よりよく住まうリノベーション

2022/10/17 | 家づくりのこと TOPICS

先日公開させていただいたリノベーションの施工事例。
こちらは若いご夫婦がお祖母様の建物を譲りうけられ、ご夫婦の暮らしに合わせたリノベーションを行われました。

お祖母様が大切に住まわれたお家を、お孫さんが受け継いでいく。
とても素敵なことですよね。

こちらの事例だけでなく、最近はリノベーションについてご相談いただくことがとても多くなりました。
コロナ禍で自宅での暮らし方が変わったことも背景の1つですが、リノベーションの持つメリットが注目されだしたのも理由かと思います。

今回のコラムでは、リノベーションのメリットだけでなく、デメリットと共に、デメリットを回避するための方法をお伝えいたします。

リノベーションはリフォームとは違うの?

そもそもリノベーションとはどういうものなのかご存じでしょうか?リフォームとどう違うのか、まずご説明させていただきます。

「reform(リフォーム)」という言葉は「悪い状態からの改良」を意味しており、傷んだ箇所を修復したり、老朽化した設備(キッチンやお風呂・トイレなど)を新しく改築することを言います。
設備の変更の他、壁紙の張替えや外壁の塗りなおしなどもリフォームになります。

逆に「リノベーション」は、今ある建物に対して新たな機能や価値を付け加える改装工事を言います。
今の暮らしに合わせた間取りの変更や、キッチンやお風呂などを現代的なシステムへ変更することことのほか、弊社でもよくご相談いただく断熱施工や耐震施工も「新しい機能を加える」リノベーションになります。
リノベーションを行うことで、建物の価値が上がるだけでなく、今のライフスタイルや生活環境に合わせより暮らしやすい家へと生まれ変わります。

リノベーションとリフォームの違いまとめ

リノベーション リフォーム
・間取りの変更
・設備の位置変更
・断熱施工
・耐震施工等
・キッチンやトイレ、浴室など設備の取り換え
・壁紙の張替え
・外壁塗装など
ライフスタイルに合わせて既存物件の住空間を再設計すること 新築時の住まいに近づくように復元・改修すること

リノベーションのメリット

リノベーションのメリットはいくつかありますが、特に大きいメリットが、下記の4つです。

・自由にカスタマイズできる
・物件の選択肢が増える
・物件価格を抑えた購入がしやすい
・完成後がイメージしやすい

自由にカスタマイズできる

自分のライフスタイルにあった空間づくりを行えるリノベーション。
例えば、LDKと和室が1階にあるお家の場合、和室や壁を無くしワンフロアーにすることで広々としたLDLを実現する等、間取りの大幅な変更はもちろん、内装や水回りの設備、壁や床のデザインや素材等、自由にカスタマイズが可能です。

住宅の骨組みだけ残してリノベーションを行う事で、間取りから見直しができるだけでなく、壁の内側で工事を行う断熱性能や耐震性能もアップできます。
暮らし方に合わせた変更ができる上、既存住宅の性能アップをどこまで行うか。自由に選べるのがリノベーションの大きなメリットです。

物件の選択肢が増える

新築を建てられる理想の土地探しだけ行うより、中古物件も視野に入れて探したほうがより選択肢が広がります。

特に人気のエリアの場合、理想の土地がいつ出てくるか。
私たち専門の者でも分からないのが実情です。

土地探しの際に、リノベーション可能な中古物件も含めて検討することで、希望のエリアで暮らせる可能性がぐんと広がります。

中古住宅付きの土地を購入した場合、新築を建てるなら既存住宅を取り壊す必要がありますが、リノベーションなら取り壊すための解体費用も掛かりません。
(断熱施工や耐震施工、間取りの変更を行う場合、リノベーションに必要な解体作業を行う必要はございます。)

物件価格を抑えた購入がしやすい

新築を建築可能な土地よりも、中古住宅の方が安い場合が多々あります。
(解体費用分、更地よりも安い場合が多いです。) リノベーションは既存の建物を生かす分、新築住宅を建てるよりもコストダウンが図りやすいのが特徴です。

完成後がイメージしやすい

一から建てる新築一戸建てとは違い、すでにある家を改修するリノベーションは、完成後の暮らしがイメージしやすいのも大きな特徴です。

例えば、陽当たりや2階から見える景色の他、近隣住宅との距離などは、リノベーションしてもほとんど変わりがありません。
既存住宅の気になる点を改修することができるのも、すでにあるものをしっかり見ているからこそ。

立地条件を最大限に活かしつつ、自分たちが感じるここが嫌!にしっかり対応できるのもリノベーションの魅力です。

リノベーションのデメリット

リノベーションのメリットをお伝えした後は、デメリットもお伝えします。

特に大きいデメリットは、下記の4つです。

・間取りやデザインに制約がかかることがある
・建物の状態によって費用が変わる
・想定以上に傷んでいた場合がある
・リフォームはローンが高めに設定されている

間取りやデザインに制約がかかることがある

リノベーションのメリットとして、自由にカスタマイズできるとお伝えしましたが、建物の構造上どうしても動かせない柱や梁は絶対に出てきます。
既存住宅がツーバイフォー構造の一戸建ての場合、壁で建物を支えているため、撤去できない壁も出現します。
動かせない柱や梁、壁がある場合は、それらを活かしたリノベーションを行う必要があり、新築住宅ほど思う間取りにはできない場合があります。

建物の状態によって費用がかかる

既存住宅の築年数と劣化状態によっては、想定外の費用が発生することがあります。

例えば1981年より前に建築された建物は耐震基準を満たしていないものが多く、耐震リノベーションまで行うつもりは無くても、別途耐震リノベーションが必要になります。
また、利用できると思っていた躯体が白アリの被害にあっていたり、排水管などが劣化していれば修繕費がかさみます。
新築の場合は気にする必要のなかった、住宅の状態による費用の変動が発生するのがリノベーションです。

