫。
ニッチについてお伝えしたいと思います。

そもそもニッチって?

ニッチとは、西洋建築の用語で「壁の凹み」のことを言います。
ニッチェと表記されている場合もあります。

壁面や柱を半円や四角形、好きな形にくりぬき中に彫刻などを飾れるようにした部分を指します。

建築用語ではなく、一般的な意味としては、「隙間」や「適所」などの意味で用いられることも多く、最近では「ニッチ市場」というようにとても規模の小さい市場の意味としても使われていますね。

家づくりの場で見る「ニッチ」

彫刻などを飾れるようにした部分をニッチというと先ほどお伝えしましたが、家の中につくるニッチの役割はそれだけではありません。
使い方ひとつで、お部屋の雰囲気か使い勝手まで変えてしまう力がある「ニッチ」の採用方法を用途別にお伝えいたしますね。

無機質なスイッチを素敵に見せる

最近では、インターフォンやスイッチが集約している場所にニッチを造作させていただくことが増えています。

昔と比べ、スイッチ類はとても大きくなりました。
特に、キッチン周り。
給湯器(お風呂)のスイッチに、インターフォンに、換気システムにコンセント等々・・・。
他にも上げだすときりがないほどです。

これらのスイッチをただ並べるだけだと、何となく味気なかったり、ごちゃついた印象を受けてしまいますが、ニッチの中に収めるだけでおしゃれな空間に変わります。

ニッチにスイッチ類を集約する場合、1点注意が必要です。
それは、インターフォンを始め、給湯器などはいずれ取り換え時期がくるということ。
今取り付けたものとピッタリのサイズでニッチを造作すると、将来スイッチを取り換える際、ニッチに収まらない可能性が出てきます。

スイッチ類をまとめるニッチは、余裕を持ったサイズで計算するよう気を付けてください。

玄関に余裕を持たせる

家の鍵や自転車や自動車のカギ。
宅急便を受け取る際の印鑑等々。
実はこまごまとしたものが多い玄関スペース。

物の定位置を造ることで、細かいものも整理しやすくなりますし、うっかりどこに置いたか忘れてしまう事も減らすことが可能です。

玄関でのニッチの活用法としてもう1つ。
弊社の創業当時から作っている玄関手洗いスペースの設置があります。

どうしても前に飛び出してしまう手洗いスペースも、ニッチの中に収めることでスッキリとした印象と共に、ちょっとした世界観も作り上げることができるので衛生面と共にインテリア性を重視したい場合におr勧めの設置方法です。

土地が狭く玄関スペースに余裕がないお家でも、壁の厚みを利用したニッチなら、ちょっとした棚を造作することもできるので、気になる方は家づくりの際にお尋ねください。

飾り棚として有効活用する

部屋の中だけでなく、玄関や階段、廊下のスペースにもお勧めなのが、飾り棚として利用するニッチです。
ニッチは、部屋と部屋を仕切る壁の厚みを利用して造作するので、廊下や階段の壁面に作ればギャラリーのようにその時々の「好き」を簡単に楽しむことができます。

飾り棚としてニッチを利用する場合は、お気に入りの雑貨や写真等をディスプレイする他、ハロウィンやクリスマスを始めとした季節のインテリアを飾る場所としても効果的です。

メッセージボードとして利用する

昔ならコルクボードやホワイトボードの他、冷蔵庫が役目を果たしていた、家族のメッセージボード。
提出が必要なプリントなども、よくマグネットで貼り付けられていたのではないでしょうか。
同じような利用方法を、ニッチで行う事でこだわりのインテリアの中に、溶け込ませることが可能になります。

おしゃれな生活、生活感のない生活は素敵ですよね。
でも、全部しまい込んでしまって提出期限が過ぎてしまう・・・。
家族への伝達事項をうまく伝えられない・・・というのでは、暮らしとしてはあまりよくありません。

