2024年10月開催構造見学会レポート
2024/11/06 | 家づくりのこと TOPICSこんにちは、木が大好きないなほ工務店です。
とても久しぶりのコラムとなりますが、今回は先日行われた構造見学会の様子をお届けいたします。
先日は大盛況のうちに、各回限定一組様の構造見学会が終了いたしました。
見学会場として快くお貸しくださいましたお施主さん、ご来場くださった皆様、まことにありがとうございました。
H様、写真掲載の許可を下さりありがとうございます。
イベント概要
日程|2024年10月26(土)・27日(日)
時間|10時~17時 完全予約制
場所|猪名川町伏見台2丁目
見学会当日は両日ともにしっくりこない天気、27日に至っては途中から雨が降ってくる始末で、肌寒さを感じる日でした。
にもかかわらず、興味津々に現場をご覧になられるだけではなく、細かな質問やお客様の想いやお考えをお伝えいただけ、とても有意義な2日間となりました。
※こちらの写真は見学会以前に撮影したものになります。
今回の構造見学会の会場として快くお貸しくださったお施主さんのお家は、平屋+ロフトというプランです。
お施主さんのご要望である「わんちゃんと暮らしやすい家」を考えた結果、平屋+ロフトという形に落ち着きました。
写真に写っている構造材は、お施主さんが選ばれた、兵庫県産、奈良県産の無垢杉(一部米松)です。
差し込む光と木肌の美しさは見事なもので、隠れてしまうのが本当にもったいない美しさでした。
構造材の美しさを堪能できるのも、構造見学会の良さの1つですね。
床材は吉野杉研ぎ出し上小無垢フロア-を使用しています。
※写真に写っている床はフローリング材ではなく、養生ベニヤ板です。
杉の上小無垢研ぎ出しは、杉材の一種で、赤身と白身が混在する羽目板を指します。
無節は材面に節が無く優しい感触であることからわんちゃんの足を考慮して選ばれました。
材1つにも、そこで暮らす人と大切な存在にぴったり合ったものを選べることが、注文住宅を建てる大きなメリットですね。
今回の建築地は、地域的に6地域となり、比較的温暖な地域です。
その上、土地の形状や周りの環境にも恵まれていることから、通風やパッシブを最大限に生かした高断熱高気密のQ1住宅(Q1住宅レベル1、Ua値0.36、C値0.1)になっています。
6地域の場合、通常なら基礎断熱はスカート方式を採用いたしますが、今回は山が近いことを考慮し、全面に断熱材(スタイロ 60mm 全面)を敷き詰めました。
弊社は常々、家は土地を見て建てるべきだと言っていますが、今回の基礎断熱の施工方法を変更したのもその一つです。
同じ6地域であっても、平地と山からの吹きおろしがある地域。
どうしても体感温度に違いが生じます。
同じ地域だからと言って、同じ施工をしていればいいわけではないという点からも、土地を見えて建てるべき理由がお伝えできるのではないでしょうか。
上記写真は、壁内の断熱施工の様子です。
弊社のいつも通りの断熱施工を行っております。
断熱材(パラマウント 太陽SUN 16K105+気密シート)を隙間なく埋めた上から、気密シートで覆っています。
こうすることで、室内の湿気を通さず(防湿層)断熱性能を維持することができます。
又、気流止めとして断熱材上部には木材等にて気流止めの対策が行われています。
気流止めはその名の通り、気流が漏れる(冬場なら、家の中の暖かい空気が上部へ流れ出し、断熱効果が弱まる)のを防ぐ役割があり、気流止めが不十分な場合、気流が発生して寒い家となってしまいます。
しっかり断熱材を入れたのに寒い・・・という家は、気密止めの施工が不十分、または気流止めがされていないことが原因なことが多々あります。
上記写真は、屋根の断熱材(セルロ-スファイバー 200mm)も気になりますが、見えづらい窓をご覧ください。
繰り返しになりますが、今回は立地に恵まれたこともあり、パッシブの考え方を存分に取り入れました。
窓もその一つです。
南面以外の窓にはトリプル樹脂サッシを採用し、南面のみペアの樹脂サッシを採用しました。
こうすることで冬は太陽の光を最大限利用しつつ、夏は緑で日差しを遮る仕組みが出来上がります。
うだるような暑さの夏でも、空調の整った室内から陽を浴びる緑を眺めるのは非常に気持ちがよく贅沢な瞬間です。
緑の扱いがめんどくさいと言われる昨今ですが、緑は家を内からも外からも素敵に見せてくれる効果があります。
気になる方はぜひ、取り入れることを検討してみてくださいね。
ちなみに、パッシブの仕組みは構造見学会でなくとも見学可能です。
気になる方は、施工を依頼しようかな?と検討中の会社に問い合わせされることをお勧めいたします。
構造見学会で見学できる部分である、基礎、木組み、断熱施工は、完成後見えなくなってしまうため、各社がどのような施工を行っているのか分かりにくい部分の1つです。
その上、知識が無いと何がどうなっているのか、どう違うのか判断が付きにくいという難しい問題もあります。
ですが、基礎、木組みを含め、構造見学会で見ることができる部分はすべて、家の根幹にかかわる部分です。
分からないなーとぼんやり眺めるのではなく、ここで施工しようかな?と思う会社の構造見学会に参加されました際は、質問を繰り返しながら、木の良さ、施工の丁寧さ、なぜそれを選ぶのかといったことに注視しながら見学くださいね。