想定以上に傷んでいた場合がある

理想の場所でお手頃な中古住宅が売りに出されたとき、すぐに購入したくなると思いますがそんな時でも注意が必要です。

リノベーションは、既存住宅を活かして家の価値を上げる工事ですが、購入した中古住宅がリノベーションできなほど傷んでいる場合も多々あります。

古くなったデザインや傷んだ内壁、使い勝手の悪い見るからに古い設備なら一見するだけで誰でも状態が分かりますが、床下や屋根裏、壁の中などの住宅内部のことは専門家にしか分かりません。
痛みがひどくないか、リノベーションできる物件か、購入前にしっかりと調べる必要があります。

リフォームはローンが高め

中古物件の購入時に住宅ローンを組んだ場合、その後リノベーションを行うために再度ローンを組もうとすると、すでに借り入れしているため審査に通らないことがあります。

そんな時金融機関にお勧めされるのが「リフォームローン」ですが、リフォームローンは審査が緩やかで無担保でも借りられるというメリットがある分、住宅ローンよりも金利が高いのが特徴です。
中古住宅購入時の住宅ローンと、リノベーションの際のリフォームローンの二重ローンになるため、家計が圧迫される危険があります。

理想の暮らしをするためにかつかつの生活をするのでは本末転倒になってしまうので、ローンの組み方にも十分注意してくださいね。

リノベーション成功のためにできること

既存の住宅が、ご実家やお爺さまお祖母さまのお家を譲り受けたものである場合や、長く住んできた自宅の場合、住宅の状態と費用以外気にすることはほとんどありません。
大切なお家の資産価値を高め、安全で安心して末永く暮らしていけるよう、暮らしやすさに重点を置いたリノベーションを行うのが最適です。
この場合、大切な思い出をちょっとだけ残しておかれるお客さまも多々いらっしゃいます。

上記とは違い、中古住宅を購入してリノベーションを行う場合、まず大切なのは「買おうとしている中古住宅で、思うような暮らしができるかどうか」を、知ることです。

買ったはいいものの、思うような間取りにはならない。
いざリノベーション!と見積もりをとったら、大幅に予算をオーバーした、等々。

家の状態をしっかりと把握し購入していない場合、想定外の問題が発生するのがリノベーションです。
そんな問題を防ぐために大切なのは、第三者の声をしっかり聴くという事。

この第三者も、リノベーションありきで中古住宅を探すなら、リノベーションを頼みたい会社に相談するのが一番です。
理想の暮らしが可能か、どれぐらいの予算がかかるのか。
一番わかっている人に、中古住宅を一緒に見てもらって購入することで、リノベーションの失敗を大幅に防ぐことが可能です。

但し、相談する会社が新築を専門としている場合、「リノベーションすることを前提に中古住宅を見る」という視点や経験が欠けている場合があるので注意が必要です。

リノベーションを得意としているか、過去にどんなリノベーションを行っているか。
相談する会社探しを行う際は、新築の施工事例だけでなく、リノベーションの事例も大切にしてくださいね。

リノベーションを行う事を前提に中古住宅をローンで購入する場合、リノベーションの費用も含めてローンの審査を受けることが可能です。
中古住宅の購入とリノベーション、同時に進行することで余分な金利を払う必要も、購入した中古住宅に引っ越してからリノベーションのために再度家を空ける必要もありません。
中古住宅を買おうかな?と思ったときには、リノベーションは必要か。リフォームでも大丈夫か、その場合の予算は?までしっかりと考えて、購入に踏み切ってくださいね。

リノベーションの施工事例

すきがいっぱいの家

若いご夫婦が、お祖母様から受け継いだ住宅をリノベーションされた例です。

小さなお子様がいらっしゃることと、好きなキャラクターに重点を置き、使いやすいのはもちろん、可愛く、好きに囲まれた暮らしができるリノベーションを行いました。

重厚な雰囲気を持つ外観にはほとんどそのままに、家の内側の設備をすべて新しくするのはもちろん、床材にパインの無垢材を採用するなど、随所に大工の手仕事が光ってる、取捨選択がしっかり行われたリノベーションになっています。

こだわりを叶えた木を楽しむ家

こちらは中古住宅を購入してのリノベーション例です。
現在の面積・広さ・雰囲気を保持するには、建て替えでは対応できずリノベーションを行いました。
耐震診断を行い、耐震補強を含めたフルリノベーション例です。

築50年の時間を活かし、今では手に入らないデザインガラス窓を可能な限り残すなど、イメージはそのままに、明るく解放感あふれる間取りに生まれ変わりました。

勾配天井には杉板をふんだんに使用し、梁を大胆に見せたデザイン等、お施主さんの木へのこだわりが随所に感じられます。

旭区の家

ご夫婦お二人が、どうしても住み続けたい地域にて中古住宅をリノベ-ションした事例です。

<予算を考えながら、断熱改修を行い、木の家リノベ-ションを行いました。/p>

まとめ:リノベーションに大切なこと

リノベーションに限らず、新築を建てる場合にも言えることですが、家に掛けられる予算には限りがあります。

全ての希望を叶えるのは、今後の生活を考えても得策とは言えません。
特に住宅を入手しようと考える世代は、ライフステージの変化と重なることが多く、無理をした予算組は後々の生活を圧迫してしまいます。
叶えたいことにしっかりと優先順位をつけ、取捨選択を忘れないようにすることがとても大切です。

特にリノベーションは、想定外のことが新築よりも起こりやすいので、どこまでリノベーションするのか。どこまでこだわるのか等、家族でしっかり話し合い、ぶれないように気を付けてくださいね。

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