ニッチなら壁側にへこんでいるので、室内の雰囲気を壊さずに情報をとどめておけるのでとても便利ですよ。

収納スペースとしてのニッチ

ニッチはインテリア性のとても高い造作です。
壁の厚みを利用するため、前面に出てくることもなくおさまりもとても良いので、収納スペースとしても有能です。
但し、ニッチを収納スペースとして利用するなら、動線を考えた配置がとても大切です。

素敵だからここに。
インテリアを考えてここに。というように、使う場所やその動線上以外の場所に配置してしまうと、とても不便になってしまいます。

スイッチをまとめるなら、キッチンやパントリーなど、よく使う場所。
掲示板としてのニッチなら、家族全員が目にする場所のように、適材適所の配置を行ってください。

ニッチの一工夫

・壁面をマグネットボードにする

ニッチの壁面をただの壁ではなく、マグネットボードにすることで磁石をくっつける事が可能になります。
メッセージボードとして格段に便利になりますし、家族写真やおしゃれなポストカードなどもさりげなく飾りやすくなります。

・思い切ったデザインにする

有名ブランドのデザイン性の高すぎる壁紙や、個性的なタイルなど。
大好きだけど取り入れにくいアイテムでも、ニッチのように小さなスペースなら、「アクセント」として取り入れることが可能です。
もともと小さくまとまっているスペースだからこそ作れる自由な空間が、ニッチの素敵なところです。

・照明をつけてみる

ニッチに間接照明をつけることで、ギャラリー感が高まります。
間接照明の色は、飾るものに合わせて変えるのもおすすめです。

ニッチを造る際のポイント

壁の厚さを利用して造作するニッチですが、どこにでも作れるわけではありません。
基本的には家の構造や耐震性に影響のない壁、空間分の厚さがある壁にしか作ることはできませんので、注意が必要です。
後になってから「ここに作りたい!」となると、なかなか実現が難しい場合が多いのが実情なので、事前に伝えてるのを忘れないようにしてくださいね。

その上で、ニッチの奥行きにも注意が必要です。
例えば、奥行きのあるものを飾りたい。収納したい場合。壁を厚くする必要があります。
ニッチはあくまで壁の厚さを利用した飾り棚であることを忘れず、「これぐらいの厚さがあると便利だな~」というような軽い考えは控えてくださいね。

ニッチを造りたいと考えている方は、ニッチの奥行き=壁の厚さ。という事を忘れずに計画し、プラン作りの際には伝えられるようにしておきましょう。
事前にしっかりと伝えることで、理想のプランが仕上がる確率が格段に上がりますよ。

いなほ工務店「ニッチ」の施工事例


キッチンのそばにスイッチを集約させ収納も兼ねたています。


+αでトイレに高級感をプラスしたタイルで飾ったニッチです。


さっと使いやすい奥行きのニッチを洗面所に設置することで、洗面スペースが更に使いやすくなりますよ。


玄関にインテリアを兼ねて設けたニッチ。照明をプラスすることでギャラリーのような雰囲気に。
下部のニッチはスリッパラックになっています


スイッチ回りと飾り棚を共存させたニッチ


こちらは、壁面収納のようなニッチです。棚を固定式にすることで、構造的にもとても安全な作りとなっています。


ウォシュレットのスイッチとペーパーホルダーをまとめてニッチ内へ納めることで、SHOPのお手洗いのような雰囲気を実現。

まとめ

ニッチは、インテリ性が高いだけでなくとても便利な造作という事は、今回ご紹介した内容でお伝え出来たかと思います。が、ニッチはそのインテリア性の高さから、お家のアクセントにもなりやすいという特徴があります。

ファッションと同じく、インテリアもおしゃれなアクセントを多用するとただうるさいだけ。
ごちゃごちゃとした印象を与えてしまい、全体的にまとまりのない空間となってしまいます。
ニッチはあくまでも、まとまりにくいものを一か所にスッキリ集める。
または、インテリアの1つとして考えてくださいね。
たくさんの物を収納したい場合は、ニッチではなく、使いやすい収納スペースを作ってくださいね。

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