防火地域とは?

2022/02/03 | 土地のこと TOPICS

こんにちは、阪神間で高断熱高気密住宅を建てているいなほ工務店です。

今回のコラムでは、阪神間を始めとした利便性の良い地域にとても多い、防火地域・準防火地域についてお伝えいたします。

1:防火地域ってなに?

以前北摂地域についてのコラムでもお伝えいたしましたが、都市には都市計画というものがあります。
将来の都市の姿を想定し、そのために必要な規制や整備を行うことで、都市を正しく発展させる手段です。
そんな都市計画の中でも非常に重要な役目が、「都市を火災から守ること」であり、都市計画法第9条21項にも、「防火地域または準防火地域は、市街地における火災の危険を防除するため定める地域とする」とあります。

「火災を絶対に起こさないから大丈夫!!」という考えの元、安全に暮らせる都市をつくるのは誰が考えても無理がありますよね。
そのため、万が一火災が発生したとしても、燃え広がりにくく被害を最小限に抑えられる都市を作るのはとても大切な事であり、そのための規制が防火地域・準防火地域として定められているのです。

2:防火地域が指定されるのはどんな地域?

防火地域が指定される場所は2つ、1つは建築物の密集度が高い地域
もう一つは、緊急車両が通る幹線道路沿いです。

阪神間神戸市の防火地域|三宮駅前

建築物の密集度が高い地域について

建築物が密集している地域で、火災が起きるとどうすることもできません。
あっという間に燃え広がってしまいます。
それを防ぐため、都市の中心部で商業施設が立ち並んでいる地域。人通りや交通量が多い市街地の一定範囲が防火地域に指定されます。

緊急車両が通る幹線道路

消防車や救急車などの緊急車両が通る幹線道路沿いも防火地域に指定されます。
理由はとても分かりやすく、火災が起きて建物が倒れたり、道がふさがれてしまうと消火活動が遅くなるどころか、消防車が駆けつけることが困難になるからです。
そしてその間に火災は更に広がってしまいます。
それを防ぐため、幹線道路沿いも防火地域に指定されます。

防火地域は特に火災の被害が起きやすく、火災の発生を防ぐために予防する必要がある地域に指定されるため、基本的に木造建築物が建てられません

一番制限が厳しい防火地域を囲むように指定されているのが、準防火地域です。

準防火地域は、防火地域よりも範囲が大きくなるので、利便性の良い場所で家を建てようと考えた場合、指定されているエリアであることも多くあります。

住みたいエリアが、防火地域かどうか調べる方法は?

防火地域・準防火地域で家を建てるには様々な規制があるため、住みたいエリアがどうなっているのかしっかり把握しておく必要があります。
特に、阪神間や北摂地域は防火地域・準防火地域に指定されている範囲も広いので、事前に知っておくことが、理想の家づくりには重要です。

防火地域・準防火地域かどうか調べる方法は、GoogleやYahooの検索システムで、「○○市(住みたいエリア) 防火地域」と検索してください。

例えば、「西宮市 防火地域」と検索した場合、「都市計画情報(用途地域など)の閲覧、印刷はこちらです!!!」や「用途地域による制限|西宮市ホームページ」という結果などが表示されます。

少し分かりにくいですが、先にも記載した通り防火地域・準防火地域は「都市計画」の1つです。
都市計画情報にしっかり記載されているので、とても分かりにくいですが、調べてみてくださいね。

調べる際の注意とし、各市町村ごとに掲載方法が大きく違います。
芦屋市は、防火地域・準防火地域と表示されず、「建築基準法第22条の指定区域」というタイトルで表示されているほどです。

下記に阪神間の各市の防火地域・準防火地域が掲載されているページを上げさせていただきましたので、参考にしてください。

西宮市は、リンク先ページに表示されている「防火・準防火地域」のタブをクリックしてください。
神戸市は、リンク先ページに表示されている「同意する」ボタンのクリックを行っていただくと、詳細なエリアを入力したり地図から調べたいエリアを選ぶことができるようになります。

防火地域だったらどうなるの?

防火地域内の建物は、原則耐火建築物にする必要があります。
(延床面積100㎡以下の小規模なものを除く)

1階・2階(地階※を含む)3階以上(地階を含む)
延べ面積100㎡超耐火建築物耐火建築物
延べ面積100㎡以下耐火建築物または準耐火建築物耐火建築物

※地階とは建築基準法により、床が地盤面より下にある階で、床面から地盤面までの高さが、その階の天井の高さの1/3以上のものと定められています。
例えば、2.4mの天井高がある空間では、床が地盤面より80cm以上低い位置にあれば「地階」になります。

耐火建築物ってどんな建物?

火災が発生した場合も、周囲に燃え広がらず、建物が倒壊してしまうほどの変形や損傷が起こらない建築物を、耐火建築物といいます。

分かりやすく言うと、鉄筋コンクリート造りの建物や、火災の熱から建物を守るため、耐火や断熱性の高い材料で覆った鉄骨造りの建物です。

上記のような既定の耐火性能を有したものを耐火構造と言います。

耐火建築物が延焼を防ぐための策として非常に重要なのが、外壁の開口部です。
建物の中でも特に延焼の恐れが高い部分である玄関ドアや窓・換気扇など外壁の開口部には、防火扉ら網入りのガラスを設置することで、燃え広がりを防いだり燃え移るまでの時間を稼ぐことができるからです。

延焼を遮断・防止できる扉や窓を防火戸と呼び、耐火建築物の玄関ドアや窓は、防火戸であることが義務付けられています。

準耐火建築物ってどんな建物?

主要構造部を耐火建築物の構造に準じた耐火性能にした建物のことを、準耐火建築物と言います。

分かりやすく言うと、耐火建築物では建てられなかった木造建築物も、主要構造部を、耐火や断熱性の高い材料で覆った建物のことです。
(もちろん、鉄筋コンクリート造りや鉄骨造りも大丈夫ですが、こちらは耐火建築物として大丈夫なので、割愛させていただきます)

木造のように、耐火構造以外の構造で、耐火構造に準ずる既定の耐火性能を有するものを準耐火構造と言います。

準耐火建築物も、耐火建築物と同じく、延焼の恐れがある外壁の開口部には防火戸を設置する必要があります。

準防火地地域の建物は?

準防火地域も防火地域と同じく、火災の危険を防ぐために建築制限が設けられていますが、建物に対する規制は防火地域よりも緩やかになっています。
弊社は住宅を建てている工務店なので、住宅のことだけを説明させていただきますが、準防火地域は建物の延べ床面積と階数で条件が変わり、ポイントは下記の3つです。

1:3階建てで延べ床面積1500㎡以下の建築物であれば耐火建築物である必要はない。
2:3階建てで延べ床面積1500㎡以下の場合は準耐火建築物である必要がある。
3:3階建てで延べ床面積500㎡以下の場合は「3階建て建築物の技術的基準に適合する建築物」である必要があります。

1500㎡というとかなりの規模であり、普通の住宅では考えにくい広さですよね。
そのため、今回のコラムでは3のポイント500㎡以下の場合をご案内させていただきますが、3階建て建築物の技術的基準に適合する建築物とは、外壁や軒裏を防火構造にして、屋根を不燃材でふき、外壁の開口部に防火設備を設けた建物のことを言います。
木の柱や梁は一定以上の太さにするか、石膏ボードなどで覆う必要もあります。

準防火地域に指定されていない地域と比較すると、守るべき基準は多くなりますが、基準を満たせば木造の3階建て住宅も建てられるのが準防火地域の特徴です。
ただし・・・ポイントは全て3階建てと書いていますが、住宅の中でも一番多く建てられているであろう木造2階建てや平屋建てでも、準防火地域に建てる場合は、延焼のおそれがある外壁の開口部や外壁や軒裏を防火構造にする必要があるので注意してくださいね。

まとめ

防火地域や準防火地域。耐火建築物に準耐火建築物。耐火構造に準耐火構造など・・・とても似たような言葉が並び続ける、防火地域/準防火地域ですが、よくいただく質問があります。

それは・・・防火地域・準防火地域で家を建てる場合、費用は高くなりますか?という内容です。
確かに、防火地域・準防火地域では、燃えにくい材料で建てなければならないため建築費は高くなる傾向があります。
そして、窓一つとっても、防火地域・準防火地域以外なら好きに選べる窓やサッシにも規制があるため、防火戸の中から選ぶ必要もあります。

以前のコラムで、阪神間における土地探しの方法や、暮らしたいエリアを探す方法をお伝えしましたが、合わせてもう1つ。
暮らしたいエリアが何となく決まったら、次は都市計画に目を止めてくださいね。

都市計画は非常にややこしく(掲載されているページ1つ探すだけでもややこしいと思います。)、内容が入り組んでいるため購入してからでは、思い描く暮らしができないエリアである場合も往々にしてあります。
特に、阪神間や北摂エリアには、防火地域や土地の広さ、植木の量など様々な都市計画が設定されている地域が多くあります。
「好き」を叶え、ライフスタイルにあった家を建てる為にも、家づくりのプロにぜひ事前に相談してください。

暮らしたいエリアが見つかった後は、そのエリアで建てるにはどの会社が良いか・・・いくつかピックアップして「こんな家を建てたい場合、この地域で建てられますか?」と相談してみるのがおススメですよ。

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